WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

欲望の昭和

2022年07月30日 | 今日の一枚(W-X)
◎今日の一枚 585◎
Walter Rodrigues jr.
Close To You

 昨日は、妻と一緒に、東北歴史博物館で開催中の特別展『欲望の昭和』を見学してきた。
 「欲望の実現としての消費」をキーワードに、戦後史を「豊かな人並みの暮らし」の実現から、「自分らしさ」や「自分にとっての豊かさの実現」への変化としてとらえた展示会は、なかなか興味深いものだった。何より、自分が生きてきた時代のモノやコトがたくさん展示されていて、楽しかった。
 自分か生きてきた時代のモノやコトを振り返ることで、現在立っている地点が鮮明になり、勇気のようなものを感じることができた。遠い過去を学問的な視座から展示したものももちろん興味深いが、身近な過去を確認することで人々に勇気を与え、心を穏やかにすることも博物館の重要な機能だろう。このような展示はしばしばやってもらいたいとも思った。
夏季特別展『欲望の昭和~戦後日本と若者たち』
令和4年7/16(土)~9/11(日)
東北歴史博物館(宮城県多賀城市)

 今日の一枚は、ブラジル出身のギタリスト、ウォルター・ロドリゲス・ジュニアの2019年作品『クロス・トゥ・ユー』である。このギタリストを知ったのは、昨年の入院中のことだった。退屈しのぎに You Tube を見ていて巡り合った。ガットギターの音色が美しいと思った。You Tube で見るウォルター・ロドリゲス・ジュニアは、実に楽しそうに音楽を奏でる。ゴダン(godin)のエレガットの音色が美しく響く。退院後、エレガットを購入してソロギターを始めたが、そのきっかけになった一人である。
  2019年作品のこのアルバムは、有名なポップス曲を集めたもので、大変親しみやすい。一曲の演奏時間が短いことで曲のエッセンスが凝縮され、冗長にならずに透明で美しい響きを楽しむことができる。ギターをいたわり慈しむように奏でられる、優しい音色が素晴らしい。暑苦しい夏には、最適の一枚である。
Isn't She Lovely
Can't Help Falling in love
Fly Me to The Moon
Besame Mucho
What a Wonderful World
(They Long to Be) Close to you
You Are the Sunshine of My Life
Don't Know Why
They Can't Take That Away from Me
Over the Rainbow
How Deep is Your Love


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