気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

師走のお稽古

2024-12-15 22:32:01 | お稽古
師走は座っていても気持ちがザワザワ

今月の軸は「看々臘月尽」
あっという間に過ぎ去る一年に
甘んじている私に
「喝」を入れてくれる言葉です

今年の心残りは
「口切の茶事」ができなかった事
11月に入り茶壷は床に荘ってありましたが
開炉になったばかりで濃茶のお点前が皆さん気になり
なかなかお稽古で茶壷を手に取る事はなく
師走に突入してしまいましたが
このまま茶壷をしまってしまうのも心苦しいので
思い切って口切の茶事のお稽古をしてみました
 
まず客が席入りを
亭主とご挨拶の後
正客は「お床のお茶壷は、ご由緒がおありのようで
        どうぞ後ほど拝見をお願いいたします」
亭主は床の茶壷を4畳半であれば点前座の拝見物を出す所
に下ろし、網、口紐、口覆を外して勝手付けにおいて
いったん水屋に入り「御茶入日記」を正客へ
 
「ご希望のお茶をおっしゃってください}
客はいただきたい濃茶を相談します

亭主は葉茶漏斗を持って出て茶壷の下座に置きます
葉茶漏斗の底には美濃和紙一帖を二つ折にして敷き
左から糊板、糊、糊へら、肉池その下に印判、小刀
五分(1.5cm)幅の封紙、その上に二個の挽家
  
準備し茶壷の封印を確認し、封を切り
「ご所望のお茶は?」
決めがたいと思えば
正客は「ご亭主にお任せいたします」と
茶壷を葉茶漏斗の上に傾けて、葉茶をさらさらとあけて
濃茶の袋を取り出し向かって右の挽屋の中に入れ蓋をし
葉茶漏斗にあけた薄茶用の葉茶をもう一つの挽屋に満たし
入りきらないものはそのまま残しておく
茶壷の蓋をする
封紙を糊付けして茶壷と蓋の合口の封をする
亭主の印をするが黒色の印に限るそうです
ここで正客は
「お茶壷、口覆ともに拝見いたしとうございます」
お茶壷拝見が始まります(所作は小習い壺荘)
亭主は葉茶漏斗一式を持って水屋に入り控える
後は小習い壺荘となります
 *実際の口切では、水屋に入れば早々に挽屋から
  濃茶を取り出し石臼で引き始める・・・・

ここまでの事だけでもたいそうなお茶事です
これから石臼の音を聞きながら、初炭、懐石へと進んでいきます

ただ湯を沸かし茶をいただくという事が
とっても手間の掛かる事と改めて思い知らされます
憧れの口切の茶事を社中でできたらと思っています
皆でガンバロウ!!
私も精進いたします

今月の主菓子は
 蕎麦上庸(三割蕎麦です)
  
 
 袴腰餅(羽二重餅と同じ求肥で)
  



茶人の正月霜月『炉開き』は

2024-11-19 22:30:20 | お稽古
  猿沢の池より興福寺南円堂と
  国宝三重の塔の屋根を望む
   2024年11月8日撮影
  
立冬に入りやっと寒さが近づいた
と思えば汗ばむ日もあり・・・
秋はあっという間に過ぎ去り
これからすぐに寒くなりそうです

去年は10月に咲いていた庭の早咲き椿は
まだまだ固い蕾のままで炉開きには
間に合いませんでした

 床の花は
 常盤マンサクの照葉と寒菊
 
今年の炉開きの一日目は
皆さんで開炉の印の善哉をいただき
その後『且座』をいたしました

且座の名称は「臨済録」の『且座喫茶』から
とられたもので七事式のひとつです
七事式は無学宗衍の偈頌がそれぞれついており
修練の式と思い知らされます
且座の偈頌は
「是法住法位」これほうは ほういにじゅうす
自分に決められた役割を責任を持って全うせよ
花月之式とは異なり前もって
主客それぞれの役割が決められており
途中で位置や役割が変わるようなことはありません
この式は東一人、半東一人、客三人の五人で行いますが
今日は6人おみえでしたので
変則且座にして、客四人の六人で行いました
客四人として花入れを二つ置いて
次客と四客は花を入れ
三客は.炭をつぎ
正客は香をして
東は皆さんに濃茶を点て
半東は東に薄茶を点てる
修練になったかどうかわかりませんが
半年ぶりの炉点前です
戸惑う所もありましたが
楽しく終わる事ができました

