自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クリ林の生きものたち

2016-12-08 | 生物

クリ林で幹をよくよく見ながら,もしかすると生きものの形跡が見つかるかもしれないと期待しつつ確かめていきました。しばらくして,見つかったのがヒロヘリアオイラガの繭です。イラガの繭は数ある繭のなかでも,とびっきり硬いといわれています。このなかで幼虫で越冬して途中で蛹に変態,そうして6月頃に成虫が出現するのです。 


イラガの幼虫には度々災難を受けているので,その正体は呑み込んでいます。

続いて,ジョロウグモが目に入りました。どうもいのち絶えているよう。脚がすっかり曲がって,勢いが感じられません。脇に卵嚢があります。いのちを託す我が子たちを,母としての使命を感じつつ今日までひたすらに守り続け,この寒さでついに力尽きたのでしょうか。 

 
卵嚢が1つ,その脇に母が。これはジョロウグモの習性なのであって,けっしてジョロウグモの学びの結果なのではありません。ヒトの勝手な解釈はこれ以上いくと害あるのみ。

 
母のみを接写撮影しました。からだがしわしわ。やはり,脚の曲がり方が死を物語っているようです。


さらに探していくと,別のジョロウグモが見つかりました。わずかに動いたので,まだいのちがあることが窺えました。脚の伸び方が先のクモとはちがっています。最後の最後まで卵を守り続けます。


反対側から写しました。全身で卵嚢を守っている姿が光ります。 

 

 
またまた,ジョロウグモが。今度は複数の卵嚢を守っているように見えます。3つもありました。この成体1匹で産んだのでしょうか。

 


日々の観察をもとに考えると,クモが棲む生態は自然が還っていることを物語っているように思えます。うれしいことです。