(1)東芝が長年にわたって利益の水増しや損失隠しを繰り返していたことが明らかになった。不正会計の責任をとって、
田中久雄・社長
佐々木則夫・副会長/前社長
西田厚聡・相談役/元社長
の歴代トップ3人が7月31日付けで辞任、16人の取締役中8人が同日付けで辞任。この異常事態に、東芝は危機的状況に陥っている。
(2)2008年度から2014年度(4-12月)までに、東芝は税引き前利益で総額1,518億円を水増しした。社内調査で発覚した44億円を含めると、利益操作した額は1,562億円に達する。「経営トップらを含めた組織的な関与があった」【東芝が委託した第三者委員会の報告書】
「日本を代表する会社が(不正会計を)組織的にやっていたかと衝撃を受けている」【上田広一・第三者委員会委員長/元東京高検検事長】
東芝の利益操作は、
西田社長時代(2005年6月~09年6月) 開始
佐々木社長時代(2009年6月~13年6月) 拡大(リーマン・ショックで落ち込んだ業績の立て直し)
高い収益目標を「チャレンジ」と称し、経営トップが「チャレンジ」の達成を現場に強く迫った結果、利益の水増しが横行するようになった。
<例>佐々木社長・・・・営業利益の目標を示したパソコン事業部を「全くダメ、やり直し」と叱咤し、3日間で利益を120億円改善すうるよう強く求めたこともあった。
(3)不正会計の主役=佐々木社長は、政府の要職に就いた。第二次安倍政権が発足してすぐ、経済財政諮問会議の民間議員に就任。経済財政諮問会議を外れた2014年9月からは、産業競争力会議のメンバーだ。
安倍政権が設けた産業競争力会議は、経済財政諮問会議と連携し、「残業代ゼロ」制度の導入など、経営者サイドが欲する政策を次々打ち出してきた。
両会議で活躍した佐々木則夫は、安倍政権のブレーンなのだ。
佐々木則夫は、結局、不正会計の責任をとる形で、産業競争力会議の委員を辞任した。
(4)じつは、産業競争力会議のメンバーとなっている経営者がらみの不祥事は、佐々木則夫が初めてではない。
佐藤康博・みずほファイナンシャルグループ社長は、みずほ銀行が暴力団に融資していた問題が発覚して、産業競争力会議の委員を辞任した。
長谷川閑史・武田薬品工業会長(当時)は、産業競争力会議の委員在任中、武田薬品工業が降圧剤「ブロプレス」の広告で臨床研究データを不適切に使っていた問題が発覚した。委員は続けたものの、武田薬品工業は厚生労働省から行政処分を受け、長谷川閑史は日本製薬工業協会の副会長を解任された。
(5)グローバル企業での経営手腕を買われて産業競争力会議入りした佐々木則夫の突然の委員辞任で、安倍政権が重用する企業人の資質に改めて疑問符がつくことになった。
東芝の利益至上主義は、アベノミクスの精神そのものだ。
東芝の利益至上主義が不正会計とその隠蔽をもたらしたとすれば、アベノミクスにも不正な情報操作が推定される。
□佐々木実「東芝「不正会計」の主役は安倍ブレーン 産業競争力会議の人選に疑問符」(「週刊金曜日」2015年7月31日号)
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田中久雄・社長
佐々木則夫・副会長/前社長
西田厚聡・相談役/元社長
の歴代トップ3人が7月31日付けで辞任、16人の取締役中8人が同日付けで辞任。この異常事態に、東芝は危機的状況に陥っている。
(2)2008年度から2014年度(4-12月)までに、東芝は税引き前利益で総額1,518億円を水増しした。社内調査で発覚した44億円を含めると、利益操作した額は1,562億円に達する。「経営トップらを含めた組織的な関与があった」【東芝が委託した第三者委員会の報告書】
「日本を代表する会社が(不正会計を)組織的にやっていたかと衝撃を受けている」【上田広一・第三者委員会委員長/元東京高検検事長】
東芝の利益操作は、
西田社長時代(2005年6月~09年6月) 開始
佐々木社長時代(2009年6月~13年6月) 拡大(リーマン・ショックで落ち込んだ業績の立て直し)
高い収益目標を「チャレンジ」と称し、経営トップが「チャレンジ」の達成を現場に強く迫った結果、利益の水増しが横行するようになった。
<例>佐々木社長・・・・営業利益の目標を示したパソコン事業部を「全くダメ、やり直し」と叱咤し、3日間で利益を120億円改善すうるよう強く求めたこともあった。
(3)不正会計の主役=佐々木社長は、政府の要職に就いた。第二次安倍政権が発足してすぐ、経済財政諮問会議の民間議員に就任。経済財政諮問会議を外れた2014年9月からは、産業競争力会議のメンバーだ。
安倍政権が設けた産業競争力会議は、経済財政諮問会議と連携し、「残業代ゼロ」制度の導入など、経営者サイドが欲する政策を次々打ち出してきた。
両会議で活躍した佐々木則夫は、安倍政権のブレーンなのだ。
佐々木則夫は、結局、不正会計の責任をとる形で、産業競争力会議の委員を辞任した。
(4)じつは、産業競争力会議のメンバーとなっている経営者がらみの不祥事は、佐々木則夫が初めてではない。
佐藤康博・みずほファイナンシャルグループ社長は、みずほ銀行が暴力団に融資していた問題が発覚して、産業競争力会議の委員を辞任した。
長谷川閑史・武田薬品工業会長(当時)は、産業競争力会議の委員在任中、武田薬品工業が降圧剤「ブロプレス」の広告で臨床研究データを不適切に使っていた問題が発覚した。委員は続けたものの、武田薬品工業は厚生労働省から行政処分を受け、長谷川閑史は日本製薬工業協会の副会長を解任された。
(5)グローバル企業での経営手腕を買われて産業競争力会議入りした佐々木則夫の突然の委員辞任で、安倍政権が重用する企業人の資質に改めて疑問符がつくことになった。
東芝の利益至上主義は、アベノミクスの精神そのものだ。
東芝の利益至上主義が不正会計とその隠蔽をもたらしたとすれば、アベノミクスにも不正な情報操作が推定される。
□佐々木実「東芝「不正会計」の主役は安倍ブレーン 産業競争力会議の人選に疑問符」(「週刊金曜日」2015年7月31日号)
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