海から吹き上げる潮風を受けながら、断崖の岩場にしがみつく様に咲くオニユリの花、真夏の強い
日差しを受けながら揺れています。
うつむき加減に、強い曲線を描いて反り返った花びらを、ステージ代わりに黒いアゲハ蝶が、花か
ら花へ軽やかに舞い移っています。
『オニユリ』と言うちょっと怖い名前ですが、これは”赤い顔に黒い斑点”そんな花が、赤鬼に似てい
るからとの一説がある様ですが、”鬼”自体が架空の生き物であり、そんなイメージの花と言うとこ
ろでしょうか。
新潟県にはオニユリ(山百合)のこんな民話があるとか・・・・・・
昔、むかし或るところに、馬を飼い、田畑を耕して暮らしている青年がいました。
青年は朝早く山に草刈りに出掛け、いい声で鼻歌を歌いながら草刈りをしていました。
或る晩のこと、綺麗な娘が青年の家にやって来て、一晩だけ泊めてくれるようにと頼みました。
青年は娘をもてなすことができそうになかったので、一度は断わりましたが、娘が「私がご飯を炊
いたり料理をしますから・・・」と懇願するので、結局は泊めることにしました。
娘は毎朝早起きして食事の支度をしているうちに、月日が経ちとうとう青年の嫁になりました。
嫁は働き者で青年は幸せでした。
或る日、青年が馬小屋で馬に草をやっていると、草の中からきれいなヤマユリ(オニユリ)の花が1
本出てきました。
青年は山百合の花を嫁に見せようと思い、嫁を呼びましたが返事がありません。 嫁を捜しに青年
が家に入ると、嫁が座敷の真ん中で倒れているのを見つけました。
嫁は青年に・・・・・
「私はヤマユリ(オニユリ)の花。 あなたが毎日山で草刈りをしながら歌っているのを聞いて、あな
たと一緒に暮らしたいと思っていた。 その思いがかなって今まで一緒に暮らして来ましたが、今日
あなたに刈り取られてしまったので、私はもう死んでしまいます。 今まで有難う御座いました。」
赤いユリ(百合)の花は、萎れて枯れてしまったそうです。
~今日も良い一日でありますように~
今日は凄く暑いから、散歩は無理なのかな~
~リタ・クーリッジで「あなたしか見えない」をどうぞ~