鰄イ・かいらぎ、を追加しました。
戌 ジュツ <大きな刃で相手を圧倒する>
戌 ジュツ・いぬ 戈部
解字 甲骨文字・金文ともにマサカリの大きな刃の部分を中心に描いた象形。篆文になりマサカリの下の刃が独立して一になり、現代字の戌になった。戌は大きな刃なので、これで「相手を圧倒する」イメージを持つ。元の意味に関係なく、十二支の11番目「いぬ」に仮借カシャ(当て字)された。
意味 いぬ(戌)。十二支の第十一。時刻では午後8時、およびその前後の2時間。方角では西北西、動物では犬に当てる。「戌亥いぬい」(方角で北西=乾)
十二支(「暮らし歳時記 十二支と方位」より)
イメージ
「いぬ(仮借)」(戌)
大きな刃で相手を「圧倒する」(威・縅・鰄・滅)
音の変化 ジュツ:戌 イ:威・鰄 メツ:滅 おどし:縅
圧倒する
威 イ・おどす 女部
解字 「女(おんな)+戌(圧倒する)」 の会意。女を刃物で圧倒する形で、おどす意。
意味 (1)おどす(威す)。おびやかす。「威圧イアツ」「威嚇イカク」 (2)いかめしい。「威厳イゲン」「威風イフウ」「権威ケンイ」
縅 <国字> おどし・おどす 糸部
赤糸威大鎧(岩槻の五月人形より)
解字 「糸+威(おどす)」の会意。よろいのサネ(鉄や革の小片)を糸(=緒お。ひも)で通す「おどし(緒通し)」の作業、および通した糸をいう。「緒通し(おどし)」を「威し」に当てて作った国字。なお、糸をつけず威だけで表記することもある。
意味 おどし(縅)。おどす。よろいのサネ(鉄や革の小片)を糸(緒)または細い革でつづり合わせること。「赤糸縅あかいとおどし鎧」(あかね染めの糸で縅した鎧よろい)「韋縅かわおどし」(鹿の皮の紐を使って縅した)
鰄 イ・かいらぎ 魚部
解字 中国では「古書上に見える魚の名」であるが、日本で独特の意味に発展した。「魚(さかな)+威(おどす)」の会意形声。魚の背に周囲をおどすように突起上の帯をもつサメの一種。このサメ皮は梅の花の模様に見えるので「梅花皮(かいらぎ)」といい、古くから刀剣の鞘(さや)や柄(つか)に巻かれて装飾品となった。
左は、かいらぎ皮。右は、黒塗りして研ぎだした刀の鞘
梅花皮の原皮。これまでサメ皮とされてきたが、鱏エイ(ray)の仲間とのこと。
以上の写真は、「Yoshimasa Iiyamaのブログ」から引用させていただいた。
掲載の承諾を得ようとメッセージを送ったのですが、うまくつながりませんでした。すみません。
意味 (1)中国で古書にみえる魚の名。 (2)[日本]かいらぎ(鰄)。サメ皮の一種とよばれてきた梅花形の突起状のある皮。刀の柄や鞘を包む装飾に用いる。 (3)[日本]かいらぎ(鰄)。茶道で井戸茶碗のうわぐすりのちぢれた模様をいう。
「かいらぎ」の語源 室町時代の辞書『節用集』に、「海かい乱ら鬼ぎ刀鞘」「鰄同」とある(同上ブログによる)。「海にすむ乱暴者の鬼」のような魚、と解釈すると「魚+威(おどす)」という解字と合うような気がします。
滅 メツ・ほろびる・ほろぼす 氵部
解字 「氵(水)+火+戌(圧倒する)」 の会意。水をかけて火を圧倒する意。転じて、きえる・ほろびる意となる。
意味 (1)きえる。火や明かりが消える。「点滅テンメツ」 (2)ほろびる(滅びる)。ほろぼす(滅ぼす)。「滅亡メツボウ」「絶滅ゼツメツ」「滅菌メッキン」 (3)死ぬ。「入滅ニュウメツ」
