今年のくじゅうミヤマキリシマは虫害もなく良好で、特に扇ヶ鼻は近年にない咲きっぷりとの情報もあったが、久しぶりの山行となるのでショートコースで大船山をめざすことにした。このコース(ガラン台コース)の中腹には、岡藩3代藩主中川久清が眠る入山公墓がある。今年はその生誕400年の記念の年ということもあり、老朽化した石垣や参道石段の修復工事が行われることになっている。墓は見ていないが、登山道にはすでに案内板が整備されていた。
大船山のミヤマキリシマは、中腹あたりでそろそろ終焉を迎えていたが、山頂直下では満開のミヤマが一面に広がっていた。それでも昔と比べるとずいぶん数は少なくなった。代わって増えているのがノリウツギ。(樹液を糊に使っていたのでこの名がついた)平治岳では、所有者である九電がミヤマキリシマの植生保護のため、ノリウツギやアセビなどを伐採しているのでそうでもないが、大船山では人の手があまり入らないせいか、ここ数年ノリウツギの繁殖が著しい。そのため中腹あたりから標高の低いところではミヤマが激減しており、植生が変わったように感じる。
九電といえば、平成25年から平治岳北部で地熱調査を行っている。進捗状況が気になっていたが、帰路、平治岳の麓を通りかかったところで大きな櫓が見えた。おそらく構造試錐井の掘削がはじまっているのではないだろうか。近くまで行くことができないので何とも不明だが。
今年は熊本地震という未曽有の災害に見舞われた九州。それでも山には多くの登山者が戻っていた。自然は時に残酷だが、人間はそれに癒されながら生きている。美しいくじゅうの山々を見つつ、平穏な日が早く訪れますようにと願った。
6月11日撮影
中央に※米窪(火口)、左縁に段原、背後に平治岳
※約2000年前米窪火口で爆発的噴火、玄武岩質のスコリアを噴出
ガラン台から入山
入山公墓入口
新しく設置された案内板
中腹あたり、終焉
庭園風
蔓延るノリウツギ(標高1500m付近)
ツクシドウダンも満開(標高1600m付近)
シロドウダン、秋は葉の紅葉が美しい(標高1600m付近)
山頂はガスに包まれて
山頂から平治岳を望む
山頂直下の岩場
ひっそりと
白いミヤマ(山頂直下)
咲き誇る(山頂直下)
ガスに包まれた三俣山 坊がつるにはテントが20張くらいかな
~今回、出会った花たち~
ゴマギ(ガラン台付近)
ヤマアジサイ(ガラン台付近)
シシウド(ガラン台付近)
ツクシアザミ(ガラン台付近)
シライトソウ(標高1200m付近)
オオナルコユリ(標高1200m付近)
ベニバナニシキウツギ(標高1400m付近)
マムシソウ(標高1400m付近)
マイズルソウ(標高1600m付近)
愛らしい
~おまけ~
アワフキムシの幼虫が入ってる?
正体不明(大船山山頂)
九電、地熱調査中
《関連記事》
・入山公墓を改修 竹田市教委(大分合同新聞 2016.2.12)
《参考》