陽が落ちて、島根半島沖の水平線の彼方に、横一線に
明々と燃える幻想的な「漁火」。
今がイカ釣り漁の最盛期なのでしょうか。
空気が澄むこれから冬にかけての風物詩、暗い海を照
らす青白い光は、ほんとうに綺麗です。
この遠くから眺める漁火は、まさに癒しの灯ですが、あ
の船団の中で眺めると、集魚灯の光の下で海の男達が
立ち働く姿が浮かび上がり、とても勇壮な光景に変わり
ます。
若い頃、イカ釣り船で漁に連れて行ってもらった頃を思
い出し、好きな歌を一つ・・・
石狩挽歌 / 北原ミレイ
1・海猫が鳴くから ニシンが来ると
赤い筒袖の ヤン衆がさわぐ
雪に埋もれた 番屋の隅で
わたしゃ夜通し 飯を焚く
あれから ニシンは どこへ行ったやら
破れた網は 問い刺し網か
今じゃ 浜辺で
オンボロロ オンボロボロロー
沖を通るは 笠戸丸
わたしゃ涙で ニシン曇りの
空を見る
2・燃えろ篝火 朝里の浜に
海は銀色 ニシンの色よ
ソーラン節に 頬そめながら
わたしゃ大漁の 網を曳く
あれから ニシンは どこへ行ったやら
オタモイ岬の ニシン御殿も
今じゃ さびれて
オンボロロ オンボロボロロー
かわらぬものは 古代文字
わたしゃ涙で 娘ざかりの
夢を見る
~今日も良い一日を~