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[東蝦夷地絵巻をみる]狩猟の能力 遊びで培う

2018-03-06 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/05 16:00
 かつて箱館奉行を務めた村垣淡路守(むらがきあわじのかみ)が160年前の1858年(安政5年)、釧路・根室地方を巡視した時の絵巻「東蝦夷地絵巻(ひがしえぞちえまき)」(国立公文書館所蔵)のうち、今回は「土人遊戯ノ図」を取り上げる。描かれているのは、アイヌ民族が輪突きと縄跳びで遊ぶ姿だ。釧路市立博物館学芸員の城石梨奈さんの解説でひもとく。(椎名宏智)
■輪突き遊び
 輪突き遊びは、アイヌ語で「アカム・カチュ(輪を突く)」「ウコ・カリ・カチュ(互いに輪を突く)」などと呼ばれました。道内全域で行われたようです。木の枝やブドウのつるを輪にし、それを転がし、あるいは空に投げるなどして、それを突く遊びは、複数の文献のなかで紹介されています。
 「北夷談(ほくいだん)」(松田伝十郎著、国立公文書館所蔵)には短い解説文があります。意訳すれば「15~18センチの丸い輪をこしらえ、地に転がし、それを投げ、細いさおでこの輪を突きました。遊びとはいえ、それは(やりの)稽古。自然と腕が磨かれ、後に海に出たとき、オットセイやトド、アザラシを捕る(のに役立つ)」となります。
 アイヌ民族の男の子にとって、この遊びは、狩猟や漁労に必要な能力を高めるのに役立ったことでしょう。上達すると、輪の大きさを小さくして遊びの難度を上げたそうです。
 「東蝦夷地絵巻」よりは少人数ですが、函館市中央図書館所蔵の資料「蝦夷古代風俗 上」にも輪突きの様子を描いた絵があります。
 その絵には、「ウコカリシユエ」と読める文字が見えます。これは「互いに輪を振る(投げる行為を連想させる)」という意味に解釈できますので、このような呼び方もあったのかもしれません。
 数人ずつ二手に分かれ、相手側の投げた輪を受け損なうと投げた側に一人取られる遊びだったと伝わっています。
大人と子どもが一緒に
 さて、村垣の「東蝦夷地絵巻」の「土人遊戯ノ図」を見てください。赤ん坊も含め、数えられるだけで19人います。よく見ると、口ひげが伸びた大人が子どもに交ざって、たくさん居ることに気づきます。ひげが描かれている人物を大人だとすると、大人は9人います。そして、その大人が遊びの中枢を担っています。
■機敏さ養う
 縄跳びを見てください。大縄を跳んでいるのは子どもですが、左右で回しているのは大人です。縄跳びは敏しょう性を養うほか、山中で獲物を追うとき倒木やつるに足を取られないための訓練にもなったようです。
 輪突きは、右手で輪をつかみ、「さあ、投げるぞ」と構えている人物がいますが、やはり大人です。左側でさおを宙に突きだし待ち構える人も大人です。
 コタン(村)の大人たちが、子どもたちと一緒になって遊んでいますが、大人が子どもを指導したり訓練したりしているのかもしれません。
■女の子1人
 ところで、遊んでいる19人の中に、女の子とみられる人物が1人います=拡大写真=。縄跳びを跳んでいる子どものすぐ左に描かれ、赤ん坊を背負っています。男の子のように髪をそっていないほか、ただ一人、膝下の露出を避けるもんぺのような衣服を着ています。「私も仲間に入れてほしい」と訴えているのかもしれません。
 赤ん坊の性別は分かりませんが、この絵の中でおそらく女の子だと考えられるのは、この子だけです。
 なぜこの遊びの絵には、男の子ばかり描かれているかというと、当時の男女の役割分担が関わっているのではないかと思います。男性は狩猟や漁労や木彫り。女性は炊事、衣服作り(刺しゅうや織物)といった具合です。
 だから、男の子は男の子の遊びを、女の子は女の子の遊びをしたのでしょう。
 松浦武四郎(江戸末期の蝦夷地探検家)が残した絵図「蝦夷漫画」の中に、女児が砂浜で文様を描いている絵があります。絵の説明文は「女の子は7、8歳の頃から、砂地で衣服の文様を習った」とあります。
 これを女の子にとっての遊びに含めるならば、男の子も女の子も生きてゆく力を遊びで体得していったと言えるでしょう。
東蝦夷地絵巻 村垣淡路守が1858年、函館から日高、釧路・根室地方を巡視したときの絵巻。当時のアイヌ民族の暮らしぶりや道内の光景が描かれている。幅37.8センチ、長さ14.2メートル。絵は数え方にもよるが19枚ある。国立公文書館(東京都)所蔵。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/169464

