新型コロナウイルスの感染拡大にそなえ、本日(4月7日)政府は緊急事態宣言を出す。厚生労働省は、生活の中で密集・密閉・密接の3つの「密」が重ならないように呼び掛けている。この「密」という字は、どんな成り立ちをもつ字なのか。
密の音符の元は必ヒツである。まず「必」の成り立ちを見てゆこう。
必ヒツは武器の戈(ほこ)の柄
必 ヒツ・かならず 心部
上段が「必」、下段が「戈カ(ほこ)」。金文・篆文の必は、戈(ほこ)の刃先(横線)を省いた形に八をつける。
柲ヒ(ほこの柄)の構造図
解字 金文・篆文は、「戈(ほこ)から刃先を省いた形+八(両側をはさみつける)」の象形。戈(ほこ)から刃先を省いた形とは、戈の柄を意味し、そこに八印で柄を補強する形。柲ヒ(武器の柄)の原字。図版を見ると分かるように、柲は芯となる木の棒に割竹を当て、籐(とう)や革紐でしっかり巻き付け漆を塗って補強したもの。これによって柄は柔軟性があり、かつ強靭性をもつ。必ヒツは、柄の木芯を取り巻いて補強した形を表し、「しめつける」「まわりを囲む」イメージをもつ。しかし、仮借カシャ(当て字)され、「かならず」の意となった。現代の字形は、「心+ノ」に変化した。
意味 かならず(必ず)。きっと。「必然ヒツゼン」「必読ヒツドク」「必須ヒッス」
イメージ
「仮借カシャ」(必)
「しめつける」(泌)
「まわりをかこむ」(秘・宓・蜜・密)
音の変化 ヒツ:必・泌・宓 ヒ:秘 ミツ:蜜・密
しめつける
泌 ヒツ・ヒ・にじむ 氵部
解字 「氵(水)+必(しめつける)」 の会意形声。しめつけて、中から汁がでること。
意味 (1)にじむ(泌む)。狭い隙間や穴から汁がでること。「分泌ブンピツ・ブンピ」「泌尿器ヒニョウキ」(尿の分泌と排泄をつかさどる器官)
まわりをかこむ
秘[祕] ヒ・ひめる 禾部
解字 旧字は祕で「示(祭壇)+必(まわりをかこむ)」 の会意形声。入口を閉じ、なかが分からないようにしてひそかに神を祭ること。新字体は、旧字の示が禾(いね)に変化したが、これは神にささげる初穂で、これをひそかに祭る形。いずれも、ひそかに・ひめる意となる。
意味 (1)ひそか。「秘密ヒミツ」「神秘シンピ」 (2)ひめる(秘める)。かくす。「秘事ヒジ」「秘蔵ヒゾウ」「秘宝ヒホウ」「秘訣ヒケツ」(奥の手)
宓ヒツ・ビツ・フク(密と蜜の音符になる字)
宓 ヒツ・ビツ・フク 宀部
解字 「宀(いえ)+必(まわりをかこむ)」 の会意形声。家の戸や窓を閉めて中にこもること。やすらか・ひそかの意となる。また、蜜・密の音符となる。
意味 (1)やすらか。「宓穆フクボク」(深く静かで安らかなさま) (2)ひそか。 (3)人名。「宓子フッシ」(孔子の弟子)
蜜 ミツ 宀部
解字 「虫(はち)+宓(家の中に閉じ込める)」 の会意。ハチが巣の中に閉じ込めた蜂のみつ。
意味 (1)みつ(蜜)。はちみつ。「蜜蜂ミツバチ」 (2)みつのように甘い。「蜜月ミツゲツ」(結婚した当月。ハネムーン)「蜜柑ミカン」「甜言蜜語テンゲンミツゴ」(蜜のように甜い言葉。うまい話や勧誘の言葉)
密 ミツ・ひそかに 宀部
解字 「山(やま)+宓(閉じこもる)」 の会意で、深く閉ざして人の近付けない山。木が密集してすきまがない・近づけない・ひそかに、等の意となる。
意味 (1)すきまなく。「密集ミッシュウ」「密林ミツリン」「密生ミッセイ」「密接ミッセツ」(すきまなく接触する) (2)とじる。外から近付けない。「密室ミッシツ」「密閉ミッペイ」 (3)ひそかに(密かに)。「内密ナイミツ」「密告ミッコク」「秘密ヒミツ」 (4)こまかい。くわしい。「綿密メンミツ」「細密サイミツ」 (5)「密教ミッキョウ」とは、仏教の流派のひとつ。奥深い絶対の真理の教え。
