ヒカラビ一家の花日記

山の上に住む花農家から 魚沼発のあれこれを

立ち位置について

2018年07月08日 | 発信

山喜農園の展示ハウスも終盤を迎えている。

もちろん興味深い品種や目新しい品種はたくさんある。

終盤、つまり晩成品種にこそ夏向きの品種は多い。

これなんかそうとう楽しみな品種だ。

夏のユリでとても大切なのは先っちょから開かない開花特性。

咲いてますとクレームの来る品種の大半は口割れ。咲いてるのではなくて割れてるだけなのだが、、、、

その点、胴から割れる品種はクレームが来にくい。これはとても重要です。

今回の展示シーズン中、いつも以上に山喜社長が声を荒げるほどに力説していたのがユリの立ち位置についてだ。

ユリは主役にしかなれない花。

主役を務める品質のものにしかお客さんは金を払わないはず。

品質確保に無理の有る作型や消費動向を考えない物量本位の生産は控えなければならない時代なのだ。

球根が売れなくなることを前提にした球根屋の説明には説得力がある。

 

我々と前後十歳くらいの範囲の経営者はバブル時代の恩恵に浸って経営をしてきた。

平成の初め、世の中はバブル景気に踊っていた。

同時期に広まったオリエンタルユリブーム。ユリバブルは平成11年くらいまで続いた。

さらにヒートポンプの普及が作期を長くさせた。

大きくなった経営の後やってきた花産業全体の縮小。まだ対応しきれていないのだ。

昨今は花農家の複合化が全国的に進んでいる。

魚沼では山菜等の導入で通年農業が可能になった。無理な作型をしなくても良くなってきている。

主役を張れる品質のユリだけで全国の産地リレーが出来ればユリの価格維持は可能なはずではないのか。

ユリ展示の主役は露地作のセレクションリリーの方に移ります。

雨風にあたった状態での丈の伸び、蕾の角度、枝のボリュームなどが視点になります。

もちろん興味深い品種も多数。

この日は房州4人組が来訪。3月からの価格低迷をぼやきながらも積極的な品種ミーティングをしていった。

明日オランダに帰ると言うエバートと久しぶりに飲んだ。

立ち位置的には光頭三人衆みたいになっちまった。

 

 

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