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テレビアニメの新ビジュアル公開 杉元、アシリパ、土方歳三も

2018-03-06 | アイヌ民族関連
毎日新聞2018年3月5日
野田サトルさんのマンガが原作のテレビアニメ「ゴールデンカムイ」の新たなビジュアルが5日、公開された。主人公の杉元佐一とアイヌの少女・アシリパを中心に、鶴見中尉や土方歳三などが描かれている。
 「ゴールデンカムイ」は、2014年から「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中のマンガ。かつて日露戦争で活躍した“不死身の杉元”が、北海道で死刑囚が隠した埋蔵金の手掛かりをつかみ、アイヌの少女アシリパらと共に冒険を繰り広げる姿を描いている。アイヌの文化や歴史、食事の描写なども評価され、「マンガ大賞2016」で大賞を受賞した。
 アニメは、劇場版アニメ「虐殺器官」(村瀬修功監督)を手がけたアニメ制作会社「ジェノスタジオ」が制作する。小林親弘さんが杉元、白石晴香さんがアシリパをそれぞれ演じる。4月9日からTOKYO MXほかで順次放送される。
https://mainichi.jp/articles/20180305/dyo/00m/200/041000c

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『ゴールデンカムイ』4月9日より毎週月曜 TOKYO MXほかにて放送開始! キービジュアル第2弾&OP・ED詳細情報が解禁

