彧イクを追加しました。
或 ワク・ある・あるいは 戈部
解字 金文第一字は「口(城壁)+周囲に四本の線+戈(ほこ)の略体」の会意。口は城壁に囲まれた城郭で、その外側の周囲の線は領域の範囲を示す。城郭を中心に武器の戈で守られた領域を示す。第二字は口(城壁)をかこむ線が上下の二線に簡略化された。篆文は、線が下に一つとなり、口の上に正式な戈を描く。これは城壁都市を周辺の領域線で軍隊が守る形で、古代の國(国)を表しており國の原字。
意味は古代の国を表したが、のち域と國の字に分かれると本来の意味を失い、或は「ある」「あるいは」の意味に仮借カシャ(当て字)された。
意味 (1)ある(或る)。「或る日」「或る人」(2)あるいは(或いは)
イメージ
「仮借(当て字)」(或)
「領域を武器で守る」(国[國])
「境界を区切る」(域・彧・惑・馘・閾)
「その他」(摑)
音の変化 ワク:或・惑 イキ:域・閾 イク:彧 カク:馘・摑 コク:国[國]
領域を武器で守る
国[國] コク・くに 囗部
解字 旧字は國で「囗(大きなかこい)+或(領域を武器で守る)」の会意で、城壁都市を中心に武力が及ぶ地域を含んだ大きな國の意。古代の小さなくにが、統合されて大きな國が成立した。新字体は或ワクを玉に置き換えた。玉が入った国は、玉座に座る皇帝が治める国の意。
意味 (1)くに(国)。一つの政府に属する社会。「国民コクミン」「国家コッカ」 (2)日本。「国学コクガク」「国字コクジ」 (3)昔の行政区画の一つ「国司コクシ」「国府コクフ」
境界を区切る
域 イキ・さかい 土部
解字 「土(土地)+或(境界を区切る)」の会意形声。境界を区切った土地。
意味 (1)さかい(域)。土地の区切り。「区域クイキ」「域内イキナイ」「地域チイキ」 (2)くに。国土。「領域リョウイキ」「異域イイキ」(異国) (3)限られた範囲。「声域セイイキ」「聖域セイイキ」
彧 イク・うつくしい 彡部
解字 「彡(いろどり)+或(境界を区切る)」の会意形声。彡を強調するため或の戈はノが略されている。彩り豊かな美しい地域。郁イク(香気の盛んなさま)の通用字として知られる。
意味 (1)盛んに茂る。「彧彧イクイク」(盛んにしげる。物事がさかん。=郁郁)(2)うつくしい。あや。かざり。文章のあるさま。「彧文イクブン」(文化が盛ん) (3)郁と通用する。
惑 ワク・まどう 心部
解字 「心(こころ)+或(境界を区切る)」の会意形声。境界を狭く限定され、自由にやろうとしていた心がとまどうこと。
意味 (1)まどう(惑う)。まどわす(惑わす)。とまどう。「迷惑メイワク」「幻惑ゲンワク」「不惑フワク」 (2)うたがう。「疑惑ギワク」 (3)「惑星ワクセイ」とは、天球上で動かないようにみえる恒星の付近をとまどうように動いている星の意。遊星ともいう。実際は、恒星の周囲を規則的に公転している。太陽系では水星・金星・地球などの総称。⇔恒星。
馘 カク・くびきる 首部
解字 「首(かしら)+或(境界を区切る)」の会意形声。首(かしら・あたま)を境界で区切ること。すなわち、頭からはみ出ている耳を切ること。のち、首(かしら)全体を切る意となった。
意味 (1)耳を切る。敵を殺した証拠に耳を切ること。「馘耳カクジ」(耳を切る) (2)くびきる(馘る)。首を切る。「馘首カクシュ」(首を切る。解雇する)
閾 イキ・ヨク・しきみ 門部
解字 「門(もん)+或(枠を区切る)」の会意形声。門で区切られ、外と内を分ける境の横木をいう。
意味 (1)しきみ(閾)。しきい(閾)。「行くに閾(しきい)を履(ふ)まず[論語]」 (2)くぎる。くぎり。「識閾シキイキ」(意識が生じるのと消えるのとの境界)「閾値イキチ」(境目となる値)
その他
摑[掴]カク・つかむ 扌部
解字 「扌(て)+國(カク)」の形声。中国で古く「打つ」意で使われた字。日本では攫カク(つかむ)に通じ、「つかむ」意で用いられる。「扌+国」の掴カクは新字体に準じた字で、現在この字が通用している。
意味 (1)うつ。(2)[国]つかむ(摑む)。つかむ(掴む)。にぎる。「腕を掴む」「大金を掴む」
覚え方 自らの、て(扌)で、くに(国)を、掴(つか)んだ男。[国盗り物語]
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