 炉開きの主菓子は
 『亥の子餅』
今年は「胡桃」「胡麻」「干し葡萄」を練りこんだ「漉し餡」
を「黒糖」で作った「求肥」で包み、「シナモン」入りの粉をまぶして
『無病息災』を祈って作りました
 

 『紅葉狩り』
安納芋の黄色と白餡を朱色に金団にしました
 

奈良は、今だ綺麗な紅葉が見れませんが
お茶室で紅葉狩りしていただけたら
嬉しいと思いながら作った金団です

因みに下の写真は晩秋の紅葉が美しいと
名高い清酒発祥の地『正暦寺』の紅葉です
    2024年11月18日撮影
 
   紅葉にはもう一つですね

神無月のお稽古は

2024-10-21 13:27:51 | お稽古
新月から数えて13日目の「十三夜」
満月には少し欠ける月でもきれいな月
秋の収穫に感謝しながら美しい月を愛でる日本独特の風習
平安時代、醍醐天皇の月見の宴がはじまりとか
  

過ぎれば、明るいまんまるなお月様
ス-パ-ム-ンも段々かけ
日が暮れるのも早くなってきました

暑くて長い夏からやっと涼しくなりましたが
まだまだ日中は暑い日が続きます
後二週間ほどで11月に入るというのに
そういえば、庭の早咲きの椿「初嵐」も「西王母」も
蕾はかたく開きそうにありません
炉開きに椿を入れることはできるかしら
とっても心配です・・・・堅い蕾を入れる事になるかも

神無月のお稽古は中置
点前畳のまん中に風炉を据え
お客様に火が近づき、それでも
お客様は暑いと感じない季節に
初炭、小板、大板、五行棚と
中置は特別なお点前で楽しいですね

今日は五行棚で花月のお稽古を
五行棚は玄々斎好の一重棚
棚の上に棗や羽、香合などは荘りますが
地板には土風炉を据える事が約束で
水指は棚の勝手畳の上に置きます
棚の中には
天板、地板の「木」、風炉中の「火」
土風炉の「土」、釜の「金」、釜中の「水」
木火土金水(もっかどごんすい)の五行を納めてあります
水指は畳上に置くので湯返しはありません

まずは「炭付き花月之式」を
中置は炭斗はいつもの風炉の炭手前と同じ場所ですが
釜は勝手に置きますので紙釜敷はわさを奥にして懐中
五行棚は地板の手前に羽を一文字に置き
羽先に香合をおきます

次に「濃茶付花月之式」を
細水指を風炉(棚)の勝手付に置き
茶入れは棚の右手前、いつもの所に荘り付け
点前中地板の勝手付手前に蓋置柄杓を一文字に引きます
仕覆はいつも通り返して天板勝手付手前におきます
柄杓は上向きに縦一文字、又は入り荘りにできます

五行棚(中置)での花月でしたし
初めての方が一人入っていましたので
どうなる事やら心配してましたが
皆さんの上達がみられ以外にスム-ズに進み
面白くなってきていただいたようで
私も楽しくなってきました

「浜菊(吹上菊)」日本固有の菊
「杜鵑」、「水引」
  

花はやっと咲き出した「秋明菊」
「藤袴」「撫子」「水引」「白妙菊」
  

主菓子は
『光琳菊』 上用の真ん中に凹みを作り芋餡を添え
  

『山苞』 栗餡と漉し餡で
  

『織部上用』 抹茶で緑、雁を飛ばせて
  

干菓子は富山五郎丸の薄氷『いちょう』
黒豆絞り
  




朝晩の涼しさにホット 秋のお稽古は

2024-09-30 11:32:24 | お稽古
今年の十五夜は満月より一日早い9月17日
唐招提寺でお月見
   
翌18日の満月は、若草山の北の山稜から
  
  
7月、8月は茶箱点前が主でしたので
電熱で失礼させていただいた社中のお稽古
涼しくなってきましたので
久しぶりに風炉の灰を切り
炭を熾し濡れ釜かければ
ぱちぱち炭の音に匂い
やはり落ち着きますね
 
