僕は幼い頃より、生き物がだあ~い好きなものの
浅草じゃ周りに何もいない。
いるにはいるが、種類が少ない。
それでも、下町のおばあちゃんは
家の前に植木を並べるから(鉢森、と呼ぶ)
隣のクチナシにはオオスカシバという可憐な蛾が舞っていた。
あとは、アリ、ダンゴ虫、ヤスデ、ワラジ虫、
ゴキブリ、カマドウマ、公園にシジミチョウとセセリチョウ
サンショにアゲハ、夏はセミのみ、そんなものだ。
捕まえたり、家で飼いたくなるものはいないから
縁日やペットショップで買ってきて
部屋やベランダに水槽や小屋を並べて飼っていた。
カブト虫、金魚、メダカ、タナゴ、ドジョウ
九官鳥、ウズラ、カナリア、十姉妹、インコ、チャボ
ザリガニ、カエル、イモリ、カメ・・・
しかし、20歳を過ぎたころ、風呂敷を使いはじめたころから
植物の魅力に惹かれてきた。
何より、植物環境が整うと生き物自らがやって来る。
屋上やベランダでイネ、小麦、大豆、藍、よもぎ、はこべ
サカキ、クヌギ(自然に発芽)、コナラ、ブナ、くるみ
アサザ(睡蓮)、ガマ(自然に発芽)、どくだみ、雪ノ下
キンカン、ジャスミン、みょうが、アロエ、小松菜
ローズマリー、パクチー、つゆくさなど徐々に増えていった。
ここには、鳥やトンボ、ゲンゴロウ、蜜蜂、黄金虫、
カンタン、ヤモリがやって来た。
野菜くずを放っておけば、ダンゴ虫や微生物がどんどん分解する。
実家はお店とつながったビルで、地面の庭が無かったため
庭のある家に憧れた。今の小平の借家は平屋で
縁側と坪庭があるため、いまだ新鮮な感動がある。
もし自分で家を建てるなら、家の内部以上に
外に関心が向く。
家の
北に樫の木
西に夏みかん、柿、栗
南に桑、桐
東にヨシとイネ、小麦、大豆、野菜畑
生垣は茶など。ちょくちょく摘んで飲む。
下草に、アジサイ、南天、サンショ、雪ノ下、どくだみなど
北の樫は風よけ
北西の夏みかんは風よけと食用
西の柿は渋柿にして、柿渋染めと干し柿
南西の栗は食用
東のヨシ、イネの水源は台所の排水を生かす
南東の畑は食用
南の桑は、葉を茶にしたり実を食べる。桐はいつかタンスかな。
そして、庭全体が人と生き物の居場所になる。
トンボがいっぱい飛ぶといい。
日本は別名「秋津島」というくらい(アキツはとんぼ)
トンボの群れる水の国だから。
上野の不忍池も、大食らいの鯉(もちろんヤゴも飲み込む)
がいなければ、トンボ天国になるかもね。
鯉は鯉で囲って、蓮池には入れないようにする。
また、蓮池の中央には、ヨシの繁る浅瀬も造る。
全て蓮ではなく、手前には稲も育ててほしい。
こうして、豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)の風が吹く。
家の、縁の下は忍者やアオダイショウが入れるようにする。
庭にも石や落ち葉や木っ端を積んだ様々な隠れ場を用意したい。
生き物たちは、自分を守るものを守ってくれる。
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