自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キタキチョウ,冬眠中

2013-01-11 | 日記

1月11日(金)。晴れ。

勤務施設で敷地内の管理のしごとをしました。剪定やら溝掃除やら,リュウノヒゲの植栽やらです。リュウノヒゲは,一昨日の日記で触れたものの残りを持ち込んで,遊び広場の土止めとして植えたのです。

こういう作業をしていると,ふしぎにいつもご褒美のような感じでハッピーな体験ができます。今日は,冬眠中のキタキチョウに出合ったのです。溝に溜まった土や枯葉を集めていて,ふと足元を見ると,キタキチョウがいました。もう,びっくり! これだけの厳冬期に,キタキチョウを見かけたのは初めてです。

チョウは冬眠中でからだがほとんど動きません。申し訳ないことをしました。ただ知らないでこうなったわけで,クローズアップ写真を撮ってからどこかにそっと置いてやろうと思っています。

どこにいたか,それは断定できませんが,予想では溝脇にあるツゲの茂みではないかと思われます(下写真の左側)。溝に枝が伸びていたので,剪定した際に,たまたまその枝を切ってしまったのでしょう。

振り返ってみれば,昨秋,すぐ脇の畑でキタキチョウが数体かたまって吸水行動をしていました。こんなことともつながりがあって,今,ここで越冬していたのかもしれません。

予期せぬよき出合いとなりました。

 


葉を広げるヒガンバナ

2013-01-10 | 生物

野の草はほとんどが枯れて,褐色の景色が広がっています。

そんな中を歩いていると,たいへん特徴をもって目に飛び込んでくるのが青々を葉を広げたヒガンバナの群落です。といっても,もちろん葉だけ。秋にあれだけ見事な光景を見せていた花のかたまりが,今は緑に変わって畦や土手を埋め尽くしているのです。

ヒガンバナは,一年のサイクルを考えると,花が咲いてから葉が出てくるのか,それとも葉が出てから花が咲くのか,そんなふしぎを感じさせてくれる植物です。夏は完全に葉が枯れてしまい,それのあったところは他の草によって覆い尽くされ,秋に突如として花茎が伸びてくるので「変わった植物だなあ」という印象をつい持ってしまいます。このヒガンバナは夏,休眠に入っているのです。

順序からいえば,他の植物が枯れている間にせっせと葉を広げて地中に養分を貯え,植物たちがわんさかと現れて生存競争を繰り広げている期間は夏眠,そうして植物の勢いが失せ始める彼岸の頃に,ちゃっかりと花を咲かせるという道筋が見えます。これはこの植物固有の戦略です。

とはいえ,日本のヒガンバナは種を結びません。染色体の数が基本数の三倍なので,種無しズイカと同じように不捻性なのです。これを三倍体と呼んでいます。それで栄養生殖により球根が分球して繁殖するのですが,種子をつくっていた先祖のありし日の姿を脈々と受け継ぎ,今も大道を見失っていないというわけです。したがって,秋を彩るヒガンバナの真っ赤な花は今や無駄花になってしまったといえるでしょう。

なのに,この花にもときどきちゃんと昆虫が訪れるからふしぎです。有名なところではアゲハ類がいます。ミツバチには赤色が見えませんが,アゲハには見えるといわれています。アゲハが蜜を吸っている様子を何度か撮影しましたが,赤色と黒色のコントラストはなかなか印象深いものです。まだ蜜があって,赤い色で昆虫を招き続けている背景を思うと,生命史のふしぎをついつい感じます。                     

                                                                          (つづく)

 


冬眠中の生き物たち

2013-01-09 | 日記

1月9日(水)。晴れ。

近頃,家でときどき庭の手入れをしています。今日は切石を移動させて,リュウノヒゲを移植して,花壇の模様替えをしました。模様替えといっても何度も何度もするわけではないので,完成時の風景を思い描いて,きちんと作業を進めなくてはなりません。

土を掘り起こしていると,冬眠中の生き物が出てきました。出てきたという表現はふさわしくないかもしれません。わたしのせいで,無理やり地上に引っ張り出されたようなものですから。申し訳ないことをしました。

せっかくの出合いなので,この生き物を写真に収めました。

一つはカエルです。アマガエル(下写真)とツチガエルが一匹ずつ。突然のことだったので,動きの鈍いこと!

 

もう一つはクロコガネです。成虫が二匹。それとクロコガネの幼虫と思われる個体が四匹。リュウノヒゲの根のところにいました。越冬態は幼虫だと思っていたので,ほんとうにびっくり! 早まって羽化したとも思えません。

土を触るときにこんな出合いがあるかもしれないと思うと,寒くても作業は結構たのしいものです。

 


ハリガネムシが路上に

2013-01-08 | 生物

12月末,雨の降り続く寒々とした日のこと。近くの路上を歩いていると,前方に針金のようなものが横たわっていました。色は濃い褐色で,長さが50cmほどだったでしょう。

