皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

名もなきお堂に手を合わせ

2017-09-14 05:48:29 | 神社と歴史

下総の国に出向いて一週間。歳のわりに馴染むのが早く、平穏で穏やかな時間を過ごしている。通勤に時間がかかるぶん早めについて、駐車場から見えるキャベツ畑と共に、気になっていたのが店の裏口脇にある小高い塚の上に立つ社。神社やお寺はずっと場所が動くことがないせいか、カーナビに必ず表示が出ているものだが、表示を拡大しても出ていないため、夕方日差しの残るぎりぎりの時間に見に行ってみた。
旗竿があるが鳥居はなく、建物に額なども掛かっていない。鈴が掛かっていたのでお宮と思い、賽銭を納めて拝礼した。誰がどう祭られいるのか想いを馳せつつ、薄暗くなった境内に立つ石碑を読んでいると、男の人が現れて声をかけられた。慌てて、先ほどお参りした旨を話し、どちらの神社か聞いてみると、実は近隣地の人たちで建てた観音菩薩堂だということだった。字に住む十軒で古くからある観音様を守るためお堂を建て、年に一度近くの真言宗のお寺から住職を呼んで経をあげているそうだ。観音像は残念ながら盗難にあってしまったが、伝書には、元和年間の記述が残っているそうで、400年前から字としての歴史があるようだ。昔は法典のあと盛大に祝ったそうだが、次第に村内で集まるだけになったと言っていた。話しついでに埼玉から先週通うようになったことをいうと、下総には平将門伝説が伝わり、古くから色々な歴史があると話してくださった。近くに有名な八幡宮があると紹介していただいた。
すっかり日もくれて、帰り際案内のお礼を申し上げ、勤め先と名前を伝えると、自分の会社の敷地の地主さんであった。
わずかな出会いが縁を繋ぎ、その地域がますます好きになるひとときだった。
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羽ばたけ、大空へ

2017-09-11 22:16:22 | 日記

 土曜参観の振り替え休日を利用し、JALの整備工場見学に行きました。
近年、大手企業ではそのブランドイメージ向上のため、TVCMや各媒体による公告、webサイトなどと並んで実際の商品やサービスの現場、特に工場見学によって消費者に企業価値を見てもらうことに力を入れているようです。
 ここ数年、カルビー、ヤクルト、キューピーといった食品工場に行っていますが、初めて航空会社の整備工場に行くことができました。

 浜松町からモノレールに乗り、空港ターミナルの手前新整備工場で降りてすぐのところにあります。
ネット予約ができますがかなり前から申し込みを入れないと取れない状況でした。夏休み過ぎの平日とあって、子供連れはなく大人の方ばかりです。
また台湾の方が2グループ8名ぐらいいらっしゃいました。

航空機の説明や、JALの歴史などビデオ説明のあと、実際の整備工場に入ることができます。

画像にある無地の機体は、20年使用経過した期待で、この後アジア地域に売却予定の機体です。概算ですが200億で買って、35億で売却するそうです。

737型機が入庫し間近で見ることができます。
綾瀬はるか主演の「ハッピーフライト」は航空会社の現場を描いた作品です。だいぶ前に見ましたが、整備士さんは工具一つなくすことのできない厳しい仕事だったと描かれていました。空の旅はまさしく安全の上にも安全を期したものでなければなりません。悲しい事故を起こした歴史も忘れてはならないところです。

展示室ではコックピットに座ることができ、将来キャプテンを目指すこには良い思い出になります。
大きな期待のように大空を羽ばたく日が来ることを願います。
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天空の城にて

2017-09-11 19:18:25 | 物と人の流れ
開業五周年を迎えた東京スカイツリーに昇りました。まさに天空の城、ソラマチタウンでした。平日ですので、15分ほどで当日チケットが買えます。千葉県夢の国同様、アジア圏の言語が飛び交います。
『そこに山があるから』そういって各地の峰々を踏破する冒険家のように、誰しもそびえ立つ高いものに登りたくなるのでしょうか。
隅田川や東京ドームがよく見えました。平井大橋付近の首都高速からいつも見ていた反対の景色です。
展望台まで、大人2000円、更に上に行くにはプラス1000円かかります。
展望台迄で充分でした。やはり商売気が感じられます。満足感は自分が決めるもの。ソフトクリームは400円と贅沢な値段ですが、味は美味しかったと思います。
いつか行こうと思っていたところには出来るだけ行ってみるようにしています。勿論可能な限りですが。
見聞を広げるのに年齢は関係ないようです。現地現物に触れて初めて感じることをこれからも大事にしたいとおもいます。
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市民大学自由研究

2017-09-09 17:21:04 | 生涯学習
行田市民大学歴史文化研究A班夏季自由研究として、皿尾久伊豆大雷神社に参拝しました。グループ9名そろって集まることができました。
行田市内でも他地区の神社に参拝する機会は少なく、また氏子役員などの経験がない方は正式参拝、昇殿参拝も初めてということで貴重な経験となったようです。
地域の神社はもちろんその地域と氏子のものではありますが、歴史研究として神社に関わることは、人を豊かにしそういった神社の役割も大きいものだと感じます。
また皿尾城跡も見ていただき、戦国期この地域が北武蔵における国衆の争乱の舞台となっていたこと、羽生城主広田、木戸兄弟の関係などお話させていただきました。

午後からは、市内唯一の式内社前玉神社に参拝し、田島宮司に講和をいただきました。埼玉県名発祥の地区、また律令期から他からの勧請ではなくこの地にまつわる神様をお祭りしていることなど神社の 歴史についてお話をいただきました。
手水舎は井戸水を汲んでいるそうです。万葉集の句が詠まれた石灯籠で文化財指定を受けています。昭和50年代終わりまで、灯籠の写句(石になぞって句を写す)をしていたそうですが、保存のため今は断っているそうです。
上宮とされる前玉神社は浅間塚古墳の上に鎮座します。古墳自体も平成になってからの調査で、近世の塚ではなく古墳(円墳)と認められました。ですので社殿は江戸以降に山頂に移されたと言われています。
浅間神社は山の中腹にあります。御祭神は木之花咲耶姫。古くから浅間信仰が盛んで、前玉神社よりも浅間様と呼ばれることが多いようです。
境内入り口の一の鳥居の篇額には、そうした信仰から、社名ではなく『富士山』とかかれています。
埼玉銘菓、金沢製菓の塩あんびんをお土産にいただき、解散と相成りました。市民大学のカリキュラムではなく、自主研究としてこれほど神社について学ぶことができ本当に良かったと皆さんおっしゃっていました。
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さらば羽生城

2017-09-03 21:37:12 | 日記
五年間通った羽生の勤務が異動となりました。今日は最終日。思えば五年前これほど羽生との縁を感じてはおりませんでした。むしろ自分自身の家系や生まれについては深く考えることもありませんでした。
自分の進むべき道もわからず、日々忙しなく走り続けるだけでした。

羽生に城があり、忍城との争いの中で、自身の生まれが城にあったことを知ってから見える景色が変わりました。城主木戸忠朝は、兄広田直繁と共に上杉謙信の下、戦国の世を駆け抜けました。最後は自落書の城となっても、羽生城と共にありました。
その歴史の始めに私の住む皿尾城はありました。
生きるため、最後まで抗い続けた広田、木戸兄弟。歴史に埋もれながらも後世となってその足跡は明らかにされています。
兄弟は古河公房の家臣だったとされます。歴史の糸に導かれるように明日から下総国、古河へと出立します。
どんな出会いが待っているのか、沸き立つ気持ちを押さえながら、初秋を迎えます。
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