2018-03-06 | アイヌ民族関連
アニメイトタイムズ 2018/3/5 19:45

TVアニメ『ゴールデンカムイ』の放送開始日が、2018年4月9日に決定! 毎週月曜日にTOKYO MXほかにて放送が開始されます。さらに、キービジュアル第2弾が公開となりました。新たなキービジュアルでは主人公の杉元佐一と、アシ(リ)パの2人の背景に、アイヌの埋蔵金の在り処を示す手がかりとなる刺青人皮を狙う鶴見中尉や土方歳三といったメインキャラクターが描かれているビジュアルになっています。
また、OPテーマ&EDテーマについても情報が公開されています。
TVアニメキービジュアル第2弾
放送・配信情報
4月9日より毎週月曜 TOKYO MX、読売テレビ、札幌テレビ、BS11ほかにて放送開始ッ!!
FODにて独占配信!
TOKYO MX:4月9日より毎週月曜23:00~
読売テレビ:4月9日より毎週月曜25:59~
札幌テレビ:4月9日より毎週月曜25:44~
BS11:4月9日より毎週月曜25:00~
時代劇専門チャンネル:4月13日より毎週金曜25:00~
FOD:4月9日より毎週月曜23:30配信
TVアニメ『ゴールデンカムイ』OPテーマ&EDテーマ詳細情報解禁!
オープニングテーマはMAN WITH A MISSION「Winding Road」、エンディングテーマはTHE SIXTH LIE「Hibana」となります。  
<初回生産限定盤> SRCL-9718-19 CD+DVD ¥1,800+税
[CD]
1.Take Me Under
2.Winding Road(TVアニメ「ゴールデンカムイ」オープニングテーマ)
3.The Anthem
4.Dead End in Tokyo [Jagz Kooner Remix]
[DVD]
1.UK TOUR 2018 - Live at The Dome London
2.MISSION MOVIE
<通常盤> SRCL-9720 CD ¥1,200+税
1.Take Me Under
2.Winding Road(TVアニメ「ゴールデンカムイ」オープニングテーマ)
3.The Anthem
4.Dead End in Tokyo [Jagz Kooner Remix]
<アニメ盤> SRCL-9721 CD ¥1,300+税
1.Winding Road(TVアニメ「ゴールデンカムイ」オープニングテーマ)
2.Take Me Under
3.The Anthem
4.Dead End in Tokyo [Jagz Kooner Remix]
■EDテーマCD情報詳細
THE SIXTH LIE「Hibana」
発売日:2018年6月6日(水) GNCA-0532 ¥1,200+税
<収録曲>
1.Hibana(TVアニメ「ゴールデンカムイ」エンディングテーマ)
2.タイトル未定
3.Hibana<Instrumental>
4.タイトル未定<Instrumental>
作品情報
TVアニメ『ゴールデンカムイ』  
原作コミックス累計350万部突破! マンガ大賞2016受賞作! 冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・GAG&LOVE 和風闇鍋ウエスタン! 話題の極上エンターテイメントコミック、ついに! まさかの! TVアニメ化!
4月9日より毎週月曜
TOKYO MX、読売テレビ、札幌テレビ、BS11ほかにて放送開始ッ!!
FODにて独占配信!
TOKYO MX:4月9日より毎週月曜23:00~
読売テレビ:4月9日より毎週月曜25:59~
札幌テレビ:4月9日より毎週月曜25:44~
BS11:4月9日より毎週月曜25:00~
時代劇専門チャンネル:4月13日より毎週金曜25:00~
FOD:4月9日より毎週月曜23:30配信
【スタッフ】
原作:野田サトル(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:難波日登志(「Fate/Grand Order -First Order-」)
助監督:川越崇弘
シリーズ構成:高木登(「黒子のバスケ」)
キャラクターデザイン:大貫健一(「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」キャラクター作画監督)
メインアニメーター:羽山淳一
銃火器設定:渡辺浩二
プロップ設定:浅沼信也
動物設定:墨佳遼
美術監督:森川篤
色彩設計:茂木孝浩
撮影監督:戸澤雄一郎
CGディレクター:奥村優子/濱田康平
編集:定松剛
音響監督:明田川仁
音響制作:マジックカプセル
アイヌ語監修:中川裕
音楽:末廣健一郎
アニメーション制作:ジェノスタジオ
製作:ゴールデンカムイ製作委員会
【キャスト】
杉元佐一:小林親弘
アシ(リ)パ:白石晴香
白石由竹:伊藤健太郎
鶴見中尉:大塚芳忠
土方歳三:中田譲治
尾形百之助:津田健次郎
谷垣源次郎:細谷佳正
牛山辰馬:乃村健次
永倉新八:菅生隆之
【イントロダクション】
舞台は気高き北の大地・北海道!!
アイヌから奪われた金塊を巡る、生存競争サバイバル開幕ッッ!!!
 明治時代後期。「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく北海道にいた。そこにアイヌから奪われた莫大な埋蔵金という、一攫千金のチャンスが舞い込む。埋蔵金は網走監獄に収監中の男によって隠匿され、24人の脱獄囚の身体に刻まれた刺青がその在り処を示す手がかりだという。
そんな折、ヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。名をアシ(リ)パというその少女は、埋蔵金を奪った男に父親を殺されていた。さらに杉元の動きに呼応するように、かねてより埋蔵金を狙って暗躍していた北の最強部隊・第七師団や刺青を背負う脱獄囚たちの動きも顕在化。果たして、雄大な北の大地を舞台に巻き起こった一攫千金サバイバルの行方は……!?
原作は「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の、野田サトルによる大ヒット漫画。既刊のコミックス1~11巻で累計350万部を突破し、マンガ大賞2016に輝いた実績も持つ、いまもっともアツい漫画である。TVアニメ化にあたっては、新進気鋭のスタジオ・ジェノスタジオのもとに難波日登志監督をはじめとする実力派スタッフが集結。埋蔵金を巡るアクション&サスペンスを軸に、狩猟、グルメ、歴史などの五感を刺激する多彩な魅力が炸裂する極上のエンターテイメントが、2018年4月、いよいよアニメーションとなって動き出す!
TVアニメ『ゴールデンカムイ』公式サイト
TVアニメ『ゴールデンカムイ』公式ツイッター(@kamuy_anime)
『ゴールデンカムイ』原作公式サイト
『ゴールデンカムイ』原作公式ツイッター(@kamuy_official)
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1520242984

