九月に入り一日、一日と足早に過ぎてゆく。昨日九月九日は重陽の節句。五節句の一つで菊を用いて不老長寿を願うことから菊の節句と呼ばれる。菊は天皇家の紋章。旧暦の九月九日は新暦の十月中頃でまさに菊の美しい季節。時期がずれたためあまり馴染みがないが、古来縁起の良い奇数の重なりの日を祝った五節句においては最も運気の良い日とされたらしい。
そんな菊の節句が過ぎた今日十日に菊の花を用意することを『十日の菊』、同じく端午の節句五月五日を過ぎて菖蒲を用意する様を『六日の菖蒲』といって、時期に遅れてしまって役に立たないことのたとえとする。類義語は『後の祭り』。