カルテ番号 め・3(8)
「ごめん下さい。予約していた明木です」
「どうぞ、上がって下さい」
院長は思ったより若かった。
そして、思ったより普通だった。
もっと、人並み外れた仙人のような人を想像していた。
髪も普通だし、髭も生やしていない。
「運転、大丈夫でしたか?」
「はい。以前なら考えられない事でした。
あの・・・その節は、本当にありがとうございました」
やっと、直接お礼が言えた。
「そうでしたね。
家から出られない状態だったのでしたね。
よく、続けていましたね。
御自分で、克服したのですよ。立派ですよ」
その言葉で、礼子はまた涙がこぼれてしまった。
そうなのだ。
この10年間の事を知っているのは、この院長だけなのだ。
礼子は、一言お礼を言うのが、一つの目的で来たと思っていた。
ところが、一言、褒めてもらうのも、秘かな目的だと気づいた。
お礼も言うのも、褒めてもらうのも、とても嬉しい。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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