WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

IgA腎症と私⑯

2022年08月16日 | IgA腎症と私
「寛解」した!
 開放腎生検のための最初の入院から約1年、昨日の通院で担当医師から「これ以上悪化することはない。寛解です。」といわれた。
 うれしい。というのは、はっきり言ってちょっとビビっていからだ。6月の通院ではeGFR 37.89(CRE 1.52)、同じく6月の職員検診ではeGFR 36.1(CRE 1.59)と数値の悪化が続いており、また血圧も最近高いことが多かったのだ。
 昨日の通院では、eGFRが42.12(CRE 1.38)だった。尿蛋白はなし、これまで+1が続きなかなか無くならなかった尿潜血もやっと消えた。一方、長期間ステロイド剤を服用したことによる血糖値の上昇も、6月からステロイド服用を止めたことでかなり落ち着いてきているとのことだった。もちろん冷静に考えれば、腎機能は100点満点中42点であり、いわば赤点すれすれである。しかし、何とかこの数値を維持し、透析をまぬがれたい。
 医師からは、今回の通院で終わりにしてかかりつけ医に戻るか、もう一回だけ通院して終わりにするか問われたが、念のため10月にもう一度だけ通院することにした。

 なお、バリウムを飲む職員胃検診で開放腎生検を行ったことを告げると、一年以内に開腹手術をしたものはできないといわれ、担当医に確認してくるよう指示されたが、これについても問題ないとのことだった。

IgA腎症と私⑮

2022年04月12日 | IgA腎症と私
扁桃摘出7か月目の私
 昨日は通院日だった。およそ扁桃摘出7か月目になる。
 eGFRは41.66、クレアチニン1.40、タンパクは-、尿潜血は1+、赤血球1/スウだった。担当医の話では、検査結果は前回とほとんど変わらないが赤血球がほとんどでていないので、腎炎はほとんど治っていると考えられるということで、何もなければ、腎機能が下がることはないだろうとのことだった。腎機能が今後向上するかどうかはわからないが、現在の腎臓の力はこの程度なのかもしれず、このまま横ばいかもしれないといわれた。ここ数か月eGFRの値は横ばいなので、このあたりで現状維持をめざすということになるのかもしれない。
 服薬するステロイド(ブレトニン錠5mg)は、隔日1錠となった。また、最近血圧が高いことを伝えると、イルベサルタン錠(100mg)が朝夕2回の服用となった。他に、フェブリック錠(10mg)、オメプラゾール(10mg)は、これまで通り一日1回、ボナロン経口ゼリー(35mg)もこれまで通り毎週火曜日服用である。
 次回の通院は6月中旬、それ以降はステロイドの服用はなくなるとのことだった。

IgA腎症と私⑭

2022年02月01日 | IgA腎症と私
IgA腎症とワクチン接種
 昨日は、月一回の通院だった。
 eGFRは42.3、尿潜血+1、赤血球も安定しているということで、腎炎が治ってきているとのことだった。ステロイド(ブレトニン)の服用もこれまでの5mg×3錠から5mg×2錠となり、次の通院は2か月後でいいとのことだった。もちろん、治ってきているといっても、腎機能が下がっていないという意味であり、私の場合eGFR 40前後で安定させるのがテーマとなるのだろう。
 ところで、職場では3度目のワクチン接種が斡旋されており、すでに終えた同僚も少なからずいる。ほとんどの人が高熱で不調を訴え、仕事を休んでいるようだ。
 この3度目のワクチン接種について医師に相談すると、私の場合、できればやめておいた方がいいとのことだった。医学的には未だ解明されていないが、ワクチン接種によってIgA腎症が発病したり、悪化したりする報告がたくさんあるのだという。webを検索してみると、確かにワクチン接種によって肉眼的血尿が生じたとする記事が散見される。もっとも、これらは一過性だとする記事も見られるが、私の場合、腎臓の状態から考えて避けた方がいいということなのであろう。

IgA腎症と私⑬

2022年01月08日 | IgA腎症と私
eGFRの推移を遡る

 書類を整理していたら、過去の検診等の結果を発見した。残念ながら2015年以前のものはなかったが、何かの参考になればと思い、eGFRの推移を入院後の数値も含めて記しておく。
 eGFRは年齢・性別やクレアチニンの値をもとに計算される数値で、便宜上腎臓の何%が機能しているかを表すものとされている。私の主治医は、腎臓が100点満点中何点かという言い方をしている。

(  )内はクレアチニンの値

2015.9.2
eGFR 56.49 (1.09)

2017.7.26
eGFR 57.63 (1.06)

2018.12.25
eGFR 49.3 (1.2)

2019.6.24
eGFR 49.3 (1.2)

2019.8.16
eGFR 39.89 (1.47)

2019.11.29
eGFR 41.7 (1.4)

2020.3.23 
eGFR 45.2 (1.3)

2021.7.6(人間ドック)
eGFR 32.8 (1.74)

2021.7.30(腎生検入院)
eGFR 32.2 (1.77)

2021.8.10(腎生検退院)
eGFR 29.5 (1.92)

2021.9.13(扁桃摘出28日後)
eGFR 37.5 (1.54)

2021.9.21(パルス①クール後)
eGFR 36.2 (1.59)

2021.9.27(バルス②クール後)
eGFR 34.3 (1.63)

2021.10.1(パルス③3日目)
eGFR 40.1 (1.45)

2021.10.18(退院後①)
eGFR 39.79(1.46)

2021.11.22(退院後②)
eGFR 42.66(1.37)

2021.12.27(退院後③)
eGFR 38.91(1.49)

2021.1.31 (退院後④)
eGFR 42.32

 退院後はeGFR 40前後を推移している。一定数の糸球体は壊れてしまっているだろうから大きな改善は望めないだろうが、何とか40以上をキープしたいと思っている。12月の通院ではクレアチニン値に改善が見られなかったものの、尿潜血が3+から2+になったとのことで、主治医の話では腎臓の穴がふさがってきていると考えられ、良い傾向であるとのことだった。
 ステロイド剤(ブレトニン)の服用は、退院後、隔日6錠(30mg)服用から始まったが、退院後の通院ごとに1錠ずつ減らされ、現在は隔日3錠(15mg)の服用である。また、11月の通院からカルシュウムの補給のため、週一回カルシュウム剤を服用することになった。
[追記]
 2022.1.31の通院では、eGFR 42.3、尿潜血+1となった。