<紫色は常用漢字>
密の音符の元は必ヒツである。まず「必」の成り立ちを見てゆこう。
必ヒツは武器の戈(ほこ)の柄
必 ヒツ・かならず 心部

上段が「必」、下段が「戈カ(ほこ)」。金文・篆文の必は、戈(ほこ)の刃先(横線)を省いた形に八をつける。

解字 金文・篆文は、「戈(ほこ)から刃先を省いた形+八(両側をはさみつける)」の象形。戈(ほこ)から刃先を省いた形とは、戈の柄を意味し、そこに八印で柄を補強する形。柲ヒ(武器の柄)の原字。図版を見ると分かるように、柲は芯となる木の棒に割竹を当て、籐(とう)や革紐でしっかり巻き付け漆を塗って補強したもの。これによって柄は柔軟性があり、かつ強靭性をもつ。必ヒツは、柄の木芯を取り巻いて補強した形を表し、「しめつける」「まわりを囲む」イメージをもつ。しかし、仮借カシャ(当て字)され、「かならず」の意となった。現代の字形は、「心+ノ」に変化した。
意味 かならず(必ず)。きっと。「必然ヒツゼン」「必読ヒツドク」「必須ヒッス」
イメージ
「仮借カシャ」(必)
「しめつける」(泌)
「まわりをかこむ」(秘・宓・蜜・密)
音の変化 ヒツ:必・泌・宓 ヒ:秘 ミツ:蜜・密
しめつける
泌 ヒツ・ヒ・にじむ 氵部
解字 「氵(水)+必(しめつける)」 の会意形声。しめつけて、中から汁がでること。
意味 (1)にじむ(泌む)。狭い隙間や穴から汁がでること。「分泌ブンピツ・ブンピ」「泌尿器ヒニョウキ」(尿の分泌と排泄をつかさどる器官)
まわりをかこむ
秘[祕] ヒ・ひめる 禾部
解字 旧字は祕で「示(祭壇)+必(まわりをかこむ)」 の会意形声。入口を閉じ、なかが分からないようにしてひそかに神を祭ること。新字体は、旧字の示が禾(いね)に変化したが、これは神にささげる初穂で、これをひそかに祭る形。いずれも、ひそかに・ひめる意となる。
意味 (1)ひそか。「秘密ヒミツ」「神秘シンピ」 (2)ひめる(秘める)。かくす。「秘事ヒジ」「秘蔵ヒゾウ」「秘宝ヒホウ」「秘訣ヒケツ」(奥の手)
宓ヒツ・ビツ・フク(密と蜜の音符になる字)
宓 ヒツ・ビツ・フク 宀部
解字 「宀(いえ)+必(まわりをかこむ)」 の会意形声。家の戸や窓を閉めて中にこもること。やすらか・ひそかの意となる。また、蜜・密の音符となる。
意味 (1)やすらか。「宓穆フクボク」(深く静かで安らかなさま) (2)ひそか。 (3)人名。「宓子フッシ」(孔子の弟子)
蜜 ミツ 宀部
解字 「虫(はち)+宓(家の中に閉じ込める)」 の会意。ハチが巣の中に閉じ込めた蜂のみつ。
意味 (1)みつ(蜜)。はちみつ。「蜜蜂ミツバチ」 (2)みつのように甘い。「蜜月ミツゲツ」(結婚した当月。ハネムーン)「蜜柑ミカン」「甜言蜜語テンゲンミツゴ」(蜜のように甜い言葉。うまい話や勧誘の言葉)
密 ミツ・ひそかに 宀部
解字 「山(やま)+宓(閉じこもる)」 の会意で、深く閉ざして人の近付けない山。木が密集してすきまがない・近づけない・ひそかに、等の意となる。
意味 (1)すきまなく。「密集ミッシュウ」「密林ミツリン」「密生ミッセイ」「密接ミッセツ」(すきまなく接触する) (2)とじる。外から近付けない。「密室ミッシツ」「密閉ミッペイ」 (3)ひそかに(密かに)。「内密ナイミツ」「密告ミッコク」「秘密ヒミツ」 (4)こまかい。くわしい。「綿密メンミツ」「細密サイミツ」 (5)「密教ミッキョウ」とは、仏教の流派のひとつ。奥深い絶対の真理の教え。
<紫色は常用漢字>