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更科源蔵「原野というものは、なんの変化もない…」

2018-03-06 | アイヌ民族関連
読売新聞2018年03月04日 04時00分

過酷な自然生活の原体験
原野というものは、なんの変化もない至極しごく平凡な風景である(更科さらしな源蔵げんぞう「熊牛くまうし原野げんや」(1965年))
 北海道東部の弟子屈てしかが町。厳冬期の熊牛原野に立った。白い雪原には、キタキツネの足跡が点々と続く。
 出身の詩人、更科源蔵は「原野の詩人」と称される。「熊牛原野」は原野での生活をつづった自伝。「原野というものは、なんの変化もない至極く平凡な風景である」は冒頭の一節だ。「私はそんな原野の片隅で生うまれ、そこで育った」と受ける。
 同町で農地の開拓が始まったのは明治中期。新潟から熊牛原野に入植した更科の父は、開拓の草分けでもある。「クマウシ」はアイヌ語で「魚を干す棚が多いところ」のこと。豊漁の地を意味するが、本土から渡ってきた和人はいかにも野蛮な漢字を当てた。その地で、更科は1904年に生まれた。開拓者たちは原野の一角を耕し、牛や馬を放牧した。
 更科は原野を遊び場とし、花や昆虫が友だった。原野の自然は過酷で、猛吹雪により死にかけたこともある。30代半ばで町を離れるまで一時、牧畜農家として苦闘した。「君は牛の使用人ではないか」。都会から訪れた友人にはこう揶揄やゆされた。
 〈白く凍いてつく丘に遠い太陽を迎へる厳然たる樹氷であらうとも/森は今断じて遠大な夏を夢見ぬ〉
 代表作「凍原とうげんの歌」の一節だ。「厳しい原野での生活を原体験に、北海道の大自然とそこに生きる人々の生活を肉声でうたい、中央の詩誌に認められた」と、詩人で更科にちなんだ「更科源蔵文学賞」選考委員長の原子はらこ修さん(85)は解説する。
 人々の中には原野で隣人だったアイヌ民族も含まれる。「教科書で教える大和朝廷のエゾ征伐は、和人の勝者の歴史なのでは」。アイヌの子どもらを教えていた代用教員時代、そんな疑問を口にしたところ、思想不穏当として解雇された。権威にも権力にもこびなかった。
 町在住の高田中みつるさん(82)は更科に手を引かれてアイヌの集落を訪れ、ヒグマの魂を神の国に返す「熊送り」を見た。「『更科おじさん』と子どもらに慕われていましたよ」
 「至極く平凡な風景」とは、故郷を卑下しているわけではない。更科にとり、原野は自分という存在の慈しむべき原点なのだから。 (文・阿部文彦 写真・岩佐譲)
更科源蔵
1904~85年。東京の麻布獣医畜産学校(現麻布大)中退。上京時、詩人・尾崎喜八に師事。「智恵子抄」で知られる高村光太郎の影響も受ける。詩集に「種薯」「無明」など。散文も、「熊牛原野」(大和書房「ふるさと文学さんぽ 北海道」に一部収録)のほか、「アイヌと日本人」、自伝的小説「原野シリーズ」など多数。40年、弟子屈町での生活を諦め、札幌市に転居。北海道立図書館嘱託などを経て、道立文学館理事長。「更科源蔵文学賞」は同町の後援で有志が創設。現在は休止中。
 続きは「読売プレミアム」で http://premium.yomiuri.co.jp/pc/
http://www.yomiuri.co.jp/life/travel/meigen/20180301-OYT8T50004.html

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「自助」の精神で運動 /兵庫

2018-03-06 | 先住民族関連
毎日新聞2018年3月5日 地方版兵庫県
 昨年もさまざまな人が亡くなった。私にとり思い出深いのは、アメリカインディアン運動の指導者、デニス・B・バンクスである。平成3年に来日した折、彼の話を聴く会が催されて、私が司会と聞き手役をつとめた。
 ミネソタ州のインディアン居留区に生まれたバンクスは、5歳になる頃入った政府の寄宿学校で、インディアンの言葉を話すことを禁じられた。それから何度も学校を移され、故郷の両親とは12年間会えず、何度か脱走を企てては失敗し、厳しい罰を受けた。
 生活のため17歳で米空軍に入り、横田基地などで過ごし、兵庫県にいたこともある。日本人女性と結婚を決意して除隊を申し出たが認められず、無許可で離隊して逮捕された。
 帰国後、自らのアイデンティティーを取り戻すべく、先住民の権利回復をめざす活動を始める。ラディカルな反体制派とはならず、「自助」の精神を重んじる運動は支持を広げ、その波は全米に及んでいった。米国政府の態度が実際に改められてくるのは、一般には不人気なニクソン大統領の時代であった。
(全文553文字)
https://mainichi.jp/articles/20180305/ddl/k28/070/299000c

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