IgA腎症と私⑫

2021年10月05日 | IgA腎症と私
クレアチニンとeGFRの推移

 扁桃摘出+ステロイドパルス療法を1クール7日間✖️3クール終了しました。
 参考までに、私の、クレアチニンとeGFRの数値の推移を記しておきます。
 今後は、自宅で生活しながら、経口ステロイド剤を服用し、その量を徐々に減らして、ステロイドからの離脱を図ることになります。
  ※(    )内はクレアチニン値

◎人間ドックのとき
 eGFR 32.8(1.74)
◎腎生検前入院時
 eGFR 32.2(1.77)
◎腎生検後退院時 
 eGFR 29.5(1.92)
◎扁桃摘出28日後
 eGFR 37.5(1.54)
◎パルス1クール後
 eGFR 36.2(1.59)
◎パルス2クール後
 eGFR 34.3(1.63) 
◎パルス3クー ル3日目
 eGFR 40.1(1.45)

 数値のみを見れば、29.5まで下がったeGFRが40.1まで戻っているといえます。やって良かったと考えています。ただ、慢性腎臓病のステージG3bは変わらずです。今後どのような推移を辿るかはわかりません。一定数の糸球体はすでに壊れてしまっているはずなので、大きな改善は見込めないと考えるべきかも知れません。当初の目標通り、人工透析にならないように、いかにこの状態を保存するかが大切だと思っています。
 なお、今回のIgA腎症による入院は、開放腎生検のために13日間、扁桃摘出のために10日間、ステロイドパルス療法のために23日間、合計46日間でした。こんなに長期間の入院は、もちろん初めてでした。

 また、費用等については、精算が済み次第、高額医療費の払い戻しや、民間保険の払い戻しも含めて、後日紹介したいと考えています。
 ステロイドパルス療法のための入院前に、指定難病に申請しました。守備よく申請が通れば、入院費や今後の薬代が大きく軽減されるはずです。

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IgA腎症と私⑪

2021年10月05日 | IgA腎症と私
ステロイドパルス療法
(第3クール)

ステロイドパルス療法第3クールの状況を報告します。

[3]-1日目
・6:00の血糖値 106
・コンディションは最悪である。顔がヒリヒリ焼けるようで全然眠れなかった。顔がただれてきている。何とかならないものか。
・眠剤(ベルソムラ15mg)が薬疹に関係があるかもしれないということで、今日からはやめることにした。
・ステロイド500mgの点滴(2時間程度)。
・14:00の血糖値 228。インスリン注射。
・夕食後、抗アレルギー剤を服用(クロルフェニラミン徐放錠6mg)。
・顔はヒリヒリ痛く気持ち悪いが、抗アレルギー剤を服用してから、しばらくぶりに体調はいい。
・20:00の血糖値 357。インスリン注射。
・眠剤は服用せず。ほとんど眠れなかった。

[3]-2日目
・ほとんど眠れなかったが、眠剤を服用しなかったためか、ここのところの顔がヒリヒリ痛いなどの症状はなく、調子はいい。これまでの薬疹で顔の口周りがゴアゴアしているので何とかならないかと思う。
・6:00の血糖値 181。
・朝食後、胃薬を服用(オメプラゾール錠10mg)。
・ステロイド剤点滴(500mg)。
・点滴中、眠れた。
・夕食後、抗アレルギー剤を服用(クロルフェニラミン徐放錠6mg)。
・20:00の血糖値 379。インスリン注射。
・夜中少しと、朝方眠れた。

[3]-3日目
・昨夜も、眠剤を使用せず。体調はいい。薬疹の顔のゴアゴアが痛い。
・6:00の血糖値 180。
・朝食後、胃薬を服用(オメプラゾール錠10mg)。
・ステロイド剤点滴(500mg)。
・血糖値がやや高い。明日から経口ステロイドだが、担当医師から、退院後のことも考えて血糖値を下げる薬をもう一度試してみるとのことだった。効果が低ければ、インスリンとなるとのことだった。
・皮膚科の医師が診断してくれた。経過観察とのこと。顔のカサカサには、ワセリンなど刺激の弱いクリームを塗ってもいいとのことだった。
・薬剤師が来てくれた。明日からの血糖値を下げる薬(ジャディアンス錠10mg)について、説明を受けた。指定難病に申請中なので、退院後の薬の入手等について相談した。
・14:00の血糖値 289。インスリン注射。
・夕食後、抗アレルギー剤を服用(クロルフェニラミン徐放錠6mg)。
・20:00の血糖値 349。インスリン注射。
・寝始め、2時間程度眠れた。

[3]-4日目
・採尿・採血
・6:00の血糖値 201。インスリン注射。
・食後、経口スロイド剤を服用(プレドニン錠500mg×6)。
・経口ステロイド剤は、今後隔日の服用となった。
・食後、胃薬を服用(オメプラゾール10mg)。
・食後、血糖値を下げる薬を服用(ジャディアンス錠10mg)。
・睡眠不足で朝方少し眠ったが、体調はいい。担当医師からは、大きな問題が発生しなければ、予定通り第3クールで退院できるとのことであった。
・14:00の血糖値 230。インスリン注射。
・夕食後、抗アレルギー剤を服用(クロルフェニラミン徐放錠6mg)。
・20:00の血糖値 2972。インスリン注射。
・夜中少し起きたが、非常によく眠れた。

[3]-5日目
・今頃になって、胸、背中、腕がかゆくなってきた。
・6:00の血糖値 121。インスリン注射なし。
・今日は、経口ステロイドなしの日。
・食後、血糖値を下げる薬を服用(ジャディアンス錠10mg)。
・食後、胃薬を服用(オメプラゾール10mg)。
・14:00の血糖値 198。
・朝までは調子よかったが、体調が少し変だ。ふらふらする感じがするし、上半身がかゆく、皮膚が過敏で傷つきやすくなっている気がする。パンツのゴムのところや、股のところがすれて少し痛い。担当医に相談すると、ステロイドの影響かも知れないし、昨日から飲んでいる血糖値を下げる薬(ジャディアンス錠10mg)の可能性もあるとのことだった。明日退院だが、症状が酷いようならジャディアンス錠10mgの服用を止めてもいいとのことだった。
・20:00の血糖値165
・発熱38.6度。身体が熱く、足が冷たい。ぼーっとした感じがする。皮膚感覚が過敏で、肛門、股間、頭皮、腋の下などが擦れて痛い。昨日から服用しているジャディアンスの薬疹ではないかと考えている。
・明日予定されていた退院は、延期になった。

