気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

甲辰の初釜

2024-01-16 21:01:01 | お稽古
今年の初釜は穏やかな日和に恵まれ、御蓋山の浮雲峰もくっきり
  若草山342m           御蓋山298m  高円山432m

無事終わる事ができありがたい事でした
待合軸は『』にいたしました
今年の御題は「和」
和は「わ」「なごみ」「仲良く」
 

昨年、誰でも見ることのできる
国連のライブ配信を見せていただきました

それは、9月21日の国際平和デーを前に
ニューヨーク国連本部で「平和の鐘式典」が
そこで鵬雲斎大宗匠が献茶式をお開きになった
大宗匠は自ら揮毫された「和」の軸をおかけになり

和とは丸「」であり地球であると
その地球の「和」に平和を祈念して一盌を
その前に英語と日本語を交えたスピ-チもされ
お茶碗は丸い、それは地球、その中には緑がある
地球上で緑は一番大切。戦争があると緑は失われる
緑が大切です。丸いお茶碗のなかの緑の抹茶を
皆さん楽しみながら、その緑と一緒になって下さい
皆さんが自分の国の幸を祈りながらそのお茶を召し上がったら
必ず世の中が静かないい暮らしができるようになると思います
と「一盌からピースフルネスを
百歳の大宗匠の行動力にお点前に感動いたしました
それでどうしても初釜に「和」の軸を掛けて
社中と一緒に一盌から平和を祈願したいと思いました

干支(昇り龍)の掛け蓬莱を日陰の蔓で作ってみました
  

本席は不二画賛
 支竺扶桑第一山 支は支那、竺は天竺、扶桑は日本の事
 千秋戴雪秀本関 千秋雪をいただき本関に秀ずる
  

点心は例年のごとく半月弁当
東京の有名店がなんと我が家の近く左京に11月開店
お料裡『本城』本格的な京懐石なのにリーズナブル
皆様にとっても喜んでいただきました
   

甲辰の元旦は

2024-01-11 21:48:06 | 日記
意外に暖かい年越し
「大祓式」に天理「石上神宮」に出かけるも
      

例年は帽子・手袋・マフラ-は欠かせないアイテムであるのに
この日は必要ないそんな穏やかな大晦日
      

帰りに彩華本店でラーメンを皆でいただくのも例年通り、
ただ孫も大きくなり、チャーシュ入り大(麺二つ)が3人にも
      

家に帰って皆で紅白歌合戦を見ながらワイワイ
お節を詰め、閉めは年越し蕎麦
そうこうしてるうちに紅白も終わり

年が明ける前に家路に着く子供達ファミリ-と
お泊りの孫

私が床に就いたのは午前2時 そして

「甲辰(きのえたつ)年」の元旦は、曇り空で初日は見れず
例年のごとく家族が集まり、夫のお祝いのはなし
甲辰は"初心に返り、足元をしっかりとみることで花開く年"ですと

お節にお屠蘇、お年玉と穏やかな時間が過ぎ


孫達と一緒に初詣に出かけ
平城京跡・東院庭園北のある「宇奈多理坐高御魂神社」へ

孫もこんなに大きくなっても嬉しそうに平城宮跡で凧あげ・・・・・

晦日の夜更かしからみんなお疲れ
一旦解散して休憩をとり
春日大社でバイトしてる孫の帰宅時間に合わせて
午後8時集合と皆は家に帰っていった

夫と二人一息ついてコーヒ-タイム静かな時間が
何もかも例年通りの午後4時過ぎ
2人の携帯が一声になり
災害アナウンスが聞こえぐらりぐらりと揺れ始める
中継TV画面の家並みから土煙が立ちあがり、これは大変!!!
能登半島で震度7(M7.6)の大地震が発生
2016年熊本地震M7.3や1995年阪神大震災M7.3よりも規模が大きい

