垔 イン 土部
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/09/fe35a1cb9f13c6886b43604605f8b800.jpg)
解字 甲骨文は器物から煙が出ている形。原義は煙にあたるが、甲骨文字にはその用法がなく、仮借カシャ(当て字)して夜の時間を表す用法や祭祀名に用いられている[甲骨文字辞典]。金文は器物の上部が古代文字の西の形になり左右に煙が伸び、下部が土に変化した。意味は晩および地名。篆文にいたり煙の形が弓のようになったが、後漢の[説文解字]は、「塞ぐなり」とし堙イン(ふさぐ)の意味にしている。したがって現代字の意味は、ふさぐ・うずめる、となる。
当初は器物から煙が出ているかたち(香炉か)だが、この字を音符として甄ケン(すえ・やきもの)の字があるので、後世になり焼き物のカマドの意味で使われた。そこで音符イメージとしては、「けむりの立ち込めるカマド」、および、けむりが「おおう・おおわれる」の二つを建てた。なお、字形は漢代から垔の上部の西⇒覀に変化している。他の音符字も同じ変化が通用する。
イメージ
「けむりの立ち込めるカマド」(煙・甄)
けむりが「おおう・おおわれる」(堙・湮)
音の変化 イン:堙・湮 エン:煙 ケン:甄
けむりのたちこめるカマド
煙 エン・けむり・けむる・けむい 火部
解字 「火(ひ)+垔(けむりの立ち込めるカマド)」 の会意形声。火を付けて、けむりの立ち込める意を明確にし、けむりの意味を表す。字体は、土の上部が西⇒覀に変化した。
意味 (1)けむり(煙)。けむる(煙る)。けむい(煙い)。「噴煙フンエン」「煙幕エンマク」 (2)けむり状のもの。「煙霧エンム」「煙塵エンジン」 (3)たばこ。「煙草たばこ」「喫煙キツエン」
甄 ケン・すえ 瓦部
解字 「瓦(かわら)+垔(けむりの立ち込めるカマド)」 の会意形声。煙の立ち込める窯で瓦をやく形。また、陶工が窯の焼きぐあいをみることをいい、見分ける意となる。字体は、土の上部が西⇒覀に変化した。
意味 (1)すえ(甄)。やきもの。陶器。陶器をつくる。「甄陶ケントウ」(陶器をつくること)「甄者ケンジャ」(陶工) (2)見分ける。明らかにする。「甄別ケンベツ」(見分けて区別する)
おおう・おおわれる
堙 イン・ふさぐ 土部
解字 「土(つち)+垔(おおう)」 の会意形声。土でおおうこと。土でふさぐ意となる。字体は、土の上部が西⇒覀に変化した。
意味 (1)ふさぐ(堙ぐ)。ふさがる。「堙塞インソク」(堙も塞も、ふさぐ意) (2)ほろびる。「堙滅インメツ」(うずもれてなくなる)
湮 イン・しずむ・ふさぐ 氵部
解字 「氵(みず)+垔(おおう)」 の会意形声。水におおわれる、即ち、水にしずむこと。また、堙インに通じて、ふさぐ意ともなる。字体は、土の上部が西⇒覀に変化した。
意味 (1)しずむ(湮む)。しずめる。うずもれる。「湮没インボツ」(しずんでなくなる)「湮沈インチン」(湮も沈も、しずむ意) (2)ふさぐ。ふさがる。「湮鬱インウツ」(気持ちがふさがって晴れない)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
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解字 甲骨文は器物から煙が出ている形。原義は煙にあたるが、甲骨文字にはその用法がなく、仮借カシャ(当て字)して夜の時間を表す用法や祭祀名に用いられている[甲骨文字辞典]。金文は器物の上部が古代文字の西の形になり左右に煙が伸び、下部が土に変化した。意味は晩および地名。篆文にいたり煙の形が弓のようになったが、後漢の[説文解字]は、「塞ぐなり」とし堙イン(ふさぐ)の意味にしている。したがって現代字の意味は、ふさぐ・うずめる、となる。
当初は器物から煙が出ているかたち(香炉か)だが、この字を音符として甄ケン(すえ・やきもの)の字があるので、後世になり焼き物のカマドの意味で使われた。そこで音符イメージとしては、「けむりの立ち込めるカマド」、および、けむりが「おおう・おおわれる」の二つを建てた。なお、字形は漢代から垔の上部の西⇒覀に変化している。他の音符字も同じ変化が通用する。
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「けむりの立ち込めるカマド」(煙・甄)
けむりが「おおう・おおわれる」(堙・湮)
音の変化 イン:堙・湮 エン:煙 ケン:甄
けむりのたちこめるカマド
煙 エン・けむり・けむる・けむい 火部
解字 「火(ひ)+垔(けむりの立ち込めるカマド)」 の会意形声。火を付けて、けむりの立ち込める意を明確にし、けむりの意味を表す。字体は、土の上部が西⇒覀に変化した。
意味 (1)けむり(煙)。けむる(煙る)。けむい(煙い)。「噴煙フンエン」「煙幕エンマク」 (2)けむり状のもの。「煙霧エンム」「煙塵エンジン」 (3)たばこ。「煙草たばこ」「喫煙キツエン」
甄 ケン・すえ 瓦部
解字 「瓦(かわら)+垔(けむりの立ち込めるカマド)」 の会意形声。煙の立ち込める窯で瓦をやく形。また、陶工が窯の焼きぐあいをみることをいい、見分ける意となる。字体は、土の上部が西⇒覀に変化した。
意味 (1)すえ(甄)。やきもの。陶器。陶器をつくる。「甄陶ケントウ」(陶器をつくること)「甄者ケンジャ」(陶工) (2)見分ける。明らかにする。「甄別ケンベツ」(見分けて区別する)
おおう・おおわれる
堙 イン・ふさぐ 土部
解字 「土(つち)+垔(おおう)」 の会意形声。土でおおうこと。土でふさぐ意となる。字体は、土の上部が西⇒覀に変化した。
意味 (1)ふさぐ(堙ぐ)。ふさがる。「堙塞インソク」(堙も塞も、ふさぐ意) (2)ほろびる。「堙滅インメツ」(うずもれてなくなる)
湮 イン・しずむ・ふさぐ 氵部
解字 「氵(みず)+垔(おおう)」 の会意形声。水におおわれる、即ち、水にしずむこと。また、堙インに通じて、ふさぐ意ともなる。字体は、土の上部が西⇒覀に変化した。
意味 (1)しずむ(湮む)。しずめる。うずもれる。「湮没インボツ」(しずんでなくなる)「湮沈インチン」(湮も沈も、しずむ意) (2)ふさぐ。ふさがる。「湮鬱インウツ」(気持ちがふさがって晴れない)
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