[3]-6日目
・よく寝た。何度も起きたが、そのたびに深く眠った気がする。熱も下がり、調子はいい。
・6:00の血糖値 118。
・朝食後、経口スロイド剤を服用(プレドニン錠500mg×6)。
・朝食後、胃薬を服用(オメプラゾール10mg)。
血糖値を下げる薬(ジャディアンス錠10mg)は服用しなかった。
・午前中は断続的に眠った。
・14:00の血糖値 237。インスリン注射。
・比較的よく眠れたが、2:00以降は起きていた。

[3]-7日目
・体調はいい。退院延期のおかげで、かなりゆっくり休めた。薬の副作用に見通しがつけば、できるだけはやく退院したい。
・今日で正式に3クール終了である。
・6:00の血糖値 149。
・今日は、経口ステロイドなしの日。
朝食後、胃薬を服用(オメプラゾール10mg)。
・14:00の血糖値 206。インスリン注射。
・担当医師によれば、昨日の採血の結果、血小板が減少しているとのことだった。薬の副作用によるものと考えられ、明日の採血で問題なければ、退院していいとのことだった。また、血糖値を下げる薬(ジャディアンス錠10mg)については、中止することになった。
・20:00の血糖値 163
・アイマスクを付けたせいか、寝付きはよかった。深夜起きてkindleを読んだが、朝方また眠った。
・翌朝8:00の血糖値103。

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IgA腎症と私⑩

2021年09月26日 | IgA腎症と私
(10)ステロイドパルス療法(第2クール)
中間結果(1クール後)とeGFRの推移
人間ドックのとき eGFR 32.84
腎生検前入院時 eGFR 32.23
腎生検後退院時 eGFR 29.40
扁桃摘出28日後 eGFR 37.53
パルス1クール後 eGFR 36.24
 担当医によれば、よくなってきているとのことだった。ただ、パルス1クールで若干数値が下がっているのが気になる。誤差あるいは通常の変動の範囲なのだろうか。いずれにせよ、パルス1クールのみでは大きな改善はなかったということなのだろう。尿潜血と蛋白尿がどうなっているのか知りたいところだ。

ステロイドパルス療法(第2クール)の状況です。
追記していきます。

[2]-1日目
・採尿・採決
・昨夜は、とてもよく眠れた。朝の体重が減った。しばらくぶりに、お腹が減った。早く、朝食が食べたい。
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(カナグル錠100mg)
・ステロイド剤500mgの点滴(2時間程度) 
・20:00の血糖値390
・眠剤(ベルソムラ15mg )を飲んだがあまり眠れなかった。1時間程度眠った気もするが、眠りが浅くて眠ったかどうかわからない。

[2]-2日目
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(カナグル錠100mg)
・ステロイド剤500mgの点滴(2時間程度) 
・夕食後、血糖値を下げる薬を服用(オングリザ錠2.5mg)
20:00の血糖値 309
眠剤(ベルソムラ15mg )を飲んだがほとんど眠れなかった。

[2]-3日目
・眠いが眠れない感じ。身体がぐったり疲れている感じ。
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(カナグル錠100mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(オングリザ錠2.5mg)
・ステロイド剤500mgの点滴(2時間程度) 
・点滴中は、よく眠れた。スッキリした。
・20:00の血糖値 299
・夜、眠剤(ベルソムラ15mg )を飲んだ。寝つきがよく2時間ほどよく眠れた。深夜は眠れなかったが、朝方、1時間半程度眠れた。

[2]-4日目
・握力が低下しているが、気力は充実している。
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(カナグル錠100mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(オングリザ錠2.5mg)
・朝食後、ステロイド剤を服用(プレドニン5mg×6錠)
・数日前から、足裏に夥しい水虫ができている。免疫がなくなってきたことが原因か。皮膚科の医師が来てくれ、薬を処方してくれた(テルビナフィン塩酸塩クリーム1%)。
・20:00の血糖値 259
・夜、眠剤(ベルソムラ15mg )を飲んだ。比較的眠れた。途中起きたが、4時間以上は眠れた。

[2]-5日目
・顔中にぶつぶつが出てきた。副作用であろう。また、肌がカサカサして上半身がかゆい。
・朝食後、ステロイド剤を服用(プレドニン5mg×6錠)
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(カナグル錠100mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(オングリザ錠2.5mg)
・顔・首・胸・背中などの発疹が、だんだん酷くなった。休日ということで当直の医師が対応してくれた。薬疹が疑われるので、一旦、オメプラゾール錠10mg、カナグル錠100mg、オングリザ錠2.5mgを止め、点滴を打つことになった。血糖値については、この週末はインスリンで対応し、一日3回測定することになった。点滴は、薬疹を抑える薬、胃薬、ステロイドの3種類ということだ。まさか、今日もステロイド点滴になるとは。
・16:30の血糖値210
・20:00の血糖値308 
・21:00にインスリン注射をした。
・眠剤ベルソムラ15mg服用。寝つきは良かったが、深夜は眠れなかった。しばらくぶりに、足首の痺れが気になった。

[2]-6日目
・6:00の血糖値 145
顔・首・胸・背中などに発疹は変わらず、若干顔がかゆい気もする。少しのどが乾燥して痛い。
・体重が減少してきている。
・朝食後、ステロイド剤を服用(プレドニン5mg×6錠)
・担当医が来て、水虫の薬(テルビナフィン塩酸塩クリーム1%)が悪いかも入れないので、一旦使用をやめるように指示された。確かに、発心と水虫の薬は、時期的には一致する。
・14:00の血糖値 228。インスリン注射を打った。
・20:00の血糖値324、インスリン注射を打った。
・眠剤ベルソムラ15mgを飲んだ。足首の痺れはなかったが、顔の発疹のかゆさが気になって、全く眠れなかった。

