北海道新聞 09/28 23:32
【新ひだか】日高管内新ひだか町三石地区の三石アイヌ協会(幌村司会長)は28日、東大が保管するアイヌ民族の遺骨のうち同地区で出土した1体について、10月4日に東大から返還を受けることが決まったと発表した。文部科学省によると、身元不明の遺骨でも出土地のアイヌ民族団体に返還できる手順を定めた、2018年策定の政府指針に基づく初めての返還例となる。
返還される遺骨は身元不明だが、国は明治期に研究目的で同地区の墓地から持ち去られたとしている。同協会は10月4日に現地で東大職員から遺骨を受け取り、カムイノミ(神への祈り)を行って納骨堂に納める。
政府は従来、身元が分かる遺骨は遺族に返し、不明なものは「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)に集約する方針だった。しかし、身元が分かる遺骨は少なく、各地のアイヌ民族団体などによる提訴と和解によって返還が実現したことから方針転換。指針をつくり、大学が保管する遺骨をアイヌ民族団体に返還できるようにし、出土地など各遺骨の情報を公開した上で、昨年4~10月に各団体から返還申請を受け付けた。
ただ手続きには、当該団体から埋葬・慰霊の規模などを記した申請書類の提出を受け、団体が遺骨を継続的に維持管理できるかなどを第三者委員会の意見を踏まえ確認する必要もある。
文科省によると、返還申請の対象となった遺骨は三石と日高管内平取、日高両町、紋別市の計42体で、返還が決まったのは三石が初めて。同協会関係者は「三石は遺骨が1体で相手が東大だけだったため早く進んだ」と見る。
文科省は「アイヌ民族の人々による尊厳ある慰霊の実現が図られるよう引き続き対応したい」としている。(横田望、大能伸悟)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/464981
【新ひだか】日高管内新ひだか町三石地区の三石アイヌ協会(幌村司会長)は28日、東大が保管するアイヌ民族の遺骨のうち同地区で出土した1体について、10月4日に東大から返還を受けることが決まったと発表した。文部科学省によると、身元不明の遺骨でも出土地のアイヌ民族団体に返還できる手順を定めた、2018年策定の政府指針に基づく初めての返還例となる。
返還される遺骨は身元不明だが、国は明治期に研究目的で同地区の墓地から持ち去られたとしている。同協会は10月4日に現地で東大職員から遺骨を受け取り、カムイノミ(神への祈り)を行って納骨堂に納める。
政府は従来、身元が分かる遺骨は遺族に返し、不明なものは「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)に集約する方針だった。しかし、身元が分かる遺骨は少なく、各地のアイヌ民族団体などによる提訴と和解によって返還が実現したことから方針転換。指針をつくり、大学が保管する遺骨をアイヌ民族団体に返還できるようにし、出土地など各遺骨の情報を公開した上で、昨年4~10月に各団体から返還申請を受け付けた。
ただ手続きには、当該団体から埋葬・慰霊の規模などを記した申請書類の提出を受け、団体が遺骨を継続的に維持管理できるかなどを第三者委員会の意見を踏まえ確認する必要もある。
文科省によると、返還申請の対象となった遺骨は三石と日高管内平取、日高両町、紋別市の計42体で、返還が決まったのは三石が初めて。同協会関係者は「三石は遺骨が1体で相手が東大だけだったため早く進んだ」と見る。
文科省は「アイヌ民族の人々による尊厳ある慰霊の実現が図られるよう引き続き対応したい」としている。(横田望、大能伸悟)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/464981