(苫小牧民報 2010年4/20)
千歳アイヌ文化伝承保存会会長の中本ムツ子さん(82)が、子供の時に聞いた言い伝えを基に、自作のウエペケレ(物語)「カンナフチ ヤイェイソイタク」(クルーズ刊、1575円)を出版した。コタンの争いと和解の物語。中本さんは「命の大切さ、平和の大切さを、改めて考えてほしい」と話している。
物語の和訳名は「カンナおばさんの昔話」。中本さんが祖母などから聞いた和人がコタンを略奪し、生き残ったわずかな人たちが山中に逃げて長く隠れ住んだ、という悲しい千歳のアイヌの言い伝えが土台になっている。
中本さんは、幼い時から民族差別に苦しんだが、50歳を過ぎてから民族の誇りを自覚し文化伝承活動を始めた。長年にわたる活動が評価され、2004年には第38回吉川英治賞を受賞している。
最近は持病のリウマチで苦しんでいる。「もう(活動をしなくても)よいか」と思うことも多かった、というものの、どこからか「忘れるな」と呼び掛ける声が聞こえた、といい、「何を忘れたかを考えたらウエペケレをやっていないことに気が付いた」と中本さん。
物語がまとまると、講師を務めるアイヌ語教室の生徒たちが編集委員会をつくって、中本さんが吹き込んだテープおこしなどで協力、中川裕千葉大教授が訳した。
中本さんは「皆さんの協力でよい本ができました。多くの人に、平和に仲良く助け合うアイヌの心を読み取ってもらいたい」と話している。
完成した本はB5判142ページ。道内の主要な書店で取り扱っている。問い合わせは出版したクルーズ 電話011(242)8088。
http://www.tomamin.co.jp/2010c/c10042001.html
千歳アイヌ文化伝承保存会会長の中本ムツ子さん(82)が、子供の時に聞いた言い伝えを基に、自作のウエペケレ(物語)「カンナフチ ヤイェイソイタク」(クルーズ刊、1575円)を出版した。コタンの争いと和解の物語。中本さんは「命の大切さ、平和の大切さを、改めて考えてほしい」と話している。
物語の和訳名は「カンナおばさんの昔話」。中本さんが祖母などから聞いた和人がコタンを略奪し、生き残ったわずかな人たちが山中に逃げて長く隠れ住んだ、という悲しい千歳のアイヌの言い伝えが土台になっている。
中本さんは、幼い時から民族差別に苦しんだが、50歳を過ぎてから民族の誇りを自覚し文化伝承活動を始めた。長年にわたる活動が評価され、2004年には第38回吉川英治賞を受賞している。
最近は持病のリウマチで苦しんでいる。「もう(活動をしなくても)よいか」と思うことも多かった、というものの、どこからか「忘れるな」と呼び掛ける声が聞こえた、といい、「何を忘れたかを考えたらウエペケレをやっていないことに気が付いた」と中本さん。
物語がまとまると、講師を務めるアイヌ語教室の生徒たちが編集委員会をつくって、中本さんが吹き込んだテープおこしなどで協力、中川裕千葉大教授が訳した。
中本さんは「皆さんの協力でよい本ができました。多くの人に、平和に仲良く助け合うアイヌの心を読み取ってもらいたい」と話している。
完成した本はB5判142ページ。道内の主要な書店で取り扱っている。問い合わせは出版したクルーズ 電話011(242)8088。
http://www.tomamin.co.jp/2010c/c10042001.html