[2]-7日目
・顔の発疹のかゆさが気になって、全く眠れなかった。顔はかゆいのを通り越してヒリヒリして熱い感じである。頭皮の感覚もおかしい。コンディションはかなり悪い。
・5:00に採血・採尿した。
・7:00の血糖値 100
・朝食後、ステロイド剤を服用(プレドニン5mg×6錠)
・午前中、1時間半ほど眠れた。顔がヒリヒリ燃えるような感じは治らないが、それでもだいぶ楽になった。
・皮膚科の医師が診察に来てくれたが、薬疹の可能性があるので、薬を止めて経過観察とのことだった。この酷い状況は改善されないのだろうか。
・アイスノンをもらって顔を冷やした。ヒリヒリする感じは変わらないが、少しだけ楽になった。
・14:00血糖値270、インスリン注射をした。
・また採血した。
・夕食後、抗アレルギー剤を服用。(クロルフェニラミン徐放錠6mg)
・20:00血糖値286
・インスリン注射

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IgA腎症と私⑨

2021年09月21日 | IgA腎症と私
(9)ステロイドパルス療法
(第1クール)

ステロイドパルス療法(1クール)の状況です。

[1]-1日目
・ステロイド剤500mgの点滴(2時間半程度)
・昼食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・身体が何となく汗ばみ、ぽかぽかした感じがした。
・夕食後、チョコレートを食べてしまったこともあり、20:00の血糖値が320を超えた。1時間後の測定でも280台だった。(後日、主治医はステロイド点滴日に300を超えるのは想定内だと言っていた。)
・夜は眠れなかった。全く眠気がこず、2:00頃に寝たようだが4:00前に起きてしまい、その後は全然眠れなかった。意識も目もはっきりという感じだった。

[1]-2日目
・不眠のせいか、やや頭痛がする。
・朝、血糖値は190台まで下がっていた。
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・ステロイド剤500mgの点滴(2時間半程度)
・昨夜の不眠のせいか、点滴中に快眠、あっという間に終了。
・身体が熱っぽいことなどなく、調子よかった。
・夜、眠剤(ベルソムラ15mg)をもらう。初体験。トイレに起きたが、比較的眠れた。
・20:00の血糖値は248

[1]-3日目
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・ステロイド剤500mgの点滴(2時間半程度)
・点滴中も比較的眠れた。
・終了後、点滴針を抜いてもらった。点滴した場所が痛み、やや腫れていた。夜、アイスノンをもらって冷やした。
・点滴後も、比較的身体の調子は良かった。
・20:00の血糖値346(カルシウム補給のため、午後にかっぱえびせんを食べたのが災いしたか?)
・寝つきは良かったが、0:00頃トイレに起きてからは眠れず、Kindleで読書し、3:00頃から眠れた(6:00起床)。
・血栓症予防のため、水を多く飲んでいるので、どうしてもトイレの回数は増えるようだ。

[1]-4日目
・体重が増えてきている。
・点滴した場所の腫れは引いたが、押せば痛い。
・朝食後、経口ステロイド剤を服用(プレドニン錠500mg×6錠)
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・20:00の血糖値236
・不眠、多尿傾向、足首の痺れ。

[1]-5日目
・体重増加傾向
・朝食後、経口ステロイド剤を服用(プレドニン錠500mg×6錠)
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・昼間も全然眠れず
・20:00の血糖値231
・夜、眠剤(ベルソムラ15mg)をもらって飲んだ。眠ったり起きたりという感じ。眠りは浅いが、とりあえず交感神経は休ませた感じはする。
・足首付近の痺れ。

[1]-6日目
・体重は少し減った。
・朝食後、経口ステロイド剤を服用(プレドニン錠500mg×6錠)
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・昼間は少しうとうとしたこともあったが、眠れなかった。
・血糖値がやや高いので、明日から血圧の薬を休止して、血糖値を下げる薬を服用することになった。
・20:00の血糖値255
・ほとんど眠れなかった気がする。少しは眠ったのかもしれないが、眠りが浅いようで眠ったのかどうかもわからない。
・足首付近の痺れがなくならない。足の皮膚感覚がおかしい。手の握力がなく、強く握れない。

[1]-7日目
・朝食後、経口ステロイド剤服用(プレドニン錠500mg×6錠)
・朝食後、胃薬服用(オメプラゾール錠10mg)
・朝食後、血糖値を下げる薬を服用(カナグル錠100mg)
・午前中、少しだけ眠れた。眠りは浅かったが、頭はすっきりした。
・20:00の血糖値225
・眠剤(ベルソムラ15mg)を飲んだが、しばらくぶりにとてもよく眠れた。
・寝る時間頃には、足の痺れはかなり引いた。

※ステロイドパルス療法を始めてから、足首あたりの違和感(痺れ)が続いた。webで調べてみると、糖尿病の初期症状として手足の痺れがあるようだ(糖尿病性神経障害)。ステロイド糖尿病というなのだろうか。

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2021年09月15日 | IgA腎症と私
(8)ステロイドパルス療法について
 月曜日に入院した。ステロイドパルス療法を行うための予定された入院である。前回の退院から18日間自宅で生活し、仕事にも復帰した。もう少し仕事が落ち着いてからと考えていたが、進行が速い気がするので、思い切って入院を決断した。7月末から、今回で3度目の入院である。 
 入院初日の月曜日には、胸部・腹部レントゲン、心電図、採決、採尿の検査があり、担当医師・看護師・薬剤師からそれぞれステロイドパルス療法についての方法や意義、副作用についての説明を受けた。ここではその概要を記す。

1)ステロイドパルス療法について
 ステロイドパルス療法は、《ステロイド》という薬を大量に投与する治療である。ステロイドにはおおまかにいうと、
(a)炎症反応そのものを抑える、
(b)炎症を引き起こしている免疫異常を抑える
という作用があるそうだ。特に(a)の作用には大量のステロイド投与が必要になるという。
 私の罹患しているIgA腎症は、本来自分を守るために身体の中に存在している抗体や白血球が自分の身体(腎臓)の組織を攻撃する自己免疫反応である。この異常な免疫をやっつけ、免疫反応を改善させる目的で、ステロイドパルス療法を行うという。