能登方面を始め被災地の方々も私達と同じ穏やかな賑やかな
元旦を迎えられていらっしゃったでしょう
心の中で祈るしかありませんでした

地震はいつでも日本列島どこにでもやってくる
人の力が及ばない地殻変動
被害を最小限に抑えるには
私に何ができるでしょう
火を消す事が一番ですね

やはりオール電化がいいのかしら?
お茶のお稽古中で炉や風炉に炭が熾っていたら
どうする?
水をかける? 湯をかける?
出口を確保、そして外に出る

新年早々龍が大暴れ
今年はどんな年になるでしょうか

初釜の待合には「和」の軸を
今年の御題「
人間自ら地球を壊さないで
自然災害は仕方がないけど
能登半島地震で
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます

今年の師走、軸は『無事千秋楽』、主菓子は?

2023-12-13 22:56:04 | お稽古
師走の時期は一年を通してもっとも慌ただしい
字のとおり師匠も走る時期

そういう私は10月~12月始めまで死にそうなくらい忙しく
今週に入ってやっと一息ついてる

今年は4月より長年の仕事を完全に辞め
茶道、そして夫と二人の日常だけの生活
余裕のある生活が待ってると思っておりましたが
この9ヶ月忙しくあっという間に過ぎ去ったよう
何故
3月末まで勤務していた職場の事、はるか昔のように

さてさて、師走に入って作った主菓子は
  『蕎麦上用饅頭』
 

  『織部上用饅頭』
 

山の芋も蕎麦も旬のもの
大晦日には年越し蕎麦はかかせません
何故なら
蕎麦は他の麺類に比べて切れやすい事から
大払いと同じ事だといわれる

これから作る予定の主菓子は
遅ればせながら『袴腰餅
 
御所のすす払いの時男子も出入りし
女子も袴を付けるので
袴の腰板を目立つように色分けした事から
御所出入りの「川端道喜」さんが「事始めの日」
御所へ献上されたのがこのお菓子ですね
  茶道文化検定テキストより

上手く台形にはなりませんが心を込めて
その出来具合は・・・お稽古で楽しみに!

軸は『無事千秋楽
  

千秋楽の『』は長い年月を意味します
』は『終』終わりを意味し
』は『落(おち)』結末を意味する

『千秋楽』が相撲や歌舞伎の興行最終日に使われるようになる以前から
『千秋楽』という曲が存在しており
奈良時代に唐から伝わった曲目の1つです

唐では、皇帝の生誕祭を「千秋節」と呼んで
この祭事が曲の由来となっているともされます
仏教では法要の終わりに演奏する決まりがあり
最終日や結末を意味するようになったともいわれている
師走の『無事千秋楽』は一般民の私達は
無事に一年を終えたという意見合いで・・・

香合は『クリスマスツリ-』
 
これは上高地帝国ホテルのギフトショップで購入したもの
茶道用として作られたものではない『見立て』です

我が家のクリスマスツリ-もやっと出しました
  

お正月まで、さあもうひと踏ん張りしなくては

亥の月亥の日開炉の日

2023-11-26 13:26:47 | お稽古
今年の亥の月亥の日は11月13日(旧暦では10月1日)
丁度その頃、我が家の炉開きも行う事ができました
  
    令法(リョウブ)の紅葉と椿(西王母)

この日ばかりは扇子を置いたらまずは
開炉おめでとうございます」のご挨拶を

お善哉の盆を運び
開炉の印ですのでお善哉をいただきましょう
   

丁度この頃、温かいものが嬉しい季節となりますので
炉開きのお善哉は最高に美味しいです

主菓子は「亥の子餅
   
陰陽五行では「亥」は「水性の陰」極陰の日
それで亥は火(火難)を免れるという信仰が広まり
その日に火(暖房具)を使いはじめれば火事にならないと

又、唐では亥の重なる日は亥猪(げんちょ)と呼ばれ
多産である猪にあやかり子孫繁栄を願い
亥の子餅を作り食べたという

その風習が伝わり平安~明治初期までは 
宮中では亥の子餅を作り祝ったそうです

それにあやかり茶道でも亥の日の極陰に(これから陽になる)
開炉をし
茶人の正月として陽である善哉を振る舞い
亥の子餅をいただき
今年摘んで寝かせた新茶の口切をして
火の用心、無病息災、子孫繫栄を祈るお祝いですね