今月の上のお稽古は「大円の草」
四ヶ伝のお稽古は「和巾」「盆点」
小習のお稽古は「長緒」「大津袋」「荘り物」
とお稽古してきましたが
もう神無月「中置」になりますね

「大円の草」
唐物茶入れと和物茶入れ二種の濃茶
大円盆に茶入れ二種、台天目を載せ
水指;瀬戸一重口、蓋置;竹、建水;唐金、茶杓;行
「和巾」
古帛紗に由緒のあるお点前
古帛紗の上に仕覆を着せた献残中次を載せ
人数分の濃茶を入れ水指正面に荘る
仕覆は和巾をもって作ったものでもよいが
別のものでもよいということです
このお点前は古帛紗に載せた献残中次の扱いが
なかなか綺麗にできなく、和物なので肩衝茶入れと
同じように清めるのですが回し拭きがやりにくい

九月後半の主菓子、定番となります
月見上用」 餡の中に栗を
  月見上用

栗金団」 栗餡に白餡を同量混ぜた金団
  栗金団

お彼岸に「お萩」も作りましたが
写真を撮るのを忘れました
皆様に見ていただけないのが残念です

お花は相変わらずの「木槿」
  「撫子」{秋海棠」「風船蔓」
           花入れは末廣籠
 

社中でも大円の草のお稽古ができるようになり
四ヶ伝のお稽古も誰もができるようになってきた事
大変嬉しく思ってます
私も修練あるのみです

長月・お稽古日記と湿し灰

2024-09-12 23:00:08 | お稽古
 
ノロノロなうえ迷走した台風10号(サンサン)
奈良では気をもたせるだけで
あっけなく過ぎ去りました

被害の大きかった地域の皆様には
心よりお見舞い申し上げます

そんな八月も終わり九月になり
残暑厳しく、真夏に逆戻りしたかのような
猛暑日の天候が続きましたので

ぎっくり腰と天気不順も重なり
先延ばしなっていた
湿し灰』作りを
今年は無理をしないで三日かけて
下記のように行いました

【一日目】灰を熱々の美味しいほうじ茶で洗いあく抜き
     灰汁を綺麗に取った後は、静置

【二日目】天日干し

     二回篩(大・中)にかけ

     3時頃には日が傾き回収
    
【三日目】天日干し、三回目篩(小)にかけ完成

とっても良い湿し灰ができましたので
炉の炭手前が待ち遠しいです

お疲れ様とおもいきや、まだまだ片付けが・・・・
兎にも角にも湿し灰作り、今年もできて良かった


さて八月は「茶箱」のお稽古
紐結びが心もとない事に気が付き
九月のお稽古は長緒・大津袋から始めましょうね

長緒とは
 平たく口の広い茶入れが大海
 平たく口が小さく肩が目立つものは内海
 このように胴の平たい茶入れは長緒のついた仕覆に入れます

大津袋とは
 包み帛紗と同様に棗を濃茶器として用いる
 大津袋は紫縮緬と決まっており、この袋は
 利休居士の妻宗恩が大津米の米袋から
 考案されたといわれて大津袋の名があります

どちらも風炉の時は風炉の中終いがあります

今月の主菓子も頑張ってつくりました
  『大風』
  (漉し餡に紅あずま餡)
  大風

  『撫子の錦玉』
  (赤はラズベリ-です)
  撫子の錦玉

  『秋空金団』
  (水色に色付けた白餡とゆり根餡)
  秋空金団

  『こぼれ萩』
  (黄緑の求肥で漉し餡を包みドライフル-ツを刻んで)
  こぼれ萩

  『着せ綿』
  (ピンクに色付けた白餡にゆり根の真綿)
  着せ綿

最後に花、庭は緑でいっぱい、雑草も
かきわけ花を探せば蚊が
猛暑と残暑で水遣りも大変です

これといった花は「木槿・ムクゲ」だけ
この季節には木槿はありがたい花ですね
 蓼・風船蔓・宗旦木槿(紫・白)萩
  

 吾亦紅・蓼・ミソハギ・宗旦木槿(紫・白)
  

 桜蓼・西洋藤袴・萩・宗旦木槿(紫・白)
  

重陽も過ぎ、17日は仲秋の名月
そして秋のお彼岸へと、暦は進みます