孥ド・呶ド・帑ド・拏ダ、を追加しました。
奴 ド・ヌ・やつ・やっこ 女部
解字 「女(おんな)+又(て)」の会意。手で女を捕らえ、不自由化して奴隷にする意。女だけでなく男女の奴隷につかう。
意味 (1)しもべ。召使い。使用人。「奴隷ドレイ」(領主に隷属して労働などに従事した者)「農奴ノウド」(領主に隷属して農業を行なう農民)「奴婢ヌヒ・ドヒ」(①律令制の賎民の一つ。奴は男、婢は女。②召し使いの男女)「奴虜ドリョ」(捕らえられて奴隷になったもの) (2)[国]やっこ(奴)。武家の下男。大名行列にお供の先をつとめた。「町奴まちやっこ」(江戸市中の侠客)「奴凧やっこだこ」 (3)やつ(奴)。他人をいやしめていう語。「奴等やつら」「守銭奴シュセンド」(金銭欲のつよい者)
イメージ
「どれい」(奴・努・駑・孥・拏)
奴隷の労働が「はげしい」(怒・弩・呶)
「形声字」(帑)
音の変化 ド:奴・努・駑・孥・怒・弩・呶・帑 ダ:拏
どれい
努 ド・つとめる 力部
解字 「力(スキ)+奴(農奴)」 の会意形声。力は農具のスキの象形。農奴がスキで黙々と農作業をすること。
意味 (1)つとめる(努める)。はげむ。「努力ドリョク」 (2)ゆめ(努)。「努努ゆめゆめ」(けっして)
駑 ド 馬部
解字 「馬(うま)+奴(他人をいやしめる言葉)」 の会意形声。奴に、他人をいやしめていう意味があり、相手を軽蔑したり低い者とみなして「やつ」「やつら」「こやつ」などと言う。駑ドは、その意味を馬をつけて表した字で、馬にかこつけて人の能力が劣るさまや、人を軽蔑する意味で用いる。
意味 (1)にぶい馬。「駑馬ドバ」(①のろま馬。②才能のない人) (2)のろい。にぶい。おろか。「駑鈍ドドン」(才がにぶく知恵がたりない)「駑劣ドレツ」(にぶく劣る)
孥 ド・ヌ 子部
解字 「子(こども)+奴(どれい)」の会意形声。女の奴隷とその子。家の代表である戸主(父)に対し、その家中の妻子を総称する。妻子を家中の奴隷になぞらえることば。([漢字源]を参考にした)
意味 (1)つまこ。妻と子。「孥戮ドリク」(罪を妻子にまで及ぼして殺す)「孥属ドゾク」(家族) (2)こども。「孥稚ドチ」(幼児)(3)しもべ。
拏 ダ・ナ・ひく・つかむ 手部
解字 「手(て)+奴(女を手でつかまえる)」の会意形声。奴は女を手でつかまえる意味であり、それに手をつけて、つかむ意味を強調した字。拿ダの異体字。
意味 (1)ひく(拏く)。ひっぱる。 (2)とらえる(拏える)。つかむ(拏む)。「拏雲ダウン」(雲をとらえる。高い志)「拏獲ダカク」(捕獲する)「拏捕ダホ」(つかまえる=拿捕ダホ)
はげしい
怒 ド・ヌ・いかる・おこる 心部
解字 「心(こころ)+奴(はげしい)」 の会意形声。荒々しく激しい気持ち。
意味 (1)いかる(怒る)。おこる(怒る)。「激怒ゲキド」「怒号ドゴウ」「憤怒フンド・フンヌ」「奴髪ドハツ冠(かんむり)を衝(つ)く」(怒りのあまり髪が逆立ち冠を突きあげる) (2)勢いが盛ん。「怒張ドチョウ」(①はちきれるようにふくらむ。②筆力の勇ましいさま)
弩 ド 弓部
解字 「弓(ゆみ)+奴(はげしい)」 の会意形声。普通の弓よりはげしい威力をもつ弓。
弩の図
意味 おおゆみ。横倒しにした弓の中央部と直角に木製の台座をつけ、弓弦を張って引き金に止めた装置。台座に矢をおき、発射するとき引き金を引く。普通の弓にくらべ矢の速度が速く威力がある。なお、いしゆみ(石弓)は石落としの装置であり、弩に、いしゆみの訓は正確でない。弩は兵馬俑坑から発見され、秦の始皇帝時代から使われていたことが判明した。「弩弓ドキュウ」「弩手ドシュ」(弩を扱う人)
呶 ド・ドウ 口部
解字 「口(くち)+奴(はげしい)」の会意形声。はげしく大声をだすこと。かまびすしい意となる。
意味 かまびすしい(呶しい)。やかましい。「呶呶ドド」(やかましい。多言する)「号呶ゴウド」(やかましいさけび)
形声字
帑 ド・トウ 巾部
解字 「巾キン(=帛・幣)+奴(ド)」の形声。巾(きれ)はここで、帛ハク(絹)や幣ヘイ(貨幣)の略体。ドという名の帛(絹)や貨幣を蔵する所をいう。[字通]によれば、「奴は犯罪者のほか外蕃(異民族)であり、古くは異族の虜囚などを聖所に属して使役させたものであろう。これらを神の徒隷とすることに宗教的な意味があったものと思われる」としている。したがって奴には古く神事に供する意があり、帛・幣を神に供する意からでた字と思われる。また、孥ドに通じ、妻子をいう。
意味 (1)ぬさ。たから。 (2)くら。かねぐら(帑)。「帑金ドキン」(庫の金)「帑蔵ドゾウ」(かねぐら。官府の庫)「帑幣ドヘイ」(かねぐらにある金銀) (3)つまこ。「妻帑サイド」
<紫色は常用漢字>
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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
