自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

師走,金沢風景(1)

2016-12-12 | 旅行

金沢を訪れました。今回はぶらり旅で,どこかを見たいといったとくべつな目的のない,じつに呑気な旅でした。敢えていえば,師走の金沢風景をちょっと眺め,北国(ほっこく)の匂いをかぐ旅だったとでもいえるでしょうか。

これまでの金沢行きとちがうのは電車を利用したこと。琵琶湖を右に見る湖西線を走っていたら,粋な車内放送が聞こえてきました。琵琶湖の大きさとか,近畿の水がめとしての役割だとか,観光で人気があるとか紹介し,「その風景をしばらくおたのしみください」とのことばで結ばれたのでした。同じような放送が北陸トンネル通過直前にもありました。これ,たぶん民営化以前にはなかった体質改善なのでしょう。粋じゃないですか。

琵琶湖の逆の車窓からは雪が積もりかけた比良山系が目に飛び込んできました。


目的の金沢市に着いて駅から出ると,雪交じりの雨が降っていました。「おお,寒ーっ!」と,身震いしました。

バスで移動。公園を歩いていると,色づいた葉が目に付きました。きれいなグラデーションです。周りの葉に守られた,温度変化の少ない環境という点が関係していると思われます。


カイズカイブキ。どうしてこんなにねじれた感じの幹ができたのでしょうか。種としての特徴なのかもしれません。輪切りにしたときの年輪を想像すると,なんだか愉快になってきます。


今夏21世紀美術館の敷地に設置されたオブジェ。球体の金属がぼこぼこっとつなぎ合わされた大きなものです。人気スポットのようです。


よく知られた雪吊りがあちこちで作られていました。この冬の風物詩はまことに風流に見えます。作る時間はそれなりにかかるはず。雪対策には苦労がいるってことでしょう。


坂道には,稲藁で編んだ薦(こも)がずっと向こうまで敷かれていました。この滑り防止対策,優雅にも,繊細にも見えました。自然の材料を生かした手法が光っています。


古いレンガ建築が大事にされています。それがライトアップされ,雨の中で輝いて見えました。歴史の重みが伝わります。その重みをたいせつに思う人のこころが見事です。


この日の最低気温1.9℃,最高気温4.0℃。旅の話はまだ続きます。