増訂しました。
賛 [贊] サン・たすける 貝部 zàn
上は賛サン、下は先セン
解字 上の賛の篆文および旧字は贊で「貝(財貨)+兟シン」の会意。兟は先セン(進む足さき)を二つ並べ「そろって進む」意。下図の先の甲骨文字は人の上の横線に止(あし⇒ゆく)をのせた形で、人より先にゆく意。贊の先の字は篆文第二字で同じ形をしている。
旧字の贊は、兟に貝(財貨)を加えて贊サンとなり、財貨を持ちそろって進み、相手にお目にかかって贈ること。転じて相手を、たすける・たたえる・ほめる意となる。新字体は旧字の兟⇒夫夫に変化した。夫に変わっても「夫(おとこ)二人が貝(財貨)を差し出してたすける」と解釈することができる。
意味 (1)たすける(賛ける)。力を添える。「賛助サンジョ」「協賛キョウサン」「賛画サンカク」(計画をたすける)(2)同意する。「賛成サンセイ」「賛同サンドウ」(3)ほめる(賛める)。たたえる(賛える)。「賛美サンビ=讃美)」(ほめたたえる)「賛辞サンジ」(ほめことば)
イメージ
「たすける」(賛・纘)
意味(3)の「たたえる」(讃)
「形声字」(攢・鑽)
音の変化 サン:賛・讃・纘・攢・鑽
たすける
纘 サン・つぐ 糸部 zuǎn
解字 「糸(いと・つながる)+贊(賛の旧字。たすける)」の形声。贊助(賛助)をえて、仕事や事業などを受け継ぐことを纘サンという。[説文解字]は「繼(つ)ぐ也(なり)。糸に従い贊サンの聲(声)」とする。
意味 (1)つぐ(纘ぐ)。つづく。うけつぐ。「纘業サンギョウ」(前人の業をつぐ)「纘継サンケイ」(受け継ぐ)(2)あつめる・よせあつめる。(=攢)「纘述サンジュツ」(あつめのべる)
たたえる
讃[讚] サン・ほめる・たたえる 言部 zàn
解字 旧字は讚で「言(ことば)+贊(たたえる)」の会意形声。言葉で相手をたたえること。人名用漢字であり新字体に準じ、賛を用いた讃が通用する。また、現代表記では賛に置き換えるものが多い。
意味 (1)ほめる(讃める)。たたえる(讃える)。「讃美サンビ=賛美」「賞讃ショウサン=賞賛」「画讃ガサン=画賛」(絵などに書き添える詩や文)(2)仏の功徳をほめたたえる言葉。「和讃ワサン」(和語で讃える)「梵讃ボンサン」(梵語で讃える。仏教の声明ショウミョウのひとつ)(3)地名。「讃岐さぬき」(香川県の旧国名=讃州サンシュウ」
形声字
鑽(鑚) サン・きり・きる 金部 zuān・zuàn
解字 「金(金属)+贊(サン)」の形声。物をうがつ金属性の道具を鑽サンという。先へ進んで穴をあける金属の工具。後漢の[説文解字]は「以って穿(うが)つ所也(なり)。金に従い贊サンの聲(声)」とする。鑚は新字体に準じた異体字。
意味 (1)きり(鑽)。錐スイとも書く。物に穴をあける工具。「鑽灼サンシャク」(鑽はうがつ、灼は焼く。穴をうがって焼くこと。占いのため亀甲に穴をうがって焼くこと)(2)きる(鑽る)。きりもみする。ほる。うがつ。本来は金属のキリだが、木製のキリで火を起こす意で用いられる。「鑽火(きりび)」(きりもみした熱で起こす火。ヒノキなどの板に木の棒をもみこんで火を起こす)「鑽火の神事」(神社で鑽火で火を起こす。神に供える食べ物の煮炊きのほか、各神前の燈火などの火種として用いられる)「御火鑽具みひきりぐ」(鑽火を起こす道具)(3)物事を深くきわめる。「研鑽ケンサン」(研究。学問など深くきわめる)
鑽火神事(角館總鎭守 神明社)2分30秒
御火鑽具(みひきりぐ)(「伊勢宮徳」のHPより)
攢 サン・あつめる 扌部 zǎn・cuán・zàn・zuān
解字 「扌(て)+贊(サン)」の形声。サンは纂サン(あつめる。あつめてまとめる)に通じ、扌(て)であつめる。あつまる意。
意味 (1)あつまる(攢まる)。あつめる。まとまる。むらがる。「攢聚サンシュウ」(むらがりあつまる)「攢峰サンホウ」(重なりつづく峰)「攢立サンリツ」(むらがり立つ)「攢眉サンビ」(眉がまとまる⇒まゆをひそめる)「攢蹙サンシュク」(①むらがりあつまる。②ちぢんで一所にあつまる)「攢攢サンサン」(むらがるさま)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