近づくと,ゆっくりながら動いていました。「なんじゃ,これは!」と思ったほどの風景でした。正体はハリガネムシです。

ハリガネムシはカマキリのお腹に寄生しているので,よく知られています。見ようによっては気持ち悪いかもしれません。辺りにカマキリの姿はありませんでした。

ハリガネムシの生態はよくわかっています。水中で交尾・産卵をして孵化。幼虫のときに水と共に水生昆虫に飲み込まれ,たまたま昆虫がカマキリに食べられた際にカマキリの体内に取り込まれ,そこで寄生して成虫になるのだそうです。

水生昆虫がカマキリに食べられるとは,考えてみればふしぎで,どんなときなのかなあと思ったりします。水が乾いて,昆虫が取り残されるような場面がありうるのでしょう。

さらにふしぎなのは,この日に見たハリガネムシは小さな水溜りにいて動いていましたが,そのまま乾し上がるとハリガネムシは鉄の針金のように硬くなってしまい,また水を浴びると元に戻るとか。

考えれば,カマキリの体内から出ても水が近くにあるとは限りません。水がないと死が訪れます。そう簡単には死なないように,進化してきているわけです。すごい生態です。

 


とんどの準備

2013-01-07 | 日記

昨日はほんとうに寒い一日でした。「手や足の先が冷たくって,冷たくって」といいたくなる程の感じでした。最低気温は-5.0℃(午前5時17分)です。

集落の役員は午前8時に集合しました。この時点で,気温は-3.3℃。何をするかといえば,1月13日(日)に予定している“とんど”の準備をするのです。

正月行事を締めくくる伝統行事がとんど。今日は左義長を組んで,その周りに束にした笹を置いて包み込みました。13日にはなると,その中に各家庭から正月の飾りが収められます。一年の無病息災を祈って,それらを燃やすのです。

まず近くの山に行って,笹を刈り取り,軽トラックに載せて持ち帰りました。準備していた竹で左義長を組み立てます。そのために杭を打ち込んで……。

 

三本の支柱を心柱にくくりつけて,骨組みにします。 

これができあがると,次は周りに笹を置きます。下写真はほぼ完成した様子を写したものです。

かたちを整えて,無事作業を終えました。ここまで1時間30分の作業でした。

次の日曜が本番です。 

 


キクバヤマボクチとの出合い

2013-01-06 | 花と実

山道の斜面で,アザミの枯れた頭花を見かけました。

一本の細い茎の先に数個の花の名残りがありました。とても弱々しい茎で,ノアザミのそれとはずいぶん違っています。葉も,枯れたままではありますがちゃんと付いています。棘はありません。

冠毛は見た目,とても頑丈で硬そうです。実際,大した硬さです。外敵から身を守るのにかなりの威力を発揮していると思われます。

調べると,どうやらキクバヤマボクチのようです。漢字で書くと“菊葉山火口”。『山に咲く花』(山渓ハンディ図鑑)の解説に「山地の草原や林縁に生え,高さ0.7から1㍍になる多年草」とあります。 

和名にボクチ(火口)ということばが使われているので,気になりました。発火法で使うホクチを指すことばだからです。他のことばと合成で使われているため,たまたま濁音になったのでしょう。

では,このことばが使われた事情があるのでしょうか。

もちろん当たってみました。結果,すぐにわかりました。その昔,この植物の葉を乾燥させて叩いた後,あの裏にある毛を集めて火口にしたのだそうです。これはヨモギからモグサを作って利用するのとそっくりではありませんか。

わたしは,元気な葉の裏をそう思って見たことがありません。今度元気な姿を見たら,それを確認して,できれば実際に毛をたくさん集めたいと思います。そんな気持ちで参考までに一株だけ家に持ち帰って植木鉢に植えました。たくさんの葉が手に入らなくても,まずはちょっと確認できればしめたものです。 

もう一つおもしろいことがあります。この植物は愛知県以西にしか分布していないのだそうです。岐阜県から北海道にかけてはオヤマボクチ(雄山火口)が生えていて,四国には両方があるといいます。

さらに,ハバヤマボクチ(葉場山火口)という種もあるようです。やはり名に“火口”が付いているのは,発火時に利用されたことを表しているのでしょう。

こんなわけで,キクバヤマボクチとの出合いは印象記憶として脳裏に刻まれることになりました。

 


ホテイアオイのその後

2013-01-05 | 生物

11月5日に取り上げたホテイアオイのその後について書きます。

水田で見かけたホテイアオイはすでに完全に枯れています。氷点下の気温が続いて毎日のように氷が張り,ときには雪が積もる気候のもとでは,止むを得ません。 

その株を少し持ち帰り,植木鉢に植えたのですが,この方は何とか元気に越冬中です。台所の窓辺に置いているので,午前中は日が当たっています。 

管理は,土が乾いたときに灌水する程度です。

葉をよく見ると,古い葉の先は多くが枯れかかっています。やはり寒さの影響が出ているようです。その分,葉の中心の茎からは新しい葉が出てきています。それらはごく小さく,触ると硬く感じます。それだけ丈夫なのでしょう。

わたしから見た感じに過ぎないのですが,直接霜が降りかかったり,凍ったりしない限り枯れないのじゃないでしょうか。室内は5℃ぐらいにはなります。それでも枯れていません。

