呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

訳アリで山暮らしから都会に戻ったオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気オヤジの読書感想文・子の5 「約束」

2008-03-12 | 本の話
約束 (角川文庫 い 60-1)
石田 衣良
角川書店

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♪「約束」石田衣良著 角川文庫

ついこの前、石田衣良の小節は今後読むか分からない・・・などと偉そうに言ったのに
その舌の根も乾かぬうちに「約束」を買ってしまった。
やっぱり石田が「池袋ウエスト・・・」以外にはどういう話を書くのかに興味があったから。

角川としては「絶対泣ける短編集!」を謳い文句にしていたようだが、僕は泣けなかった。
あまり集中して読まなかったせいもあるかもしれない。
でも「泣ける」材料やストーリーが満載なんだけど、なぜか僕の琴線には触れなかった。
何でだろう・・・。僕の琴の弦が錆びついてきたか?
なんか薄い感じがするんだな。
ストーリーそのものは、ある意味平凡でどこにでもあるものばかり。
自分の身代わりに通り魔に刺されて死んでしまう小学生。
ある日突然心因性の難聴に罹り、ベルの音以外は何も聞こえなくなる少年。交通事故で死亡した父親の電話のベルだけは聞こえる。
若くして夫をがんで亡くし、思い出の桜を見に来る失意の妻・・・。

材料は揃っているんだけどね。
こういうどこにでもありそうな材料で読者の心をグサっと抉るためには「意外性」も必要だ。
「えぇ~、そういうことなの?」「そう来るのかよぉ~!」という一種のサプライズがないと琴線が掻き鳴らされないんだ。
石田はそれをせずに、どの物語もサラッと流した。
僕が少しゾクッとしたのは「ひとり桜」と「ハートストーン」
「ひとり桜」は上記の未亡人と、人知れず咲く一本の桜に魅せられた中年カメラマンの淡い恋物語。
亡き夫は、そのカメラマンが撮った桜の写真がお気に入りだった。
「ハートストーン」は悪性脳腫瘍に犯される10歳の少年と両親の話。
どっちもがんに侵された病人が出てくる。病気の話や病院の描写には未だにナーバスになってしまう。

それ以外はイマイチ感じない。
やっぱり弦が寂びついているのかも知れない・・・。

PS)
ブロ友優香さんから「IWGP」シリーズをいただくことになった。
この前続きは読まないかも、とか言っていたが、いただけるんならちゃんと読みますよ!
自分のお金を出して本を買ってまで読みたいかは別だけど。
優香さん、ありがとう。宜しくね!
コメント (4)
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