◎今日の一枚 578◎
Live Adventures of
Mike Bloomfield & Al Kooper
古いアコースティック・ギターがある。アコースティック・ギターというよりフォーク・ギターという感じかもしれない。最近のアコギと比べると、ちょっと大型のようだ。おそらくヤマハのFGシリーズだと思うが、ラベルがないので型番はわからない。高価なものではない。恐らくは当時2万円程度のものではなかったかと思う。高校生の頃、「天国への階段」を演奏するために買ったのだ。その後、弾くのはエレキギターばかりだったので、大人になり、酔っぱらったときにたまに手にするぐらいだった。最近、ダイナミック・ギター(→こちら)やエレガット(→こちら)などアコースティックギターを弾くことが多くなり、このフォーク・ギターにも手を入れてみようと思った。ただ、スチール弦のギターにはそんなに興味はない。新しいものを購入しようという気はおきない。
とりあえず、ピンとサドルを交換してみた。ピンを真鍮製のものに交換し、サドルーを牛骨のものにした。牛骨サドルは紙やすりで削ってフィットさせたが、実際に弦を張ってみると、ちょっと弦高が高い気がする。まあいい。この次に弦を交換するときに調整しよう。音は凄く響くようになった。ただ。、ちょっと響きすぎである。サスティンが長すぎて、不自然に感じる。音もキラキラしている。私が最近ナイロン弦のギターに興味を感じるのは、柔らかな音色とともに、今にも消え入りそうな響きにあるのだ。
とはいえ、せっかく手を入れたのだ。たまには手に取って弾いてみようと思う。
今日の一枚は、アル・クーパー&マイク・ブルームフィールドの1969年作品、『フィルモアの軌跡』である。いいギターだ。ああ、最高だ。興奮している。過剰なディストーションをかけず、原音に近いトーンで奏でられるブルースフレージングに魅了される。
恥ずかしながら、このマイク・ブルームフィールドというギタリストをこれまで聴いたことがなかった。最近アル・クーパーを聴き(→こちら)、彼の他の作品をapple music で聴いているうちに出会ったのだ。渋谷洋一『ロック~ベスト・アルバム・セレクション』によると、このアルバムは、『クリームの素晴しき世界』とともに、60年代のインプロビゼーション主体のブルースロックの記念碑的作品、なのだそうだ。知らなかった。私はクリームももちろん好きだが、このアルバムを聴いてこっちの方に共感を感じている。渋谷陽一の評価は過大なものではないと思う。
もっと若い頃に聴いていたらどうだっただろうか。マイク・ブルームフィールドというギタリストに熱中しただろうか。そうなったような気もするが、今の年代だからこのシブいギタリストを正当に評価できるという気もする。
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