奴 ド・ヌ・やつ・やっこ 女部
解字 「女(おんな)+又(て)」の会意。手で女を捕らえ、不自由化して奴隷にする意。女だけでなく男女の奴隷につかう。
意味 (1)しもべ。召使い。使用人。「奴隷ドレイ」(領主に隷属して労働などに従事した者)「農奴ノウド」(領主に隷属して農業を行なう農民)「奴婢ヌヒ・ドヒ」(①律令制の賎民の一つ。奴は男、婢は女。②召し使いの男女)「奴虜ドリョ」(捕らえられて奴隷になったもの) (2)[国]やっこ(奴)。武家の下男。大名行列にお供の先をつとめた。「町奴まちやっこ」(江戸市中の侠客)「奴凧やっこだこ」 (3)やつ(奴)。他人をいやしめていう語。「奴等やつら」「守銭奴シュセンド」(金銭欲のつよい者)
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「どれい」(奴・努・駑・孥・拏)
奴隷の労働が「はげしい」(怒・弩・呶)
「形声字」(帑)
音の変化 ド:奴・努・駑・孥・怒・弩・呶・帑 ダ:拏
どれい
努 ド・つとめる 力部
解字 「力(スキ)+奴(農奴)」 の会意形声。力は農具のスキの象形。農奴がスキで黙々と農作業をすること。
意味 (1)つとめる(努める)。はげむ。「努力ドリョク」 (2)ゆめ(努)。「努努ゆめゆめ」(けっして)
駑 ド 馬部
解字 「馬(うま)+奴(他人をいやしめる言葉)」 の会意形声。奴に、他人をいやしめていう意味があり、相手を軽蔑したり低い者とみなして「やつ」「やつら」「こやつ」などと言う。駑ドは、その意味を馬をつけて表した字で、馬にかこつけて人の能力が劣るさまや、人を軽蔑する意味で用いる。
意味 (1)にぶい馬。「駑馬ドバ」(①のろま馬。②才能のない人) (2)のろい。にぶい。おろか。「駑鈍ドドン」(才がにぶく知恵がたりない)「駑劣ドレツ」(にぶく劣る)
孥 ド・ヌ 子部
解字 「子(こども)+奴(どれい)」の会意形声。女の奴隷とその子。家の代表である戸主(父)に対し、その家中の妻子を総称する。妻子を家中の奴隷になぞらえることば。([漢字源]を参考にした)
意味 (1)つまこ。妻と子。「孥戮ドリク」(罪を妻子にまで及ぼして殺す)「孥属ドゾク」(家族) (2)こども。「孥稚ドチ」(幼児)(3)しもべ。
拏 ダ・ナ・ひく・つかむ 手部
解字 「手(て)+奴(女を手でつかまえる)」の会意形声。奴は女を手でつかまえる意味であり、それに手をつけて、つかむ意味を強調した字。拿ダの異体字。
意味 (1)ひく(拏く)。ひっぱる。 (2)とらえる(拏える)。つかむ(拏む)。「拏雲ダウン」(雲をとらえる。高い志)「拏獲ダカク」(捕獲する)「拏捕ダホ」(つかまえる=拿捕ダホ)
はげしい
怒 ド・ヌ・いかる・おこる 心部
解字 「心(こころ)+奴(はげしい)」 の会意形声。荒々しく激しい気持ち。
意味 (1)いかる(怒る)。おこる(怒る)。「激怒ゲキド」「怒号ドゴウ」「憤怒フンド・フンヌ」「奴髪ドハツ冠(かんむり)を衝(つ)く」(怒りのあまり髪が逆立ち冠を突きあげる) (2)勢いが盛ん。「怒張ドチョウ」(①はちきれるようにふくらむ。②筆力の勇ましいさま)
弩 ド 弓部
解字 「弓(ゆみ)+奴(はげしい)」 の会意形声。普通の弓よりはげしい威力をもつ弓。
弩の図
意味 おおゆみ。横倒しにした弓の中央部と直角に木製の台座をつけ、弓弦を張って引き金に止めた装置。台座に矢をおき、発射するとき引き金を引く。普通の弓にくらべ矢の速度が速く威力がある。なお、いしゆみ(石弓)は石落としの装置であり、弩に、いしゆみの訓は正確でない。弩は兵馬俑坑から発見され、秦の始皇帝時代から使われていたことが判明した。「弩弓ドキュウ」「弩手ドシュ」(弩を扱う人)
呶 ド・ドウ 口部
解字 「口(くち)+奴(はげしい)」の会意形声。はげしく大声をだすこと。かまびすしい意となる。
意味 かまびすしい(呶しい)。やかましい。「呶呶ドド」(やかましい。多言する)「号呶ゴウド」(やかましいさけび)
形声字
帑 ド・トウ 巾部
解字 「巾キン(=帛・幣)+奴(ド)」の形声。巾(きれ)はここで、帛ハク(絹)や幣ヘイ(貨幣)の略体。ドという名の帛(絹)や貨幣を蔵する所をいう。[字通]によれば、「奴は犯罪者のほか外蕃(異民族)であり、古くは異族の虜囚などを聖所に属して使役させたものであろう。これらを神の徒隷とすることに宗教的な意味があったものと思われる」としている。したがって奴には古く神事に供する意があり、帛・幣を神に供する意からでた字と思われる。また、孥ドに通じ、妻子をいう。
意味 (1)ぬさ。たから。 (2)くら。かねぐら(帑)。「帑金ドキン」(庫の金)「帑蔵ドゾウ」(かねぐら。官府の庫)「帑幣ドヘイ」(かねぐらにある金銀) (3)つまこ。「妻帑サイド」
<紫色は常用漢字>
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