かれいどすこーぷというバンドのライブに行ってきた。私の街の小さなジャズ喫茶にやってきたのだ。かれいどすこーぷは、ボーカルの前田祐希さんとマルチ楽器奏者の松田秋彦さんのデュオであり、ライブを聴くのは昨年に続いて2度目だったが、今年のライブは松田さんがマルチ楽器奏者の本領を発揮し、ギター、ピアノ、ベース、ドラムの4つの楽器を弾きまくった。中でも、ベース、ドラムのソロはインパクトのある演奏であり、それらとボーカルのデュオという斬新な演奏もあった。私はこういう前衛的な、あるいは先進的な演奏は基本的に好きである。ただ、今回に関しては、前田祐希のボーカルにすっかり魅了された。昨年のライブでは、前田さんが風邪気味であったらしく正直言ってイマイチの感が否めなかったが、今回の前田祐希は好調で、どこまでもまっすぐで伸びやかな歌声に好感をもった。どちらかというと、松田さん主体の「先進的な」サウンドよりも、Cry Me a River や Tristeza などのしっとりとしたスタンダードやボサノヴァ曲で、前田さんの素晴らしさが前面に出たという感じだった。かれいどすこーぷの前田祐希だって悪くはないが、今度スタンダードを歌う前田祐希を是非見てみたいと思った一夜であった。
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