昔懐かしい名作洋画、「第三の男」をレンタルしてきました。 ~第三の男・オーソン・ウェルズ~
キャロル・リード監督(1949年・イギリス)の「第三の男」は、映画史に燦然と輝く名作中の名作で、ラストシーン
は、映画ファンの記憶に鮮やかに焼き付いています。
映画は、アメリカ人作家(ジョゼフ・コットン)が、古い友人(オーソン・ウェルズ)の招待を受けて、第二次世界大
戦後の、四国統治下(米英仏ソ)のウィーンを訪れるシーンから始まります。
ホテルに着いた作家は、友人には会えず、その友人の葬儀が行われることを知り、突然のことで戸惑いながら
も葬儀に参列し、友人の仲間らしき男達や治安警察官と出会います。
友人の死に疑問を持ち、友人の悪い噂を耳にした作家は、「彼はそんな男ではない」と反発し、調べて行くうち
に作家は、友人が巻きこまれた交通事故の現場には、関係者の他に「第三の男」が居合わせたことを知る。
この物語は、交通事故でカモフラージュされた、友人の失踪の真相を突き詰めて行くストーリーとなっており、謎
解きには、治安警察や美しい女(アリダ・ヴァリ)、友人を知る人々がが絡みながら、徐々に友人(第三の男オー
ソン・ウェルズ)の正体(闇商人)が暴かれて行くにつれて、作家の心に友人への憎しみが沸き、自分の心に刻み
込まれた傷は、一生消せないと感じてゆきます・・・・作家は、治安警察に協力して、友人(第三の男)を逮捕する
ため、罠を仕掛けます・・・・
「第三の男」は、モノクロの光と影の織りなすスクリーンによって、物語の闇の部分・心理・緊張感・謎が一層効果
的に演出された映画だと思います。(カラーでは、決してこうは表現出来ないでしょう!)
第三の男(オーソン・ウェルズ)が、真暗闇から登場するシーンには、圧倒的な緊迫感と存在感があります。
また、作家が友人と言葉を交わす観覧車のシーンや、治安警察と共に友人を追い詰め、遂に作家の手により射
殺される、下水道での追跡劇は圧巻、まさに映画史に残る名場面だと思います。
そして、何と言ってもこの映画は「ラストシーン」でしょう。
劇中で作家の心の変化を描いた後に、並木道に佇む作家の横を、美しい女が遠くから段々と近付いて来て、無言
で通り過ぎて行く姿を映し、映画は終わります。
(一人の男が失った友情と、一人の女が失うことのなかった「第三の男」への愛が、鮮やかに交錯しています。
~ラストシーンの映像~
~今日も良い一日であります様に~