2)ステロイドパルス療法の実際
 ステロイド剤の点滴を3日間連続で行い、その後経口ステロイド薬を4日間服用する。これを1クールとして、通常3回繰り返す。したがって、3週間必要となる。ただし、治療の効果や個人差により、1回クールのときもあれば、5クールのときもあるという。

3)ステロイドパルス療法の副作用
 担当医師は、可能性のある大きな副作用として次のものを挙げた。
①感染症、
②胃潰瘍、
③糖尿病(高血糖)、
④血栓症、
⑤骨粗鬆症、
⑥白内障・緑内障、
⑦不眠症
 対処法として、次のような説明を受けた。
①にはマスク、手洗い、うがいの励行、
②には毎朝食後に胃薬(オメプラゾール錠)の服用、
③には毎晩20:00血糖値測定(場合によってはインスリン投与)、
④には水分を多めに補給すること、
⑤には転倒などに気を付けること、
⑥には眼科の先生の尽力を得る、
⑦には睡眠薬を使うこともできる、

 また、ステロイドパルス療法中に生じやすい症状として、次のようなものがあるとの説明を受けた。
●食欲増進、
●動悸、
●しゃっくり、
●イライラ、
●不眠、
●体重増加、
●顔が赤くなる

 さらに、ステロイドパルス療法が終了してから生じやすい症状として、以下のことについて注意すべき点の説明を受けた。
●感染しやすい(風邪などをひきやすい)、
●ニキビがてきやすい、
●顔が丸くなる(ムーンフェイス)
●消化性潰瘍
●肥満
●高血糖

 ステロイドパルス療法中の注意点ついて以下ような説明があった。
●通常2時間半~4時間程度かけて行うが、動悸の症状があるときはさらにゆっくり点滴する。
●入浴(シャワー)は、点滴開始前か点滴後2時間以上経過してからにすること。
●ほてり感があるときは、アイスノンを使用できる。
●ニキビは洗顔により清潔にすることが第一だが、ニキビの化膿を防ぐ効果のあるローションやクリームなどの塗り薬を処方も可能である。
●感染予防のためのマスク、うがい、手洗いを励行する。
●イライラや不眠があるときは、安定剤の処方を主治医が考える。
●パルス療法中は、プレドニン(ステロイド経口薬)は内服しない。

 次回からは、私自身のステロイドパルス療法体験についてレポートする。

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IgA腎症と私⑦

2021年09月15日 | IgA腎症と私
(7)一喜一憂する患者の私
 私のeGFRが改善しているらしい。らしい、というのは、担当医から正式に説明してもらった訳ではないからだ。
 今日、管理栄養士が病室を訪ねてきた。食事についてのヒアリングのためである。その話の中で、「腎機能、改善してきてますよね。」といわれた。eGFRがどれぐらいか聞いてみると、46ぐらいだという。驚きである。感動である。うれしくて、思わず笑顔になってしまった。院内のコンビニに買い物にいくとき、ルンルン気分でスキップをしたくなったほどだ。もちろん、ぐっとこらえてやらなかったが・・・(後日知らされた正確なeGFRは、37.53であった。改善したことに間違いはないが、46で喜んでいた私にとっては、ぬか喜びとなった。)。
 「IgA腎症と私⑥ 右往左往する患者の私」で記したように(→こちら)、私のeGFRは7月の人間ドックでは32、その後8月にやった腎生検の後には29まで下がっていたのだ。eGFRとは、血液中のクレアチニンという老廃物の量から性別や年齢を加味して算出した指標であり、腎臓が何%機能しているかを表すものだ。もちろん、46は人間ドックでは★マークに変わりはないが、32や29だったことを考えるとGiant Stepsだ。このデータは、昨日の採決からのものなので、まだステロイドパルス療法は行っておらず、8月に行った扁桃摘出の成果だと考えられる。今日から、ステロイドパルス療法が始まった。腎機能がどれぐらい改善するか、楽しみである。不自由で、退屈で、重い気持ちの入院生活だが、少しだけ希望が見えてきた。
 ところがである。ステロイドパルス療法初日を終え、夕食後の8時に血糖値を測ると、何と320を超えていた。ショックである。昨日は155だったのだ。1時間後に再び測ったが280台だった。血糖値の上昇=糖尿病の危険は、ステロイドの副作用の1つなのだ。ひどい場合にはインスリンを投与するという。eGFRがちょっと改善したのをいいことに、夕食後チョコレートを食べたのがいけなかった。今夜は何度か血糖値を測らねばならないようだ。明日からは、気を引き締めよう。
[追記] 
 翌朝、血糖値は190台に下がったが、満腹時と空腹時という違いもあり、何とも言えないところだ。ステロイドパルス療法の副作用と私の場合については、後日レポートしたい。

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IgA腎症と私⑥

2021年08月24日 | IgA腎症と私
(6)右往左往する患者の私

 社会福祉士と「指定難病助成制度」の話をしていた時、社会福祉士が資料を見ながら、eGFRは29だからギリギリOKかも知れないといった。29?。えっ。そうなの。私のeGFRは32じゃないの。 eGFRが29とは、腎臓が29%しか機能していないということだ。ショック。ショックである。人間ドックでは、確かにeGFRは32だったはずだ。29と32の間には、慢性腎臓病の重症度分類の《G3b》と《G4》境界があるのだ。32は《G3b》であり、29は《G4》である。《G4》とは腎不全の手前なのである。資料を見せてもらうと、確かにeGFRは29だった。腎生検後の退院する前日の尿検査のデータである。なぜ下がったのだろう。腎生検で腎臓にダメージがあったのだろうか。社会福祉士は、医師に聞いてみなければ、一過性のものかどうかわからないと付け加えたが、私の頭の中はeGFR=29でいっぱいである。
 どうも、腎機能低下のスピードが速いようだ。現在の治療は、本当に効果が期待できるのだろうか。Webによると、初期の段階のIgA腎症は扁桃摘出+ステロイドパルス療法でかなりの効果を上げているようだが、私のように腎機能が低下している場合、寛解に持ち込むことができるのだろうかなどと良からぬ考えが頭を巡り、軽いパニックである。Webを検索して、自分に都合のいい情報を探そうとする始末である。