賛 [贊] サン・たすける 貝部 zàn
上は賛サン、下は先セン
解字 上の賛の篆文および旧字は贊で「貝(財貨)+兟シン」の会意。兟は先セン(進む足さき)を二つ並べ「そろって進む」意。下図の先の甲骨文字は人の上の横線に止(あし⇒ゆく)をのせた形で、人より先にゆく意。贊の先の字は篆文第二字で同じ形をしている。
旧字の贊は、兟に貝(財貨)を加えて贊サンとなり、財貨を持ちそろって進み、相手にお目にかかって贈ること。転じて相手を、たすける・たたえる・ほめる意となる。新字体は旧字の兟⇒夫夫に変化した。夫に変わっても「夫(おとこ)二人が貝(財貨)を差し出してたすける」と解釈することができる。
意味 (1)たすける(賛ける)。力を添える。「賛助サンジョ」「協賛キョウサン」「賛画サンカク」(計画をたすける)(2)同意する。「賛成サンセイ」「賛同サンドウ」(3)ほめる(賛める)。たたえる(賛える)。「賛美サンビ=讃美)」(ほめたたえる)「賛辞サンジ」(ほめことば)
イメージ
「たすける」(賛・纘)
意味(3)の「たたえる」(讃)
「形声字」(攢・鑽)
音の変化 サン:賛・讃・纘・攢・鑽
たすける
纘 サン・つぐ 糸部 zuǎn
解字 「糸(いと・つながる)+贊(賛の旧字。たすける)」の形声。贊助(賛助)をえて、仕事や事業などを受け継ぐことを纘サンという。[説文解字]は「繼(つ)ぐ也(なり)。糸に従い贊サンの聲(声)」とする。
意味 (1)つぐ(纘ぐ)。つづく。うけつぐ。「纘業サンギョウ」(前人の業をつぐ)「纘継サンケイ」(受け継ぐ)(2)あつめる・よせあつめる。(=攢)「纘述サンジュツ」(あつめのべる)
たたえる
讃[讚] サン・ほめる・たたえる 言部 zàn
解字 旧字は讚で「言(ことば)+贊(たたえる)」の会意形声。言葉で相手をたたえること。人名用漢字であり新字体に準じ、賛を用いた讃が通用する。また、現代表記では賛に置き換えるものが多い。
意味 (1)ほめる(讃める)。たたえる(讃える)。「讃美サンビ=賛美」「賞讃ショウサン=賞賛」「画讃ガサン=画賛」(絵などに書き添える詩や文)(2)仏の功徳をほめたたえる言葉。「和讃ワサン」(和語で讃える)「梵讃ボンサン」(梵語で讃える。仏教の声明ショウミョウのひとつ)(3)地名。「讃岐さぬき」(香川県の旧国名=讃州サンシュウ」
形声字
鑽(鑚) サン・きり・きる 金部 zuān・zuàn
解字 「金(金属)+贊(サン)」の形声。物をうがつ金属性の道具を鑽サンという。先へ進んで穴をあける金属の工具。後漢の[説文解字]は「以って穿(うが)つ所也(なり)。金に従い贊サンの聲(声)」とする。鑚は新字体に準じた異体字。
意味 (1)きり(鑽)。錐スイとも書く。物に穴をあける工具。「鑽灼サンシャク」(鑽はうがつ、灼は焼く。穴をうがって焼くこと。占いのため亀甲に穴をうがって焼くこと)(2)きる(鑽る)。きりもみする。ほる。うがつ。本来は金属のキリだが、木製のキリで火を起こす意で用いられる。「鑽火(きりび)」(きりもみした熱で起こす火。ヒノキなどの板に木の棒をもみこんで火を起こす)「鑽火の神事」(神社で鑽火で火を起こす。神に供える食べ物の煮炊きのほか、各神前の燈火などの火種として用いられる)「御火鑽具みひきりぐ」(鑽火を起こす道具)(3)物事を深くきわめる。「研鑽ケンサン」(研究。学問など深くきわめる)
鑽火神事(角館總鎭守 神明社)2分30秒
御火鑽具(みひきりぐ)(「伊勢宮徳」のHPより)
攢 サン・あつめる 扌部 zǎn・cuán・zàn・zuān
解字 「扌(て)+贊(サン)」の形声。サンは纂サン(あつめる。あつめてまとめる)に通じ、扌(て)であつめる。あつまる意。
意味 (1)あつまる(攢まる)。あつめる。まとまる。むらがる。「攢聚サンシュウ」(むらがりあつまる)「攢峰サンホウ」(重なりつづく峰)「攢立サンリツ」(むらがり立つ)「攢眉サンビ」(眉がまとまる⇒まゆをひそめる)「攢蹙サンシュク」(①むらがりあつまる。②ちぢんで一所にあつまる)「攢攢サンサン」(むらがるさま)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。