蹢テキを追加しました。
啇[啻] テキ・チャク 口部
上が啇、下が帝
解字 金文・篆文は啻テイ・タイ・シで、「帝テイ+口サイ(祝詞を入れた器。祭祀を象徴する)」の会意。帝は、神をまつるときに供物を載せる台を描 いた象形で、三本の脚をH印でしばった形の上に台をつけた祭卓をいい、その祭祀の対象となるものを帝とよんだ。そこに祭祀を意味する口サイのついた啻は、帝をまつる意となり、「帝を祭ることのできる者」のイメージがある。啇テキは、啻が変形した異体字で、帝の巾と口があわさって古となり、啇の形になった。発音もテキ・チャクに変化した。啇テキ(啻)のもう一つのイメージは、もとになった字の帝が三本の脚をH印でむすぶ形であることから、「ひと所にまとめる」
イメージ
「帝を祭ることのできる者」(適・敵・謫・鏑・嫡)
「ひと所にまとめる」(摘・滴・蹢)
音の変化 テキ:適・敵・鏑・摘・滴・蹢 タク:謫 チャク:嫡
帝を祭ることのできる者
適 テキ・かなう 辶部
解字 「辶(ゆく)+啇(帝を祭ることのできる者)」の会意形声。帝を祭ることのできる者が行くことは、帝の子孫でありふさわしい意となる。
意味 (1)ふさわしい・かなう(適う)。「適正テキセイ」「適当テキトウ」 (2)うまくあてはまる。「適用テキヨウ」(あてはめて用いる) (3)心にかなう・ここちよい。「快適カイテキ」「自適ジテキ」 (4)ゆく。おもむく。
敵 テキ・かたき 攵部ぼくづくり
解字 「攵(=攴ボク。打つ)+啇(帝を祭ることのできる者)」の会意形声。帝を祭ることのできる者を打つ者は敵になる。
意味 (1)かたき(敵)。あだ。「敵国テキコク」「外敵ガイテキ」「仇敵キュウテキ」 (2)競争や試合の相手。「好敵手コウテキシュ」 (3)あい対する。「敵対テキタイ」「匹敵ヒッテキ」
謫 タク・チャク・せめる 言部
解字 「言(ことば)+啇(=敵)」の会意形声。敵に向かって言う言葉。敵に対して罪をせめ、流罪などにすること。発音はタク・チャクに変化。
意味 (1)せめる(謫める)。つみする。とが。罪をきせて罰する。 (2)流罪にする。「流謫ルタク」(地方に流される)「謫所タクショ」(流罪されて住んでいる所)「遷謫センタク」(左遷されて流される)
鏑 テキ・かぶらや 金部
鏑矢(猪飼弓具店)
解字 「金(金属)+啇(=敵)」の会意形声。敵に打つ矢の先が金属になっている鏃(やじり)をいう。のち、「鳴鏑メイテキ」と言って鏃の後ろに骨製や木製のふくらんだ笛のような鳴り物をつけた矢を言うようになった。鳴り物の矢は、古くは嚆矢コウシと言ったが、鳴鏑メイテキと呼ばれるようになってから、ふくらんだ鳴り物の部分も指すようになった。日本では、ふくらんだ部分が蕪(かぶら)に似ているので、かぶら矢という。
意味 (1)やじり。矢の先端にある尖った部分。=鏃ゾク。「鋒鏑ホウテキ」(ほこさきと、やじり。転じて武器、兵器) (2)かぶらや(鏑)。鏑矢とも書く。かぶら(鏑)。矢の先に蕪(かぶら)形の鳴り物をつけたもの。また、その鳴り物をいう。鏑(かぶら)は中が中空で矢を射ると音がする。「鳴鏑メイテキ」
嫡 チャク・よつぎ 女部
解字 「女(おんな)+啇(帝を祭ることのできる者)」の会意形声。帝を祭ることのできる者と結婚する女の意で、正妻を表す。また正妻から生まれた帝と血がつながった直系の子。
意味 (1)本妻・正妻。「嫡室チャクシツ」 (2)よつぎ。あとつぎ。「嫡子チャクシ」 (3)直系の血筋。「嫡流チャクリュウ」「正嫡セイチャク」
ひと所にまとめる
摘 テキ・つむ 扌部