或 ワク・ある・あるいは 戈部
解字 金文第一字は「口(城壁)+周囲に四本の線+戈(ほこ)の略体」の会意。口は城壁に囲まれた城郭で、その外側の周囲の線は領域の範囲を示す。城郭を中心に武器の戈で守られた領域を示す。第二字は口(城壁)をかこむ線が上下の二線に簡略化された。篆文は、線が下に一つとなり、口の上に正式な戈を描く。これは城壁都市を周辺の領域線で軍隊が守る形で、古代の國(国)を表しており國の原字。
意味は古代の国を表したが、のち域と國の字に分かれると本来の意味を失い、或は「ある」「あるいは」の意味に仮借カシャ(当て字)された。
意味 (1)ある(或る)。「或る日」「或る人」(2)あるいは(或いは)
イメージ
「仮借(当て字)」(或)
「領域を武器で守る」(国[國])
「境界を区切る」(域・彧・惑・馘・閾)
「その他」(摑)
音の変化 ワク:或・惑 イキ:域・閾 イク:彧 カク:馘・摑 コク:国[國]
領域を武器で守る
国[國] コク・くに 囗部
解字 旧字は國で「囗(大きなかこい)+或(領域を武器で守る)」の会意で、城壁都市を中心に武力が及ぶ地域を含んだ大きな國の意。古代の小さなくにが、統合されて大きな國が成立した。新字体は或ワクを玉に置き換えた。玉が入った国は、玉座に座る皇帝が治める国の意。
意味 (1)くに(国)。一つの政府に属する社会。「国民コクミン」「国家コッカ」 (2)日本。「国学コクガク」「国字コクジ」 (3)昔の行政区画の一つ「国司コクシ」「国府コクフ」
境界を区切る
域 イキ・さかい 土部
解字 「土(土地)+或(境界を区切る)」の会意形声。境界を区切った土地。
意味 (1)さかい(域)。土地の区切り。「区域クイキ」「域内イキナイ」「地域チイキ」 (2)くに。国土。「領域リョウイキ」「異域イイキ」(異国) (3)限られた範囲。「声域セイイキ」「聖域セイイキ」
彧 イク・うつくしい 彡部
解字 「彡(いろどり)+或(境界を区切る)」の会意形声。彡を強調するため或の戈はノが略されている。彩り豊かな美しい地域。郁イク(香気の盛んなさま)の通用字として知られる。
意味 (1)盛んに茂る。「彧彧イクイク」(盛んにしげる。物事がさかん。=郁郁)(2)うつくしい。あや。かざり。文章のあるさま。「彧文イクブン」(文化が盛ん) (3)郁と通用する。
惑 ワク・まどう 心部
解字 「心(こころ)+或(境界を区切る)」の会意形声。境界を狭く限定され、自由にやろうとしていた心がとまどうこと。
意味 (1)まどう(惑う)。まどわす(惑わす)。とまどう。「迷惑メイワク」「幻惑ゲンワク」「不惑フワク」 (2)うたがう。「疑惑ギワク」 (3)「惑星ワクセイ」とは、天球上で動かないようにみえる恒星の付近をとまどうように動いている星の意。遊星ともいう。実際は、恒星の周囲を規則的に公転している。太陽系では水星・金星・地球などの総称。⇔恒星。
馘 カク・くびきる 首部
解字 「首(かしら)+或(境界を区切る)」の会意形声。首(かしら・あたま)を境界で区切ること。すなわち、頭からはみ出ている耳を切ること。のち、首(かしら)全体を切る意となった。
意味 (1)耳を切る。敵を殺した証拠に耳を切ること。「馘耳カクジ」(耳を切る) (2)くびきる(馘る)。首を切る。「馘首カクシュ」(首を切る。解雇する)
閾 イキ・ヨク・しきみ 門部
解字 「門(もん)+或(枠を区切る)」の会意形声。門で区切られ、外と内を分ける境の横木をいう。
意味 (1)しきみ(閾)。しきい(閾)。「行くに閾(しきい)を履(ふ)まず[論語]」 (2)くぎる。くぎり。「識閾シキイキ」(意識が生じるのと消えるのとの境界)「閾値イキチ」(境目となる値)
その他
摑[掴]カク・つかむ 扌部
解字 「扌(て)+國(カク)」の形声。中国で古く「打つ」意で使われた字。日本では攫カク(つかむ)に通じ、「つかむ」意で用いられる。「扌+国」の掴カクは新字体に準じた字で、現在この字が通用している。
意味 (1)うつ。(2)[国]つかむ(摑む)。つかむ(掴む)。にぎる。「腕を掴む」「大金を掴む」
覚え方 自らの、て(扌)で、くに(国)を、掴(つか)んだ男。[国盗り物語]
<紫色は常用漢字>
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