北海道新聞 06/16 17:00、06/17 01:27 更新
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イランカラプテ音楽祭に出演する辺泥さん(左)と秋辺さん(富田茂樹撮影)
【阿寒湖温泉】17日に釧路市阿寒町阿寒湖温泉で開かれる「第1回イランカラプテ音楽祭in阿寒湖」に、東京から昨年夏、移住してきたアイヌ民族の辺泥(ぺて)敏弘さん(42)がギタリストとして出演する。辺泥さんは首都圏で音楽活動をしていたが、アイヌ民族に関わる仕事をしたいと、曽祖父の故郷である釧路に移り住み、伝統文化発信の仕事に取り組む。辺泥さんは「アイヌ文化を広める役に立ちたい」と話している。
17日、音楽祭出演「役に立ちたい」
辺泥さんは中学時代にギターを始め、音響の専門学校卒業後はプロのバンドの裏方に。その後「自分の足元を確かめたい」と2011年から、アイヌ文化を学ぶため東京駅近くの「アイヌ文化交流センター」に通った。14年からはアイヌ関係の公演やイベントなどを行う劇場に勤務。15年にはアイヌ音楽をロック調にしたバンドのライブにギタリストとして出演した。
その劇場が昨年3月に閉館。ほぼ同時期に、釧路市が伝統的生活空間「イオル」再生事業の職員を採用するという情報を知った。釧路は辺泥さんの曽祖父五郎さん(故人)の故郷で、「いつか行きたい」との思いを抱いてきた。
五郎さんは1904年(明治37年)の米国セントルイス万国博覧会で、アイヌ民族伝統の家「チセ」を移築し、生活を再現する催しに参加したことで知られる。
辺泥さんは釧路市の嘱託職員の採用試験に受かり、イオル事業の関連業務を行う。仕事以外では、民族伝統の弦楽器トンコリを自宅で作ったり、地域の子供たちにバンド演奏を教えたりしている。一緒に移住した妻も古式舞踊の踊り手として阿寒湖温泉に溶け込んでおり、「ひいじいさんに導かれてここにいる気がする」(辺泥さん)。
イランカラプテ音楽祭には阿寒アイヌ工芸協同組合の秋辺日出男専務理事と2人で出演する。アイヌ民謡をギターやシンセサイザーでアレンジし、自然との共生への願いを込めた曲を披露する。秋辺さんが「阿寒は文化を継承する次世代の担い手が少なく、辺泥は期待の星」と語ると、辺泥さんは照れくさそうに言った。「アイヌ音楽と初めて出会う人にも楽しんでもらえるような演奏をしたい」
イランカラプテ音楽祭 アイヌ語の「イランカラプテ(こんにちは)」を北海道のおもてなしの言葉として普及させる国や道のキャンペーンの一環。イメージソングを歌う 芥川賞 作家の新井満さんや男女デュオのトワ・エ・モワも出演。午後1時半から約2時間の予定で、阿寒湖アイヌシアターイコロで開催。前売りは大人2千円(当日2500円)、小学生以下千円(同1250円)。詳細は実行委(電)0154・67・3200へ。
※イランカラプテの「プ」は小さい字
※イコロの「ロ」は小さい字
http://dd.hokkaido-np.co.jp/entertainment/culture/culture/1-0411258.html
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イランカラプテ音楽祭に出演する辺泥さん(左)と秋辺さん(富田茂樹撮影)
【阿寒湖温泉】17日に釧路市阿寒町阿寒湖温泉で開かれる「第1回イランカラプテ音楽祭in阿寒湖」に、東京から昨年夏、移住してきたアイヌ民族の辺泥(ぺて)敏弘さん(42)がギタリストとして出演する。辺泥さんは首都圏で音楽活動をしていたが、アイヌ民族に関わる仕事をしたいと、曽祖父の故郷である釧路に移り住み、伝統文化発信の仕事に取り組む。辺泥さんは「アイヌ文化を広める役に立ちたい」と話している。
17日、音楽祭出演「役に立ちたい」
辺泥さんは中学時代にギターを始め、音響の専門学校卒業後はプロのバンドの裏方に。その後「自分の足元を確かめたい」と2011年から、アイヌ文化を学ぶため東京駅近くの「アイヌ文化交流センター」に通った。14年からはアイヌ関係の公演やイベントなどを行う劇場に勤務。15年にはアイヌ音楽をロック調にしたバンドのライブにギタリストとして出演した。
その劇場が昨年3月に閉館。ほぼ同時期に、釧路市が伝統的生活空間「イオル」再生事業の職員を採用するという情報を知った。釧路は辺泥さんの曽祖父五郎さん(故人)の故郷で、「いつか行きたい」との思いを抱いてきた。
五郎さんは1904年(明治37年)の米国セントルイス万国博覧会で、アイヌ民族伝統の家「チセ」を移築し、生活を再現する催しに参加したことで知られる。
辺泥さんは釧路市の嘱託職員の採用試験に受かり、イオル事業の関連業務を行う。仕事以外では、民族伝統の弦楽器トンコリを自宅で作ったり、地域の子供たちにバンド演奏を教えたりしている。一緒に移住した妻も古式舞踊の踊り手として阿寒湖温泉に溶け込んでおり、「ひいじいさんに導かれてここにいる気がする」(辺泥さん)。
イランカラプテ音楽祭には阿寒アイヌ工芸協同組合の秋辺日出男専務理事と2人で出演する。アイヌ民謡をギターやシンセサイザーでアレンジし、自然との共生への願いを込めた曲を披露する。秋辺さんが「阿寒は文化を継承する次世代の担い手が少なく、辺泥は期待の星」と語ると、辺泥さんは照れくさそうに言った。「アイヌ音楽と初めて出会う人にも楽しんでもらえるような演奏をしたい」
イランカラプテ音楽祭 アイヌ語の「イランカラプテ(こんにちは)」を北海道のおもてなしの言葉として普及させる国や道のキャンペーンの一環。イメージソングを歌う 芥川賞 作家の新井満さんや男女デュオのトワ・エ・モワも出演。午後1時半から約2時間の予定で、阿寒湖アイヌシアターイコロで開催。前売りは大人2千円(当日2500円)、小学生以下千円(同1250円)。詳細は実行委(電)0154・67・3200へ。
※イランカラプテの「プ」は小さい字
※イコロの「ロ」は小さい字
http://dd.hokkaido-np.co.jp/entertainment/culture/culture/1-0411258.html