(1)「避難指示解除は、原発事故の加害者が被害者を切り捨て、責任放棄を狙ったものです。避難を早く終わらせて賠償を安くあげようとしているのです」
期日:2015年7月11日(土)
場所:福島市
行事名:「第3回福島を忘れない!全国シンポジウム」
主催者:反原発自治体議員・市民連盟
において、佐藤八郎・飯舘村会議員は、怒りを露わに100人の参加者に訴えた。
(2)「避難指示解除」とは、安倍政権が6月、福島県内の
「避難指示解除準備区域」
「居住制限区域」
の避難指示を2017年3月までに解除する方針を定めたもの。
これに伴って県は、「帰還困難区域」の外の避難者への
住宅無償提供を2017年3月で打ち切り、
政府も、
精神的損害賠償を2018年3月で終了させる。
(3)「区切りの2017年3月」まで1年8ヶ月。それまでに、避難指示を解除される被災地は、「人が暮らせる場所」になるのか。
飯舘村の場合、2014年春から環境省による除染作業が実施されているが、村の総面積のうち75%は山林、10%は河川・ため池で、計85%は除染計画がない。
「田んぼや宅地を除染しても、山林は手つかずだから、また線量が上がる。そんなところに戻ってこいというのです。飯舘村は人類史上初めてのモルモットになる」【佐藤村議】
「放射線管理区域」(放射線業務従事者以外の立ち入りを制限)・・・・5mSv/年
飯舘村・・・・20mSv/年(チェルノブイリ居住基準の4倍)
そんな飯舘村に住め、と安倍政権はいう。まさにモルモットだ。
(4)飯舘村には、いま至るところに、除染汚染物のフレコンバッグを5段積みにした巨大な黒い山ができている。
田んぼの土を表面から5cm剥ぎ取り、宅地も除染したというが、「そこだけ息ができる」という程度。フレコンバッグがいつ中間貯蔵施設へ運ばれるかも目処が立っていない。この黒い山の前で、誰が営農を再開するのか。【佐藤村議】
(5)葛尾村では、飯舘村より1年早く2013年に除染が始まり、来春、2期工事が終わる。
この村も一面フレコンバッグの山だ。1期工事だけで70万袋になった。
投入された除染費用は、550億円。さらに廃棄物仮設焼却施設の建築・運営・解体で380億円かかる。【松本靜男・葛尾村会議員】
合計930億円。全村480世帯だから、1世帯当たり2億円近く。それが安心して営農できる新しい農地の確保や営農資金に回されれば各農家の未来を拓くが、大半がゼネコンの「帰還利権」に消えていく。
政府の方針を受けて、葛尾村は来春の村民帰還を目指しているが、「帰ってくるとしてもお年寄りだけでしょう。このフレコンバッグの前で営農できますか」【松本村議】。
(6)フクシマで被災者切り捨てが進む一方、九州電力は7月10日、川内原発1号機の再稼働に向けて、原子炉に核燃料を装着する作業を終えた。
地元の鹿児島県と薩摩川内市では、「再稼働による経済活性化に期待が高まっている」とメディアは報じた。
「原発事故が起きたらどういうことになるか。再稼働に賛成する川内原発周辺の人には、ぜひここに来て現実を見てほしい」【菅野清一・川俣町会議員】
□山口正紀「被災者切り捨ての避難指示解除 ~人面とメディア 第787回~」(「週刊金曜日」2015年7月24日号)
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期日:2015年7月11日(土)
場所:福島市
行事名:「第3回福島を忘れない!全国シンポジウム」
主催者:反原発自治体議員・市民連盟
において、佐藤八郎・飯舘村会議員は、怒りを露わに100人の参加者に訴えた。
(2)「避難指示解除」とは、安倍政権が6月、福島県内の
「避難指示解除準備区域」
「居住制限区域」
の避難指示を2017年3月までに解除する方針を定めたもの。
これに伴って県は、「帰還困難区域」の外の避難者への
住宅無償提供を2017年3月で打ち切り、
政府も、
精神的損害賠償を2018年3月で終了させる。
(3)「区切りの2017年3月」まで1年8ヶ月。それまでに、避難指示を解除される被災地は、「人が暮らせる場所」になるのか。
飯舘村の場合、2014年春から環境省による除染作業が実施されているが、村の総面積のうち75%は山林、10%は河川・ため池で、計85%は除染計画がない。
「田んぼや宅地を除染しても、山林は手つかずだから、また線量が上がる。そんなところに戻ってこいというのです。飯舘村は人類史上初めてのモルモットになる」【佐藤村議】
「放射線管理区域」(放射線業務従事者以外の立ち入りを制限)・・・・5mSv/年
飯舘村・・・・20mSv/年(チェルノブイリ居住基準の4倍)
そんな飯舘村に住め、と安倍政権はいう。まさにモルモットだ。
(4)飯舘村には、いま至るところに、除染汚染物のフレコンバッグを5段積みにした巨大な黒い山ができている。
田んぼの土を表面から5cm剥ぎ取り、宅地も除染したというが、「そこだけ息ができる」という程度。フレコンバッグがいつ中間貯蔵施設へ運ばれるかも目処が立っていない。この黒い山の前で、誰が営農を再開するのか。【佐藤村議】
(5)葛尾村では、飯舘村より1年早く2013年に除染が始まり、来春、2期工事が終わる。
この村も一面フレコンバッグの山だ。1期工事だけで70万袋になった。
投入された除染費用は、550億円。さらに廃棄物仮設焼却施設の建築・運営・解体で380億円かかる。【松本靜男・葛尾村会議員】
合計930億円。全村480世帯だから、1世帯当たり2億円近く。それが安心して営農できる新しい農地の確保や営農資金に回されれば各農家の未来を拓くが、大半がゼネコンの「帰還利権」に消えていく。
政府の方針を受けて、葛尾村は来春の村民帰還を目指しているが、「帰ってくるとしてもお年寄りだけでしょう。このフレコンバッグの前で営農できますか」【松本村議】。
(6)フクシマで被災者切り捨てが進む一方、九州電力は7月10日、川内原発1号機の再稼働に向けて、原子炉に核燃料を装着する作業を終えた。
地元の鹿児島県と薩摩川内市では、「再稼働による経済活性化に期待が高まっている」とメディアは報じた。
「原発事故が起きたらどういうことになるか。再稼働に賛成する川内原発周辺の人には、ぜひここに来て現実を見てほしい」【菅野清一・川俣町会議員】
□山口正紀「被災者切り捨ての避難指示解除 ~人面とメディア 第787回~」(「週刊金曜日」2015年7月24日号)
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