水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・753」

2015-11-17 19:02:55 | Weblog



カルテ番号 め・3(1)

明木礼子はやっと念願を果たす時が来た、と感じていた。
この10年間、毎日、忘れた事は無かった。
10年前とは違う。
どうどうと会える。
嬉しさ、だと思うが、胸がドキドキするようだった。
そして、電話した。
それは、初めての電話。

「はい、氣功療法院です」
電話の向こうの声は、思ったよりも若かった。
初めての声を聞いたのだ。
「先生・・・私・・・」
どうしたのだろう。
10年経って、60歳も過ぎた。
気負っているわけでもない。
落ち着いている、と思っていた。

「どうされました?」
電話の向こうで、ゆっくりと優しく訊ねている。
「あの・・・私・・・」
言葉が続かない。
そして、涙が出てきた。
「ゆっくりでいいですよ。待っていますから」
話せるまで、実際は数分だと思うが、礼子はとても長く感じた。

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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