解字 「扌(て)+啇(ひと所にまとめる)」の会意形声。手の指をひと所にまとめること。つまむ・つむ意となる。
意味 (1)つむ(摘む)。つまむ(摘む)。つみとる(摘みとる)。「茶摘(つ)み」「摘出テキシュツ」 (2)選び出す。「摘要テキヨウ」(要点を選び出して書く)「指摘シテキ」(選び出して指さす)
滴 テキ・しずく・したたる 氵部
解字 「氵(みず)+啇(ひと所にまとまる)」の会意形声。水がひと所にまとまってしずくになること。また、しずくが連続して落ちること。
意味 (1)しずく(滴)。したたり落ちる水のつぶ。「水滴スイテキ」「雨滴ウテキ」 (2)したたる(滴る)。「滴水テキスイ」「滴下テキカ」
蹢 テキ・たたずむ 足部
解字 「足(あし)+啇(ひと所にまとまる)」の会意形声。足をひと所にとどめること。たたずむ意味になる。
意味 (1)たたずむ(蹢む)。たちもとおる。もどりつする。躑テキと同じ。「蹢躅テキチョク」(①たちもとおる。②足ぶみしてもどかしがる) (2)ひづめ。豚のひづめ。馬や牛のつめ。
<紫色は常用漢字>
<関連音符>
帝 テイ・みかど 巾部
解字 甲骨文字で分かるように、三本脚の祭卓の脚をH印でしばった形の安定した大きな祭壇をいう。金文から祭卓に供物(-印)をのせる。最も尊い神を祀るときの祭卓で、その祭祀の対象となるものも帝とよんだ[字統ほか]。
意味 (1)天の神。あまつかみ。「天帝テンテイ」 (2)みかど。天子。天皇。「帝王テイオウ」「皇帝コウテイ」
イメージ
「神を祀る祭卓」(帝)
祭卓の脚部を「むすぶ」(締)
「同音代替」(蹄・諦・啼)
音の変化 テイ:帝・締・蹄・諦・啼
音符「帝テイ」へ
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
啇[啻] テキ・チャク 口部
上が啇、下が帝
解字 金文・篆文は啻テイ・タイ・シで、「帝テイ+口サイ(祝詞を入れた器。祭祀を象徴する)」の会意。帝は、神をまつるときに供物を載せる台を描 いた象形で、三本の脚をH印でしばった形の上に台をつけた祭卓をいい、その祭祀の対象となるものを帝とよんだ。そこに祭祀を意味する口サイのついた啻は、帝をまつる意となり、「帝を祭ることのできる者」のイメージがある。啇テキは、啻が変形した異体字で、帝の巾と口があわさって古となり、啇の形になった。発音もテキ・チャクに変化した。啇テキ(啻)のもう一つのイメージは、もとになった字の帝が三本の脚をH印でむすぶ形であることから、「ひと所にまとめる」
イメージ
「帝を祭ることのできる者」(適・敵・謫・鏑・嫡)
「ひと所にまとめる」(摘・滴・蹢)
音の変化 テキ:適・敵・鏑・摘・滴・蹢 タク:謫 チャク:嫡
帝を祭ることのできる者
適 テキ・かなう 辶部
解字 「辶(ゆく)+啇(帝を祭ることのできる者)」の会意形声。帝を祭ることのできる者が行くことは、帝の子孫でありふさわしい意となる。
意味 (1)ふさわしい・かなう(適う)。「適正テキセイ」「適当テキトウ」 (2)うまくあてはまる。「適用テキヨウ」(あてはめて用いる) (3)心にかなう・ここちよい。「快適カイテキ」「自適ジテキ」 (4)ゆく。おもむく。
敵 テキ・かたき 攵部ぼくづくり
解字 「攵(=攴ボク。打つ)+啇(帝を祭ることのできる者)」の会意形声。帝を祭ることのできる者を打つ者は敵になる。
意味 (1)かたき(敵)。あだ。「敵国テキコク」「外敵ガイテキ」「仇敵キュウテキ」 (2)競争や試合の相手。「好敵手コウテキシュ」 (3)あい対する。「敵対テキタイ」「匹敵ヒッテキ」
