6月20日夜から21日未明の記録的な大雨で、熊本県内では6人の死者が出るなど九州では被害が相次いだ。先週は介護で山口に帰省中だったが、山陽小野田市でも22日夕方から雨足がひどくなり、午後6時頃には時間50㎜の猛烈な雨になっていた。午後7時30分には厚狭地区北部に避難勧告が発令された。ここで咄嗟に6年前の厚狭豪雨水害が蘇ってきた。厚狭川は大丈夫か。山口県の防災サイトを見ると、日付けが変わる頃には氾濫注意水位(警戒水位)までわずか20㎝、氾濫危険水位(特別警戒水位)手前1.5mのところまで水位が上昇していた。幸いなことに23日未明から雨は小降りになったので大事には至らなかったが、あと数時間、大雨が続いていたらどうなっていたかわからない。(下グラフ参照)
2010年(平成22年)7月の厚狭豪雨水害では死者は出なかったものの、厚狭川が氾濫するなど多くの被害が出た。その後、平成23年から厚狭川河道の掘削や拡幅工事など洪水による浸水被害を軽減させるための整備事業が進められていた。今年3月には、厚狭川に架かる「鴨橋」の架け替え工事が無事終了し、5年に及ぶ整備事業が完了したばかりだった。22日、上流域ではすでに危険水位を超えていたが、厚狭大橋あたりでは1.5mほど余裕があった。まさに、河川改修工事が功を奏した。
翌日、帰路時、厚狭川を見ると水は濁っていたが、水位は半分近くまで下がっていた。色々と小言を言っていたが、この日は(時間がなく写真は撮れなかったが)「新鴨橋」が頼もしく見えた。山口県が言っていたとおり、橋は災害に強い橋に生まれ変わっていた。それにしても、ここ数年、水害のない年はないといっていいほど集中豪雨による被害が続いている。地球温暖化だけでなく都市部におけるヒートアイランド現象が大きく影響しているのだろう。このような状況だから、いつでも迅速に行動できるよう防災の意識や知識をしっかり身に着けて、その時に備えなければならない。
撮影日:2010年7月18日(豪雨水害の3日後に帰省して撮ったもの)
鴨橋
新橋
被害を受けた厚狭のまち
《関連記事》
・厚狭川はんらん3306世帯に避難指示(宇部日報社 2010.7.15)
・厚狭川西側で床下浸水680世帯(宇部日報社 2010.7.16)
《関連資料》
・国土地理院HP。JR厚狭駅周辺の洪水氾濫地域の地形(2010.7.16)
・国総研HP。山口県山陽小野田市厚狭川 氾濫浸水被害調査報告(2010.7.29)
《動画》
※氾濫寸前の様子が映し出されている