 そんなことを知ってか知らずか、夕方、腎内科の担当医師が病室にやってきた。腎生検のとき、病棟担当だったベテラン風医師である。思い切って、eGFR=29のことについて聞いてみた。私の場合、確かにeGFR=29だが、腎生検の結果は壊れている組織は少なく、しかもタンパク尿も見られないため、扁桃摘出+ステロイドパルス療法で良くなるといわれた。ただ、腎機能悪化がやや早い気がするから、ステロイドパルス治療はできるだけ早くやった方がいいとのことだった。リップサービスかもしれないが、そう言ってもらうと、ちょっと心が穏やかになった。結局、寛解するかどうかは結果の話だ。私としては、今は信頼できる医師にゆだね、できることをやるしかないのだ。

 webをみると、治療によって、eGFRが上昇したという経験談は少なからずあるようだ。腎機能を表すeGFRは、血液中のクレアチニンの量から計算式で数値を導き出したものだ。クレアチニンの量が減れば、eGFRも上昇することになるのだろう。そういう意味では、腎組織が再生・復活することはないとしても、腎機能が数値上、上昇することはありうるのかも知れない。

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IgA腎症と私⑤

2021年08月24日 | IgA腎症と私
(5)指定難病助成制度
 
 入院8日目術後6日目、のどは痛かったが時間は十分にあったので、社会福祉士と話したいと申し出てみた。入院前に、困ったことやわからないことがあったら社会福祉士と話すことができると案内されていたのを思い出したのだ。IgA腎症が指定難病66であることをwebで知り、指定難病助成制度について具体的に説明を受けたいと思ったのである。お昼頃に看護師に申し出たが、社会福祉士はその日の午後に来てくれた。対応が早い。しっかりした病院だと思った。

 指定難病とは、「原因不明で治療方法が未確立な疾病のうち、難治性で重症度が高い疾病で、厚生労働省の定めた疾患」ということだ。指定難病助成制度は、その認定を受けることで医療費の自己負担が軽減できる制度であり、認定されれば、患者負担が2割になるほか、所得に応じて1か月の自己負担限度額が設定される。限度額認定証(あるいは高額医療費還付)の利用より、かなり負担が軽くなるはずだ。

 申請のために必要なものは、「臨床調査個人票(診断書)」「世帯全員の住民票(マイナンバー入り)」「住民税(非)課税証明書」「保険証の写し」であり、これらを住所管轄の保健所に持参し、必要書類を記入して提出すればいいという。私の場合は、気仙沼保健福祉事務所になる。

 もちろん、申請しても病気の重さによって認定されない場合もあるが、その場合でも「軽度者特例制度」が利用できるという。「軽度者特例制度」とは、月ごとの医療費総額が33330円を超える月が年間3回以上の場合、先にあげた自己負担限度額が設定されるという制度だ。認定基準ははっきりしていないようであるが、冒頭にあげた「慢性腎臓病(CKD)重症度分類」の赤の部分がとりあえずの目安となるようだ。
 認定のための申請は、年度ごとの更新となる。9月から10月までが単位年度のようだ。認定の適用は、申請日からとのことであり、私の場合、扁桃摘出のための入院は、遡って認定されることはないようだ。今後、申請して認定されれば、ステロイドパルス療法のための入院で適用されることになる。

 私は、一応申請してみようと考えている。病院側の迅速な対応に感謝である。参考までに、病院からいただいた資料を載せておく。

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IgA腎症と私④

2021年08月24日 | IgA腎症と私
(4)扁桃摘出手術

 扁桃摘出手術のため入院した。入院は10日間である。経費は139190円だったが、後日共済組合から結構な額の還付金(高額医療費)があるはずだ。また、民間の入院保険が2つ該当し、合わせて69700円の保険金が下りた。退院後の経過や、最終的な収支がどれくらいになったかについては、後日加筆して報告したい。

 開放腎生検のための入院を終えていったん帰宅し、2日後には再入院のためのPCR検査を行なった。お盆の期間を5日間だけ自宅で過ごし、再入院した。入院したのは、IgA腎症の治療法として選択した《扁桃摘出+ステロイドバルス療法》のうち、扁桃摘出手術を行うためである。病棟は同じだが、今回は耳鼻科への入院の扱いのようだ。退院した水曜日に耳鼻科の医師の診察を受けて打ち合わせをし、月曜日に入院、翌火曜日に手術をした。病室は今回も4人部屋をお願いした。

 手術は全身麻酔で行った。2度目の全身麻酔である。前回の開放腎生検の手術同様、いつ、どのように眠ったかは記憶にない。眠っていた時間は0分という感覚であり、目覚めたらすべては終わっていたという感じである。目覚めた後しばらくの記憶は断片的にしかない。今回は夜10時過ぎまで眠気が続き、ちょっと目をつぶると30分~1時間程眠ってしまうということを何度が繰り返した。そのため、真夜中にはあまり眠れなかった。
 
