韆センを追加しました。
遷 セン・うつる 辶部
解字 篆文は、「辵チャク(=辶。ゆく)+上からの両手と左右の手で頭骨(囟シ)を持ち上げる+ひざまずく人(卩セツの下が曲がった形)」の会意。「ひざまずく人が見送るなかで、多くの手で頭骨(囟)に代表される遺骨を運ぶ形」であり、遷センは、もがり(仮安置)で白骨化した遺骨を墓地へうつす(遷す)こと([字統]を参考にした)。現代字は、辵⇒辶、上からの両手と囟⇒覀、左右の両手⇒大、卩のまがった形⇒己に変化した遷になった、この世からあの世へうつる。さらに場所・地位がうつる等の意に使われる。
意味 (1)うつる(遷る)。場所・地位がうつる。うつす。「遷宮セングウ」(神社のご神体を遷すこと)「遷都セント」(都をうつす)「左遷サセン」(高い官職から低い官職におろすこと)「遷化センゲ」(この世からあの世へうつる。高僧などが死ぬこと) (2)うつりかわる。「変遷ヘンセン」「遷移センイ」(うつりかわる)
覚え方 「にし( 覀 )へ、おおきく(大)おのれ(己)しんにゅう(辶)したら左遷」[漢字川柳を参考]
イメージ
「うつる」(遷・僊)
「形声字」(韆)
音の変化 セン:遷・僊・韆
うつる
僊 セン イ部
解字 「イ(ひと)+遷の略体(うつる)」の会意形声。人があの世にうつること。字は下部が巳に変化した異体字になる(卩のまがった形の正字はパソコンで出ない)。仙センと同字として使われる。
意味 魂が肉体を抜け出て飛べるようになった人。仙人。「神僊シンセン」(神通力を得た仙人=神仙)「上僊ジョウセン」(天にのぼって仙人になること=上仙)
形声字
韆 セン 革部
解字 「革(なめしがわ)+遷の旧字(セン)」の形声。この字は、ほとんどの字典が解字をせずに、鞦韆シュウセンに用いる字としている。その中で鎌倉時代に菅原為長によって編纂された字書である[字鏡集]だけが「ムナカイ」と訓をつけている。これをもとに解字すると、センという名の革ひもで、馬の首下(胸)から鞍(くら)にかけわたし、鞍を固定する革ひもをいう。
子ども用ブランコ
意味 (1)むながい。現在は「胸懸むながい」の字が用いられている。 (2)「鞦韆シュウセン」(ぶらんこ)に用いられる字。鞦シュウは「しりがい」で馬の尻(尾の下)にかける革ひも。韆センは「むながい」で馬の胸(くびの下)にかける革ひも。この二つの革ひもで馬の鞍が前後に動かないようにする(このほかに鞍を固定する腹帯を付ける)。「鞦韆シュウセン」は、鞍のような腰掛ける座席を左右から革ひもで結んで吊り下げた遊具。この座席に乗って揺らして遊ぶ。最初は馬を使う北方遊牧民の遊びだったが、中国宮廷の女官の遊びになり、のち一般にひろがった。
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
遷 セン・うつる 辶部
解字 篆文は、「辵チャク(=辶。ゆく)+上からの両手と左右の手で頭骨(囟シ)を持ち上げる+ひざまずく人(卩セツの下が曲がった形)」の会意。「ひざまずく人が見送るなかで、多くの手で頭骨(囟)に代表される遺骨を運ぶ形」であり、遷センは、もがり(仮安置)で白骨化した遺骨を墓地へうつす(遷す)こと([字統]を参考にした)。現代字は、辵⇒辶、上からの両手と囟⇒覀、左右の両手⇒大、卩のまがった形⇒己に変化した遷になった、この世からあの世へうつる。さらに場所・地位がうつる等の意に使われる。
意味 (1)うつる(遷る)。場所・地位がうつる。うつす。「遷宮セングウ」(神社のご神体を遷すこと)「遷都セント」(都をうつす)「左遷サセン」(高い官職から低い官職におろすこと)「遷化センゲ」(この世からあの世へうつる。高僧などが死ぬこと) (2)うつりかわる。「変遷ヘンセン」「遷移センイ」(うつりかわる)
覚え方 「にし( 覀 )へ、おおきく(大)おのれ(己)しんにゅう(辶)したら左遷」[漢字川柳を参考]
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「うつる」(遷・僊)
「形声字」(韆)
音の変化 セン:遷・僊・韆
うつる
僊 セン イ部
解字 「イ(ひと)+遷の略体(うつる)」の会意形声。人があの世にうつること。字は下部が巳に変化した異体字になる(卩のまがった形の正字はパソコンで出ない)。仙センと同字として使われる。
意味 魂が肉体を抜け出て飛べるようになった人。仙人。「神僊シンセン」(神通力を得た仙人=神仙)「上僊ジョウセン」(天にのぼって仙人になること=上仙)
形声字
韆 セン 革部
解字 「革(なめしがわ)+遷の旧字(セン)」の形声。この字は、ほとんどの字典が解字をせずに、鞦韆シュウセンに用いる字としている。その中で鎌倉時代に菅原為長によって編纂された字書である[字鏡集]だけが「ムナカイ」と訓をつけている。これをもとに解字すると、センという名の革ひもで、馬の首下(胸)から鞍(くら)にかけわたし、鞍を固定する革ひもをいう。
子ども用ブランコ
意味 (1)むながい。現在は「胸懸むながい」の字が用いられている。 (2)「鞦韆シュウセン」(ぶらんこ)に用いられる字。鞦シュウは「しりがい」で馬の尻(尾の下)にかける革ひも。韆センは「むながい」で馬の胸(くびの下)にかける革ひも。この二つの革ひもで馬の鞍が前後に動かないようにする(このほかに鞍を固定する腹帯を付ける)。「鞦韆シュウセン」は、鞍のような腰掛ける座席を左右から革ひもで結んで吊り下げた遊具。この座席に乗って揺らして遊ぶ。最初は馬を使う北方遊牧民の遊びだったが、中国宮廷の女官の遊びになり、のち一般にひろがった。
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。