カルテ番号 し・6 (7)
風間陽水は手を当てたまま小声で話した。
病室には他の患者もいるのだ。
「病には幾つかの役目があります」
「役目?ですか」
「単に不遇な出来事ではないのです。
例えば病によって以後の本人の生き方が変わり、輝くことがあります。
また、家族との絆が強まるのはよくあります」
彼女はずっと黙ったままだった。
「病は回復だけが目的ではなく、回復を上回る素敵な出来事をもたらします。
病によって幸せをつかむ事が多々あるのですよ。
指定難病のギランバレーですが、難病には特にその傾向があるようです」
それまで黙っていた彼女が口を開いた。
「私、最近ではずっとそう思えるようになっていました。
以前は治る事ばかり考えていましたが、今は違うのです。
あきらめではなく、治らなくてもいいかな?と思う事もあります」
風間陽水は優しく見つめた。
「やはりそうですね。よかった。勘違いでなくて」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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