北海道新聞 09/25 23:11 更新
国土交通省は25日、2021年度北海道開発予算の概算要求額を発表した。総額は20年度当初予算比5%増の6063億円。自然災害への対応などは、金額を明示しない「事項要求」で増額を求めた。国土強靱(きょうじん)化に対する政府の方針が決まっていない上、新型コロナウイルス流行の影響が見通せず、異例となる不確定要素の多い要求となった。
政府は概算要求基準で、新型コロナ対応や災害対策などの「緊要な経費」について、上限なく要求できるとした。だが、国土強靱化の3カ年緊急対策が本年度で終わり、来年度以降の計画が定まっていないことから、国交省は災害対応について事項要求とした。
その他の事業も「新型コロナの感染状況次第で、実施できる規模が変わってしまう」(国交省幹部)状況。一般公共事業費にあたる北海道開発事業費の概算要求額は例年だと当初予算比のおおむね20%増としていたが、今回は6%増の5944億円ととどめ、感染状況を見極めた上で、大幅な増額を目指すことにした。
現時点での要求額のうち、増額が目立つのは「農林水産基盤整備」で同25%増の1467億円。生産性向上に向けた農地の大区画化や胆振東部地震で被災した山林での造林、林道整備などに手厚く予算配分する。
第8期北海道総合開発計画の「推進等経費」は96%増の1億円。アイヌ文化関連費は3%増の17億円で、胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の年間100万人来場を目指し、コロナ対策を強化する。
開発予算は1997年度をピークに年々削減されたが、13年度以降は国全体の一般公共事業費の増額に比例する格好で増加傾向。国交省幹部は「現時点で示せた額は、あくまで全体の一部。激甚(げきじん)化する災害など課題克服に必要な予算を十分に確保していきたい」としている。(酒井聡平)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/464147
国土交通省は25日、2021年度北海道開発予算の概算要求額を発表した。総額は20年度当初予算比5%増の6063億円。自然災害への対応などは、金額を明示しない「事項要求」で増額を求めた。国土強靱(きょうじん)化に対する政府の方針が決まっていない上、新型コロナウイルス流行の影響が見通せず、異例となる不確定要素の多い要求となった。
政府は概算要求基準で、新型コロナ対応や災害対策などの「緊要な経費」について、上限なく要求できるとした。だが、国土強靱化の3カ年緊急対策が本年度で終わり、来年度以降の計画が定まっていないことから、国交省は災害対応について事項要求とした。
その他の事業も「新型コロナの感染状況次第で、実施できる規模が変わってしまう」(国交省幹部)状況。一般公共事業費にあたる北海道開発事業費の概算要求額は例年だと当初予算比のおおむね20%増としていたが、今回は6%増の5944億円ととどめ、感染状況を見極めた上で、大幅な増額を目指すことにした。
現時点での要求額のうち、増額が目立つのは「農林水産基盤整備」で同25%増の1467億円。生産性向上に向けた農地の大区画化や胆振東部地震で被災した山林での造林、林道整備などに手厚く予算配分する。
第8期北海道総合開発計画の「推進等経費」は96%増の1億円。アイヌ文化関連費は3%増の17億円で、胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の年間100万人来場を目指し、コロナ対策を強化する。
開発予算は1997年度をピークに年々削減されたが、13年度以降は国全体の一般公共事業費の増額に比例する格好で増加傾向。国交省幹部は「現時点で示せた額は、あくまで全体の一部。激甚(げきじん)化する災害など課題克服に必要な予算を十分に確保していきたい」としている。(酒井聡平)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/464147