(1)有効求人倍率は24年ぶりの高い水準となっています。それも都会だけの現象ではありません。就業地別で見れば、北海道から沖縄まで47の都道府県全て1倍を超えました。これは史上初めての出来事であります。
⇒2013年1月(第二次安倍政権発足直後)と2016年4月を比較すると、有効求人数は201万人から251万人に増えているが、有効求職者数は239万人から187万人へと20%も激減。求職者の数が減ったから、数字上、有効求人倍率が上昇しただけ。しかも、この3年3ヶ月間、ハローワークを通じて就職できたのは、2万9,000件減少。うち、正社員に関しては就職件数が約9,000件減少し、有効求人倍率も2016年4月で0.85倍だ。正規雇用は、求職者を下回る求人数しかない。
(2)リーマンショック以来、減少の一途をたどっていた正規雇用は昨年、8年ぶりに増加に転じ、26万人増えました。
⇒2015年末の正規雇用者は、3,307万人。2014年末は3,281万人だから、たしかに26万人増えている。だが、民主党政権時代の2010年末と比較して、23万人の減少だ。逆に、生涯賃金が正規雇用の3分の1という低賃金の非正規雇用が、2012年末から2015年末まで172万人も増えている。
(3)政権交代から中小企業の倒産も3割減少しています。ここまで倒産が減ったのは、25年ぶりのことでえあります。
⇒意図的に、倒産と見なされない経営悪化などによる休廃業数を除外している。中小企業数は、2012年から2年間でえ、実に4万4,000社も減少している。
(4)所得アップについても、連合の調査によれば、中小企業も含めて、一昨年、昨年に続き、今年の春も3年連続で、今世紀に入って最も高い水準の賃上げを実現することができました。今世紀に入って最も高い水準であります。それを実現することができたのです。
⇒連合の春闘回答は、4,700組合に限定されている。しかも、連合が集計した2016年の平均賃上げ率は2%で、昨年より低い水準だ。加えて、実質賃金指数は2011年度から2015年度までえ5年も連続して減少し続け、今や1990年度以来最低の水準にまで落ち込んでいる。しかも、2012年から2014年にかけて年収200万円以下のワーキングプアは49.2万人も増大し、勤労者の貧困化をさらに進めている。
(5)3年間のアベノミクスによって、国・地方を合わせて税収は21兆円増えました。(消費税率引き上げの)2年半の延期によって、その間にアベノミクスをもう一段加速する。
⇒21兆円増大というが、そこには首相が2014年4月に強行した8%消費税率引き上げによる9兆円の増加分を含んでいる。自身が消費税率を上げれば、税収が増大するのは当然だ。しかも、この数字は、2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災によって税収が異常に落ち込んだ2012年度(78兆7千億円)と、2016年度(99兆5千億円)との比較にすぎない。リーマンショック前の2007年度は95兆3千億円だから、2016年度の税収(99兆5千億円)は消費税の引き上げ分(9兆円)を差し引くと90兆5千億円になって、2007年度以下の数字になる。「加速」どころか、「減退」だ。
□植草一秀(経済評論家)「さらばアベノミクス 数字で見る日本経済の悪化」(「週刊金曜日」2016年7月1日号)の資料編
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⇒2013年1月(第二次安倍政権発足直後)と2016年4月を比較すると、有効求人数は201万人から251万人に増えているが、有効求職者数は239万人から187万人へと20%も激減。求職者の数が減ったから、数字上、有効求人倍率が上昇しただけ。しかも、この3年3ヶ月間、ハローワークを通じて就職できたのは、2万9,000件減少。うち、正社員に関しては就職件数が約9,000件減少し、有効求人倍率も2016年4月で0.85倍だ。正規雇用は、求職者を下回る求人数しかない。
(2)リーマンショック以来、減少の一途をたどっていた正規雇用は昨年、8年ぶりに増加に転じ、26万人増えました。
⇒2015年末の正規雇用者は、3,307万人。2014年末は3,281万人だから、たしかに26万人増えている。だが、民主党政権時代の2010年末と比較して、23万人の減少だ。逆に、生涯賃金が正規雇用の3分の1という低賃金の非正規雇用が、2012年末から2015年末まで172万人も増えている。
(3)政権交代から中小企業の倒産も3割減少しています。ここまで倒産が減ったのは、25年ぶりのことでえあります。
⇒意図的に、倒産と見なされない経営悪化などによる休廃業数を除外している。中小企業数は、2012年から2年間でえ、実に4万4,000社も減少している。
(4)所得アップについても、連合の調査によれば、中小企業も含めて、一昨年、昨年に続き、今年の春も3年連続で、今世紀に入って最も高い水準の賃上げを実現することができました。今世紀に入って最も高い水準であります。それを実現することができたのです。
⇒連合の春闘回答は、4,700組合に限定されている。しかも、連合が集計した2016年の平均賃上げ率は2%で、昨年より低い水準だ。加えて、実質賃金指数は2011年度から2015年度までえ5年も連続して減少し続け、今や1990年度以来最低の水準にまで落ち込んでいる。しかも、2012年から2014年にかけて年収200万円以下のワーキングプアは49.2万人も増大し、勤労者の貧困化をさらに進めている。
(5)3年間のアベノミクスによって、国・地方を合わせて税収は21兆円増えました。(消費税率引き上げの)2年半の延期によって、その間にアベノミクスをもう一段加速する。
⇒21兆円増大というが、そこには首相が2014年4月に強行した8%消費税率引き上げによる9兆円の増加分を含んでいる。自身が消費税率を上げれば、税収が増大するのは当然だ。しかも、この数字は、2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災によって税収が異常に落ち込んだ2012年度(78兆7千億円)と、2016年度(99兆5千億円)との比較にすぎない。リーマンショック前の2007年度は95兆3千億円だから、2016年度の税収(99兆5千億円)は消費税の引き上げ分(9兆円)を差し引くと90兆5千億円になって、2007年度以下の数字になる。「加速」どころか、「減退」だ。
□植草一秀(経済評論家)「さらばアベノミクス 数字で見る日本経済の悪化」(「週刊金曜日」2016年7月1日号)の資料編
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