 前回の開放腎生検の手術でやや苦しんだ導尿は、今回はなかった。ほっとした。ただ、一回目のおしっこは看護師とトイレまで車いすで行かねばならず、2回目は看護師の付き添いで自分で歩いてトイレへ、3回目のトイレからは自分で行けるということだった。私の場合、1回目は夕方に、2回目は深夜に、翌朝からは通常通りトイレに行くことができた。はじめから普通に歩いていけると思ったが、指示に従った。
 のどについては、麻酔が効いていたせいか、術後しばらく痛みはなかった。むしろ鼻の挿管チューブの先がのどにに当たって気になった。挿管チューブのため鼻水が出るが、うまく鼻がかめないずだんだん呼吸するのがつなくなってきた。夕方に鼻をかんだ際、挿管チューブが外れてしまった。鼻が通りとてもスッキリした。ラッキーだと思ったが、翌朝までは装着する必要があるといわれ、再び医師に挿管チューブを入れられた。翌朝、チューブが抜かれると、ほとんど通常通り生活できるようになった。
 のどの痛みについて、やはりのどは若干痛かった。我慢できない痛みではない。何もしなければ痛みはなかったが、唾をのみ込むとき若干痛むのである。
 食事は手術の翌日から出たが、流動食→3分粥→5分粥→7分粥→全粥→米飯、と一日ずつ変わり、おかずも増えていった。上の写真は術後4日目の昼食である。7分粥だ。病院の食事を食べると、のどが滑らかになり、痛みが軽減された。また、のどが痛む場合に飲むようにと「カロナール」を処方された。食事前に2錠飲むよう指示され、痛ければ一日に10回まで飲んでかまわないといわれたが、それほど痛みは強くなかったので、朝食と夕食の前のみ服用している。私の場合、痛みは思ったよりひどくはなかったといっていいと思う。
 そう思っていたら、術後5日目ぐらいから痛んできた。瘡蓋が取れる時期だからということだった。夜寝ている間、乾燥して痛む。唾を飲み込む時も、今までより痛い。お粥から米飯になった術後6日目の夕食では、食後に痛みが増した。食後痛みが増したのは、初めてだった。何かがしみたのかと思った。術後7日目の朝には、痰に血がついていた。耳鼻科の医師の話では問題ないとのことだった。webによると、激しい出血の場合は再手術らしい。
 退院の前日に耳鼻科の担当医師から、万一、退院後に出血した場合に備えて、気仙沼市立病院の耳鼻科の医師に連絡しておいた、という話があった。紹介状も付けてくれるという。自宅が仙台から遠いことへの配慮である。まったくありがたい。

 入院10日目、術後8日目での退院となる。退院する今日現在、のどの痛みはある。瘡蓋が剥がれる時期だからか、あるいは炎症止めの投与が終わったからか、ここ数日やや痛みが増した感じだ。我慢できない程ではないが、夜は乾燥して特に痛いようだ。カロナールは、相変わらず朝夕の食事前にしか飲んでいない。痛み止めは頻繁には飲みたくないのだ。飲まなくても問題ない我慢できるレベルだと思っている。
 今後の動向や要した経費、退院後の経過については、後日、加筆・修正して改めてアップしたい。
 次の治療は、ステロイドパルス療法である。3週間の入院である。扁桃摘出後、入院を継続してステロイドパルス療法をやる人も多いようだ。一旦退院すると、改めてPCR検査をやらねばならなかったり、職場に提出する病休のための診断書が必要になったりと、手間もお金もかかるが、私は一旦退院することにした。仕事が気になることもあるが、一度退院して仕切り直したいというのが大きい。気力を蓄えて、できるだけ早期に次のステロイドパルスにのぞもうと思う。今の病室にステロイドバルス療法をやっている人が2人いる。安易に考えていたが、副作用があって結構大変そうだ。けれども、そうやって頑張っている人を見るのは心強い。ステロイドバルス療法についても、少し後になるがレポートしたい。

[術後14日目]
 術後14日目ぐらいからだいぶ良くなった。まだ、違和感はある。ものを飲み込むとき引っかかる感じがある。しかし、「痛い」という感じではない。術後14日目から少しだが、アルコールも飲んでみたが、痛みや腫れはなかった。ただ、入院中節制し、必然的に禁酒したことで、体重も減り身体も調子がいい。これからは、お酒の量は減らしていこうと思っている。

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IgA腎症と私 ③

2021年08月19日 | IgA腎症と私
(3)IgA腎症と治療方針
 
 腎生検結果の説明を受けたのは、術後7日目、退院の前日だった。入院すると担当医師が変わるしくみなのか、最初に診察してくれた外来の医師は姿を現さず、入院中回診に来ていたベテラン風の医師と若い医師が説明してくれた。説明書の署名欄にも2人の名が記されていた。後で聞いた話だが、腎生検の手術中、待機していた妻のところには、外来の時の先生も来てくれていたとのことだった。

 腎生検結果からの診断確定の根拠に関する説明はなかったが、IgA腎症と診断された。ちょっと意外だった。というのは、外来の時の医師に、血縁にIgA腎症の人がいるためその可能性を尋ねたところ、IgA腎症ならここまで腎機能が低下している場合、蛋白尿が出るはずだとつぶやいたのを憶えていたからだ。私の場合、尿潜血はあったが、何度検査しても蛋白尿は出なかったのだ。

 病棟のベテラン風医師は、IgA腎症について、分かりやすく丁寧に説明してくれた。説明をまとめるとこんな感じだった。
 IgA腎症はふつう、血尿(尿潜血)→蛋白尿→腎機能低下→腎不全と進むが、実際にはいろいろなパターンがある。私の場合は、腎機能低下の段階と見ていいという。このまま放置すれば、20年で30%, 30年で50%程度の確率で透析が必要となる。今59歳だから、おじいさんになってから透析になる可能性がある訳だ。
 腎臓は血液をろ過して老廃物を尿と一緒に捨て、必要なものは血液に戻す働きをしている。それを担うのが腎臓に100万個ある《糸球体》と呼ばれる毛細血管の束である。《糸球体》が壊れると、本来必要な血液やタンパクが血尿・蛋白尿として流出したり、老廃物であるクレアチニンが血液中に流入したりするのだという。この100万個ある《糸球体》が10万個程度にまで減少すると、透析が必要になる。私の場合、腎生検で29個の糸球体を採取したが、22個が正常、1個が半壊、6個が壊れてしまったものだったという。eGFR 32にしては意外に正常なものが多いのでびっくりしたが、正常なものも弱ってきているという説明だった。
 IgA腎症は、基本的には原因不明であるが、体内の免疫システムの異常が原因らしい。白血球は体内に侵入したバイ菌を感知し、そのタイプごとに攻撃する玉(免疫)を出すが、この玉(免疫)をIgAというのだそうだ。白血球は一度記憶した玉(免疫)のタイプは忘れないらしい。ところが、何らかの原因で異常なIgAが発生し、腎臓の糸球体を攻撃するのだという。攻撃された糸球体は炎症を起こし穴が開いてしまう。周りの糸球体は、攻撃されて壊れた糸球体の分まで働こうとするが、それもキャパシティーを超えると壊れてしまう。こうして悪循環が起こり、腎機能が低下していくという。この時、異常なIgAの生成に関わるのが扁桃腺らしいとのことだった。
 