謫 タク・チャク・せめる 言部
解字 「言(ことば)+啇(=敵)」の会意形声。敵に向かって言う言葉。敵に対して罪をせめ、流罪などにすること。発音はタク・チャクに変化。
意味 (1)せめる(謫める)。つみする。とが。罪をきせて罰する。 (2)流罪にする。「流謫ルタク」(地方に流される)「謫所タクショ」(流罪されて住んでいる所)「遷謫センタク」(左遷されて流される)
鏑 テキ・かぶらや 金部
鏑矢(猪飼弓具店)
解字 「金(金属)+啇(=敵)」の会意形声。敵に打つ矢の先が金属になっている鏃(やじり)をいう。のち、「鳴鏑メイテキ」と言って鏃の後ろに骨製や木製のふくらんだ笛のような鳴り物をつけた矢を言うようになった。鳴り物の矢は、古くは嚆矢コウシと言ったが、鳴鏑メイテキと呼ばれるようになってから、ふくらんだ鳴り物の部分も指すようになった。日本では、ふくらんだ部分が蕪(かぶら)に似ているので、かぶら矢という。
意味 (1)やじり。矢の先端にある尖った部分。=鏃ゾク。「鋒鏑ホウテキ」(ほこさきと、やじり。転じて武器、兵器) (2)かぶらや(鏑)。鏑矢とも書く。かぶら(鏑)。矢の先に蕪(かぶら)形の鳴り物をつけたもの。また、その鳴り物をいう。鏑(かぶら)は中が中空で矢を射ると音がする。「鳴鏑メイテキ」
嫡 チャク・よつぎ 女部
解字 「女(おんな)+啇(帝を祭ることのできる者)」の会意形声。帝を祭ることのできる者と結婚する女の意で、正妻を表す。また正妻から生まれた帝と血がつながった直系の子。
意味 (1)本妻・正妻。「嫡室チャクシツ」 (2)よつぎ。あとつぎ。「嫡子チャクシ」 (3)直系の血筋。「嫡流チャクリュウ」「正嫡セイチャク」
ひと所にまとめる
摘 テキ・つむ 扌部
解字 「扌(て)+啇(ひと所にまとめる)」の会意形声。手の指をひと所にまとめること。つまむ・つむ意となる。
意味 (1)つむ(摘む)。つまむ(摘む)。つみとる(摘みとる)。「茶摘(つ)み」「摘出テキシュツ」 (2)選び出す。「摘要テキヨウ」(要点を選び出して書く)「指摘シテキ」(選び出して指さす)
滴 テキ・しずく・したたる 氵部
解字 「氵(みず)+啇(ひと所にまとまる)」の会意形声。水がひと所にまとまってしずくになること。また、しずくが連続して落ちること。
意味 (1)しずく(滴)。したたり落ちる水のつぶ。「水滴スイテキ」「雨滴ウテキ」 (2)したたる(滴る)。「滴水テキスイ」「滴下テキカ」
蹢 テキ・たたずむ 足部
解字 「足(あし)+啇(ひと所にまとまる)」の会意形声。足をひと所にとどめること。たたずむ意味になる。
意味 (1)たたずむ(蹢む)。たちもとおる。もどりつする。躑テキと同じ。「蹢躅テキチョク」(①たちもとおる。②足ぶみしてもどかしがる) (2)ひづめ。豚のひづめ。馬や牛のつめ。
<紫色は常用漢字>
<関連音符>
帝 テイ・みかど 巾部
解字 甲骨文字で分かるように、三本脚の祭卓の脚をH印でしばった形の安定した大きな祭壇をいう。金文から祭卓に供物(-印)をのせる。最も尊い神を祀るときの祭卓で、その祭祀の対象となるものも帝とよんだ[字統ほか]。
意味 (1)天の神。あまつかみ。「天帝テンテイ」 (2)みかど。天子。天皇。「帝王テイオウ」「皇帝コウテイ」
イメージ
「神を祀る祭卓」(帝)
祭卓の脚部を「むすぶ」(締)
「同音代替」(蹄・諦・啼)
音の変化 テイ:帝・締・蹄・諦・啼
音符「帝テイ」へ
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。