  
今年の亥の子餅は
黒糖、小豆、きな粉、栗、胡桃、干葡萄、胡麻
7種の素材を入れて亥の子型に作ってみました
もちろん、色々な願いを込めまして

11月はこんな「きんとん」も作りました
  きんとん(秋の山)
  

寒菊(スプレ-菊”まつげ”)と黒蠟梅の紅葉
  
液体をスプレ-したような菊の形
「まつげ」とも言うようです
そういえば、朝ドラ「ブギウギ」の
スズ子さんの付けまつ毛みたいですね

11月は口切の月、「壺荘り」のお稽古もしなくては・・・
慌ただしく過ぎる霜月、もうすぐ師走です
  

正倉院展が終わり炉開きを

2023-11-17 20:10:17 | お稽古
正倉院展最終日11月13日は、奈良は朝から雨模様
      
外が明るくなってきて晴れるかなと思ったら
なんと天気雨!『狐雨』「狐のご祝儀」とも言いますが
「狐の嫁入り」と言う人も・・・・そんな不思議な空模様でした

   

今年は、東大寺初代別当・良弁僧正の1250年御遠忌
東大寺」では10月13日から16日にかけ
舞楽、献花、献茶、奉納、法要が盛大に行われ
良弁僧正の遺徳をしのばれた。

ただ慶讃奉納公演は9月30日から行われており
MISIAのステ-ジなどもあり
いつも静かな秋の奈良町に歓声と人人人・・・・・・
私は10月16日の午後7時から

   
『東大寺狂言 野村万作・萬斎・裕基、狂言三代』へ
小男鹿の声もバックミュージックとなり大仏さんの見つめる中
幽玄の世界を味わってまいりました


そして今年度の第75回正倉院展では、
    

聖武天皇縁の綺麗な鏡、枇杷(ポスター掲載)などとともに
  


1250年前に亡くなった良弁様の正筆書が出展され
「良弁杉」のお話の中の良弁様の文字を間近で見る事ができ
とっても嬉しく感激いたしました

初めて正倉院展協賛呈茶に参加させていただきました  
少しでも正倉院展を毎年開催されている奈良国立博物館に
呈茶で協賛する事ができ、私にとって幸いなこと

さて当日は、前日の雨が嘘のように晴れてくれました
呈茶席は八窓庵が見えるテラスでの立礼席

  

正倉院の校倉造りをイメ-ジされた素敵な棚で
お客様のご要望でお点前をさせていただきました

主菓子は大和郡山の「本家菊屋」の上用饅頭『花喰鳥
本家菊屋さんは400年以上前から続く奈良最古の菓子屋 
  

『花喰鳥』は花の枝をくわえた瑞鳥でササン朝ペルシアに
起源があり正倉院裂には多く馴染みの吉祥模様です
  残欠

抹茶は『聖の光』大和茶(山添村の川畑製茶園)で名前は
聖武天皇の『聖』、光明皇后の『光』に由来するそうです
茶碗は『奈良絵』大塩玉泉
  

奈良絵は室町時代の末期頃から江戸時代にかけてつくられた
絵草紙「奈良絵本」に描かれた絵を奈良絵と呼んでるようです
これは「過去現在因果経」にみられる大和絵を手本に古くは
江戸末期の赤膚焼名工奥田木白の茶碗がありますが
定義はよくわからないようです

ただ広く言えば
奈良のものを、奈良で描いたものが奈良絵らしいという方も

社中・お手伝いいただいた皆様のお蔭で正倉院展協賛呈茶席も
無事終わりやっと炉開きです