 治療法については、①血液をサラサラにする薬、②血圧を下げる薬、③ステロイド剤、④扁桃摘出などの方法があるが、①と②については効果は弱い。この病院では、③と④の併用(扁桃摘出+ステロイドパルス療法)を行なっているという。扁桃摘出に10日程の入院、ステロイドパルス療法は点滴投与3日と服薬4日を3回繰り返すから3週間の入院が必要とのことだった。また、扁桃摘出とステロイドパルスは続けてもいいが、分離して行なってもいいとのことだった。
 この治療法は、この病院のOB医師が提唱したものであり、ここ10年来多くの大学病院等で効果が認められているが、否定的な意見をもつ医師もいる。その意味で、完全に確立し承認された治療法ではない。十分に納得できない場合は、セカンドオピニオンの道もある。その場合は、データを提供するとの説明だった。もちろん、私の場合、完治を目的とするのではなく、これ以上悪化して透析とならないことをめざす保存治療となる。

 私は、提示された治療の方針に了承した。このころには、ある程度、扁桃摘出+ステロイドパルス療法のことは調べていたからだ。合計すると1か月以上仕事を休まなければならないので、できるだけ夏休み中にやりたいと考えた。耳鼻科の先生にも相談して、一旦退院して次週に扁桃摘出のために入院し、職場の様子を見て10月か12月にステロイドパルス療法のために再び入院することにした。

 次は扁桃摘出手術について記そうと考えている。

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IgA腎症と私 ②

2021年08月19日 | IgA腎症と私
(2)開放腎生検と全身麻酔
 
 腎生検とは、直接腎臓の組織を採取して顕微鏡等で観察する検査であるが、これによって病名を確定し、適切な治療法を選択できるのだという。私を診察し、腎生検の必要を説いた医師の説明によれば、腎生検には背中から針を刺して腎組織を採取する方法と、開腹手術して直接腎組織を採取する開放腎生検があるが、この病院では安全に行うために開放腎生検を推奨しているという。私は任せることにした。後日調べてみると、全国的に主流なのは背中から針を刺す方法であり、こちらの方が部分麻酔で行なうため患者への負担が少なく、入院日数も4,5日~1週間程度で経費も安く済むようだ。ただ、web記事や体験ブログを読むと、熟練していない医師の場合何度も失敗したり、うまく腎組織がとれなかったりすることがあるようだ。また、件数は少ないが死亡例もあるという。一方、開放腎生検は、全身麻酔で行ない、2週間程度の入院を要するが、腎臓を目で見て組織を摂取するため、確実に多くの組織を採取することができ、血の塊である腎臓の止血を確実に行うことができるのがメリットのようだ。私の場合、13日間入院したが、手術の日の次の日から数えると、8日間で退院できた。安全にできて、良かったと思っている。費用は188980円だったが、限度額適用認定証を申請すればかなり軽減できる。私は申請しなかったが、共済組合から後日同額の還付金があるはずだ。結構な額のはずである。また、検査とはいえ、医師の指示による入院手術ということで、私の場合、民間保険のうちの2つが該当し、合わせて74730円の保険金が下りるはずである。

 さて、開放腎生検である。ここでは初体験だった全身麻酔による開腹手術について記したい。
 私の場合、右脇腹を5センチ程切ったが、すごい、というのが感想である。人生の時間の一部が、きれいさっぱり消え去ってしまった気分だ。麻酔は点滴で入れた。手術台に寝て何か話しているうちに眠ってしまったようだ。いつどのように眠りに着いたかわからない。眠りに着く過程は全く記憶にない。名前を呼ばれて目を覚ますと、もうすべて終わったといわれた。この間、時間の感覚はまったくない。だから、眠っている時間については、0分という感覚だ。起きたらもうすべて終わっていたのだ。9:00から始まった手術だったが、別室で待機していた妻が、目覚めたので帰宅してよいといわれたのは、11:30過ぎだったらしい。

 起きた時の記憶は何となくある。誰かから声をかけられて目を開けたのだ。手術室のライトを見た記憶がある。その後記憶は途絶える。次の記憶は、天井が流れている映像だ。べッドで移動したらしい。記憶はまた途絶える。次に現れるのは病室の天井である。看護師が数人いたと思う。何か尋ねられ答えたと思う。それ以降はずっと記憶がある気がするが、本当のことはわからない。確信が持てないのだ。同じ病室という空間にいたことで、持続的な記憶があると誤解しているだけかもしれない。
 意識や記憶というものが不確かなものであることを実感した。その不確かな意識や記憶に立脚しているのが人間というものであり、世界なのだ。すべてをこれは夢かもしれないと懐疑したデカルトを思い出した。デカルトは《夢を見ている私》を疑いえないものとしたが、意識のなかった私は《意識のない私》を認識することはできなかった。全身麻酔という経験によって、時間や世界、現実というものが、記憶や意識によって成り立っている脆いものであることを改めて考えさせられた。

 もう一つ書き記しておきたいことがある。導尿のことである。手術の後、その日は一日中安静にしていなければならなかった。開腹した傷の痛みもさることながら、最も苦しかったのは導尿だった。尿道に管を差し込んで尿を出すのだ。痛い訳ではない。激しい尿意を感じるのだ。尿意を感じるのだが、出ないのだ。もちろん、勝手に尿は流れ出ているのだが、おしっこをした感じにならない。激しい尿意だけが続き、膀胱が爆発しそうだった。はっきりいって地獄だった。チューブは次の日の朝抜くというが、どう考えてもそんなにもつわけがない。精神は、ズタボロだった。
 2~3時間程のたうち回ったと思うが、ベッドを少し起こして水を飲めるようになるなると、不思議と激しい尿意がひいていった。水を飲めば飲むほど尿意はどんどん引いていった。おかげで何とか朝までしのぐことができたが、水を飲むと尿意がおさまることをなぜ誰も教えてくれなかったのだろう、と思った。翌日の朝、尿管は抜かれ、トイレまで歩いて行くことが許された。翌々日にはエレベーターを使って1階のコンビニまで買い物に行くことも解禁された。ただし、腎臓に衝撃を与える危険があるため、階段の歩行はしばらく禁止された。傷はまだ痛み咳をするのも辛かったが、日増しに痛みは軽くなっていった。
 
 次は腎生検後の診断確定と治療方針について記す。

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