水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 し・6 (14)
風間陽水は彼女の足に触れて言った。
「これからは清水さんが触れて下さい」
「僕は気功はもちろん、マッサージもしたことがないけど」
「大丈夫。清水さんしか出来ないこともあるのですよ」
そして彼女に言った。
「今、触られてどんな感じがしますか?」
「とても温かく気持ちがいいです」
「その感覚が大切ですからね」
陽水は清水健二に言った。
「まず、マッサージとか気功とかしようと思わないで下さい。
極端にいえば、自分が彼女の足を治そうなんて思わないで下さい。
力は出来る限り入れない。そっと、そっと触れる程度。
そっと触れようとすると、かなり気を使います。
その氣が大切なのです。
大切な彼女が眠っていると思い、起こさない程度の触れ方です。
極端に優しく手をゆっくり動かして、足全体を温めるように」
陽水に言われて健二が触ってみる。
「力を入れない、そっと触るというのは難しいですね」
「そう、ほとんどの技に共通ですが、優しくする方が難しいのです。
そして、優しくするのは共通して回復力が強いのです。
でも清水さんは出来ますよ。彼女が大切なのでしょ」
彼女が笑って言った。
「健二さん、なんか、ぎこちない」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始)
カルテ番号 し・6 (13)
病室に戻った二人は彼女を車いすに乗せ、エレベーターで屋上まで連れて行った。
幸い屋上には誰もいなかった。
風間陽水は清水健二に病室で待っていると耳打ちし、二人きりにした。
15分後、あきらかに雰囲気が明るい二人が病室に戻ってきた。
ベッド周りをカーテンで仕切り、彼女をベッドに移した。
陽水は彼女に言った。
「何か聞きたい事はありますか?」
「私、まだこんな身体ですが、いいのでしょうか?」
「身体が自由、不自由は関係ありません。
心や性格が不自由な人はほとんどの人に当てはまります。
心や性格は隠せますから、身体の不自由な人よりも性質が悪いともいえます。
身体が不自由なままでも問題ありませんが、この足は回復しますよ」
そこで彼女は初めて声を出さずに泣いた。
「ありがとうございます。とても、とても嬉しいです」
陽水は健二に向かって微笑んだ。
「さぁ、これからの回復法を簡単に説明しますね。
もうほとんど終わっているようなものですが、少しだけコツがあります。
それは清水さんのお母さんや周りの人へも、いい影響となります」
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