<紫色は常用漢字>
戌 ジュツ <大きな刃で相手を圧倒する>
戌 ジュツ・いぬ 戈部
解字 甲骨文字・金文ともにマサカリの大きな刃の部分を中心に描いた象形。篆文になりマサカリの下の刃が独立して一になり、現代字の戌になった。戌は大きな刃なので、これで「相手を圧倒する」イメージを持つ。元の意味に関係なく、十二支の11番目「いぬ」に仮借カシャ(当て字)された。
意味 いぬ(戌)。十二支の第十一。時刻では午後8時、およびその前後の2時間。方角では西北西、動物では犬に当てる。「戌亥いぬい」(方角で北西=乾)
十二支(「暮らし歳時記 十二支と方位」より)
イメージ
「いぬ(仮借)」(戌)
大きな刃で相手を「圧倒する」(威・縅・鰄・滅)
音の変化 ジュツ:戌 イ:威・鰄 メツ:滅 おどし:縅
圧倒する
威 イ・おどす 女部
解字 「女(おんな)+戌(圧倒する)」 の会意。女を刃物で圧倒する形で、おどす意。
意味 (1)おどす(威す)。おびやかす。「威圧イアツ」「威嚇イカク」 (2)いかめしい。「威厳イゲン」「威風イフウ」「権威ケンイ」
縅 <国字> おどし・おどす 糸部
赤糸威大鎧(岩槻の五月人形より)
解字 「糸+威(おどす)」の会意。よろいのサネ(鉄や革の小片)を糸(=緒お。ひも)で通す「おどし(緒通し)」の作業、および通した糸をいう。「緒通し(おどし)」を「威し」に当てて作った国字。なお、糸をつけず威だけで表記することもある。
意味 おどし(縅)。おどす。よろいのサネ(鉄や革の小片)を糸(緒)または細い革でつづり合わせること。「赤糸縅あかいとおどし鎧」(あかね染めの糸で縅した鎧よろい)「韋縅かわおどし」(鹿の皮の紐を使って縅した)
鰄 イ・かいらぎ 魚部
解字 中国では「古書上に見える魚の名」であるが、日本で独特の意味に発展した。「魚(さかな)+威(おどす)」の会意形声。魚の背に周囲をおどすように突起上の帯をもつサメの一種。このサメ皮は梅の花の模様に見えるので「梅花皮(かいらぎ)」といい、古くから刀剣の鞘(さや)や柄(つか)に巻かれて装飾品となった。
左は、かいらぎ皮。右は、黒塗りして研ぎだした刀の鞘
梅花皮の原皮。これまでサメ皮とされてきたが、鱏エイ(ray)の仲間とのこと。
以上の写真は、「Yoshimasa Iiyamaのブログ」から引用させていただいた。
掲載の承諾を得ようとメッセージを送ったのですが、うまくつながりませんでした。すみません。
意味 (1)中国で古書にみえる魚の名。 (2)[日本]かいらぎ(鰄)。サメ皮の一種とよばれてきた梅花形の突起状のある皮。刀の柄や鞘を包む装飾に用いる。 (3)[日本]かいらぎ(鰄)。茶道で井戸茶碗のうわぐすりのちぢれた模様をいう。
「かいらぎ」の語源 室町時代の辞書『節用集』に、「海かい乱ら鬼ぎ刀鞘」「鰄同」とある(同上ブログによる)。「海にすむ乱暴者の鬼」のような魚、と解釈すると「魚+威(おどす)」という解字と合うような気がします。
滅 メツ・ほろびる・ほろぼす 氵部
解字 「氵(水)+火+戌(圧倒する)」 の会意。水をかけて火を圧倒する意。転じて、きえる・ほろびる意となる。
意味 (1)きえる。火や明かりが消える。「点滅テンメツ」 (2)ほろびる(滅びる)。ほろぼす(滅ぼす)。「滅亡メツボウ」「絶滅ゼツメツ」「滅菌メッキン」 (3)死ぬ。「入滅ニュウメツ」
<紫色は常用漢字>