◎今日の一枚 585◎
Walter Rodrigues jr.
Close To You
昨日は、妻と一緒に、東北歴史博物館で開催中の特別展『欲望の昭和』を見学してきた。
「欲望の実現としての消費」をキーワードに、戦後史を「豊かな人並みの暮らし」の実現から、「自分らしさ」や「自分にとっての豊かさの実現」への変化としてとらえた展示会は、なかなか興味深いものだった。何より、自分が生きてきた時代のモノやコトがたくさん展示されていて、楽しかった。
自分か生きてきた時代のモノやコトを振り返ることで、現在立っている地点が鮮明になり、勇気のようなものを感じることができた。遠い過去を学問的な視座から展示したものももちろん興味深いが、身近な過去を確認することで人々に勇気を与え、心を穏やかにすることも博物館の重要な機能だろう。このような展示はしばしばやってもらいたいとも思った。
夏季特別展『欲望の昭和~戦後日本と若者たち』
令和4年7/16(土)~9/11(日)
東北歴史博物館(宮城県多賀城市)
今日の一枚は、ブラジル出身のギタリスト、ウォルター・ロドリゲス・ジュニアの2019年作品『クロス・トゥ・ユー』である。このギタリストを知ったのは、昨年の入院中のことだった。退屈しのぎに You Tube を見ていて巡り合った。ガットギターの音色が美しいと思った。You Tube で見るウォルター・ロドリゲス・ジュニアは、実に楽しそうに音楽を奏でる。ゴダン(godin)のエレガットの音色が美しく響く。退院後、エレガットを購入してソロギターを始めたが、そのきっかけになった一人である。
2019年作品のこのアルバムは、有名なポップス曲を集めたもので、大変親しみやすい。一曲の演奏時間が短いことで曲のエッセンスが凝縮され、冗長にならずに透明で美しい響きを楽しむことができる。ギターをいたわり慈しむように奏でられる、優しい音色が素晴らしい。暑苦しい夏には、最適の一枚である。
Isn't She LovelyCan't Help Falling in loveFly Me to The MoonBesame MuchoWhat a Wonderful World(They Long to Be) Close to youYou Are the Sunshine of My LifeDon't Know WhyThey Can't Take That Away from MeOver the RainbowHow Deep is Your Love
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