もうすく、(あと約1か月で)「高校バスケットボール全国選抜優勝大会」、通称Winter Cupだ。
1ヶ月ほど前、わが宮城県予選の準々決勝・準決勝・決勝を生でみた。なかなかに見ごたえがあった。わが宮城県の男子は、ここ数年、明成高校の独壇場である。かつて仙台高校を率いてWinter Cup 2連覇をした名将・佐藤久夫監督率いる明成高校は、昨年のWinter Cup で奇跡の?優勝を果たし、今年のインターハイでも準優勝と、その実力は自他ともに認めるところである。
しかし、今年、東北学院高校が意外にもこの明成高校に食い下がっているのは、全国的にはあまり知られていない。東北学院高校は、県内では以前から強豪として知られ、No.2の地位にあったが、今年2月の東北新人大会では決勝で明成に敗れたものの、あの能代工を倒して準優勝となり、6月のインハイ県予選でも残り数秒まで明成をリード、 結局同点となり、延長戦で惜しくも敗れるのだが、その実力は本物だと思う。
今回のWinter Cup宮城県予選決勝も、すごくいい試合だった。(→大会結果)
明成85-81東北学院 (17-24,25-21,16-16,27-20)
明成は3年生チーム、対する東北学院は多くの3年生が受験のため引退し、能力のある選手2人のみの登録だった。明成は3/4からのマンツーマン、学院はハーフマンツーでスタート。 途中から明成は3/4からのゾーンプレス→ハーフコートゾーンに、東北学院もハーフコートのゾーンに切り替えた。試合は終始、東北学院リードで進み、終盤に明成が追いつき逆転という展開だった。最後はリードされた東北学院がオールコートプレスをしかけるも、明成がなんとか逃げ切ったといった感じだった。東北学院は外からのシュートが本当によく入り、特に、No21の3年生ガード、冨永昇平選手の変幻自在なプレーが光った。No4の唯一の長身選手が前半に4ファールとなり、ベンチにいる時間が長かったのが痛かったと思う。 一方、明成は外を回して外からシュート、長身プレーヤーのリバウンドというやや単調なオフェンスだったが、最後の勝負どころでNo10安藤が果敢なドライブインでファールをもらいにいき、何とか逆転につながったという感じだった。
明成はいつものモーション・オフェンスをやらず、何かを模索しつつゲームをしている感じで、確かに余裕を感じ、東北学院よりは一枚上かと思ったが、東北学院の実力も本物だと思う。特に、先の3年生ガード・冨永昇平選手は注目に値する。中学時代は、U-15トップエンデバーに選出された逸材だったようだが、高校に入ってからは明成高校の影で全国的には無名となってしまった。しかし、そのトリッキーなパスセンスと、タフで果敢なインサイドへの侵入ブレー(3点プレー)は、明成高校ですら簡単にとめる事は困難なようだった。はっきりいって、明成以外のチームとのゲームは彼のショータイムだったといってもいい。
今年のインハイで明成が準優勝し、Winter Cup 推薦出場となるため、東北学院も宮城県代表としてWinter Cup に出場する。東北学院、いや冨永昇平選手を全国でみるのが、今から本当に楽しみである。
Winter Cupは、今年もJ-Sports各チャンネルで放映予定のようである。
[追記]
最近行われた仙台地区新人大会(→大会結果)では、東北学院が明成に圧勝したようだ。この大会では組み合わせの関係だろうか、明成と東北学院は2度対戦しており、一度目は93-90で東北学院の勝ち、二度目は何と75-50でまたしても東北学院の勝ちだったようだ。試合の内容は不明であるが、いずれにしても、東北学院は着実に実力をつけてきているようである(前から強いが……)。なお、この大会結果によると、聖和-明成戦が79-78で明成が辛くも逃げ切ったことになっている。女子の結果かと目を疑ったが、よくみると男子のようだ。一体何があったのだろう……。