あと二カ月持ちこたえれば,このまま越冬できるはずです。

それから,11月5日の記事で書き忘れていたことが一つあります。それは,わたしが昨年3月に兵庫県明石市街で見かけた風景のことです。駅から程近い街路を歩いていて,ある店先に石臼が置かれ,その中にホテイアオイがたくさんあったのです。明らかにこれはこの植物が,この姿で冬を越したことを物語っているように思えました。市では気温が氷点下になることもあったはずです。石臼の水が凍ったかどうかはわかりませんが,ホテイアオイは無事に冬を乗り越えたにちがいありません。

このことからも,ホテイアオイはふつうは屋外では越冬しないでしょうが,生育条件さえよければなんとか冬を越すことができると思われます。 

 


店頭のフキノトウ,野のフキノトウ

2013-01-04 | 生物

先日のこと。店頭に並んだ野菜の中に,パック詰めのフキノトウがありました。「ああ,春なんだ」と思わずうれしくなりました。

表示された産地名からすると,どうやら何らかの促成栽培がなされているように思われました。そこは日本海側で雪の積もる地方ですから。

それはともかくとして,鮮やかな黄緑色が春を告げています。初々しい黄緑色が採れたてであることを教えてくれています。匂いこそしませんでしたが,わたしにはちゃんと匂ってくるように思われました。

ただわたしの印象からいえば,こういう山菜は買うのでなく,自分で採集して料理してこそ味わいがあると感じます。パック入りの山菜を手っ取り早く買っても,自然のほんものの匂いは薄れるでしょう。自然からの贈り物に感謝して採集するところに,ほんものの自然と人間との関係が成り立つように思うのです。

家の,例年フキが生える一角でもフキノトウが顔を覗かせています。フキノトウでなくても,こうした春を告げる草は道端で見つかります。例年わんさと姿を見せるツクシのある場所を探せば,地面からほんの少しだけ頭をもたげた赤ちゃんツクシがあります。フキノトウにしてもツクシにしても,冬の寒さは夏眠から目覚める心地よい刺激なのです。

多くの生物には寒さが堪えるのですが,出現季節のズレを棲み分けと心得て戦略を巡らす生物の中には,こうしたたくましい種が存在しているのです。つまり,これらの生物のいのちにとって今は新春の寝覚め時期だということです。

今日は,朝から雪がぱらついて,辺りは薄っすらと雪化粧をしていました。仕事始めで出勤した勤務先近くの野で見つけたのが,写真のフキノトウ。フキの枯れ葉に雪が積もっていました。それを取り除いて,フキノトウがないか探したら,うれしいことに見つかったというわけです。

もう少しすれば,我が家のフキノトウを春の味覚としていただくことにします。 

 


コウヤボウキの綿毛

2013-01-03 | 生物

山道を歩いていると,あちこちの斜面にコウヤボウキの綿毛がたくさん目に付きました。ところによっては,まるでぼたん雪が降る様子と重なって見えました。

コウヤボウキはキク科の落葉小低木です。極細の枝がわんさか根元から出て,枝先に綿毛が付いているのです。漢字で書くと“高野箒”。ウィキペディアフリー百科事典で調べてみると,「高野山で茎を束ねて箒の材料にしたのでこの名がある」とあります。お正月の飾りなどにも利用されたそうです。

さらに調べてわかったのは,高野山では弘法大師の教えで竹を植えることは禁じられていたために,この木が箒の材料になったという話です。

“あちこち”と書きましたが,無数の種子が綿毛をパラシュートにして散らばっていった結果が今の繁茂ぶりです。通りかかった道の斜面は赤土がむき出しになっていて,常に崩れていく状態にあります。高木がないので,雨が降りかかったり雪が積もったりします。大きな木が生え育つ環境ではありません。そうした場所でなら,このコウヤボウキはたくましく育っていけます。

一般的な記憶は繰り返し暗唱することで脳に刻み付ける苦労が伴ないますが,この日のように印象にもとづく記憶だとたった1回見ただけでこの名を忘れることはありません。印象に残る出合いとはそういうものでしょう。

 

 


冬のユスリカ

2013-01-02 | 生物

厳寒期の室内のこと。窓ガラスにユスリカが付いていました。日本にはユスリカが1000種棲んでいるといいますから,めずらしくないとは言え,「ほ,ほうっ! 今,家の中にいるか 」とビックリ。体長は7,8mm程度。たぶん,フユユスリカでしょう。触覚がふつうで,羽毛状ではないことからメスと判別できます。

前脚のなんと長いこと!

トリミングすると。 

フユユスリカは冬に羽化する種です。寒い日でも,陽が当たるところでかなり目に付きます。蚊柱をつくって群れているので,いやがうえにも,目に入るのです。 

血を吸うことはありませんが,こういうのが口に入ったり洗濯物に付いたりするのはけっして印象のよいものではありません。もちろん当のユスリカは迷惑行為と思っているわけではなく,ユスリカ自身のいのちを生きているに過ぎないのですが。