皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

八十八夜と二季草

2021-05-01 23:02:43 | 生活

今日から五月。今日朔日は八十八夜に当たる。(例年五月二日であることが多い。今年は閏年)

夏も近づく八十八夜

野にも山にも若葉が茂る

あれに見えるは茶摘みじゃないか

あかねだすきに菅の笠

日和続きの今日この頃を

心のどかに摘みつつ歌う

摘めよ摘め摘め 摘まねばならぬ

摘まにゃ日本の茶にならぬ

文部省唱歌の「茶摘み」によって八十八夜といえば茶摘みというイメージが定着したという。

昭和四十年代生まれの私も子供のころに聞いたものだ。初夏の陽気と祖母、叔母の歌うこの歌を子供心に覚えている。ただし私の住む北埼玉に茶畑はほとんど見られず、歌の記憶のみが刻まれている。今の子供たちはあかねだすきと歌われてもイメージがわかないだろう。

立春から数えて八十八日目のこの日は雑節の一つであり、「八十八夜の別れ霜」と言って陽気が安定することから、農家にとっての籾まきの目安であったという。

このころの花はといえば藤の花。春から夏にかけて季をまたいで咲き誇ることから別名「二季草」ともいうそうだ。

春日部市の牛島花園にある特別天然記念保存木「牛島の藤」は樹齢千二百年という。一度見てみたいものだ。

弘法大師手植えの藤とも呼ばれ多くの観光客を集めている。

皐月の初夏の陽気が好きだ。GWが明ければ立夏を迎える。そろそろ当地でも苗代が始まる季節。

コロナ禍で制約の多い日常であるが、季節だけはありのままに感じてもいいだろう。

 


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