先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

記事で名誉毀損 道新、本間氏と争う姿勢 札幌地裁初弁論

2024-08-28 | アイヌ民族関連

古田裕之 会員限定記事

北海道新聞2024年8月27日 18:51

 アイヌ民族の女性が人権侵犯の被害を申し出たと報じた記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、政治団体「新党くにもり」元代表の本間奈々氏が、北海道新聞社と朝日新聞社に慰謝料など計660万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が27日、札幌地裁(布施雄士裁判長)であった。道新、朝日両社は請求棄却を求めた。

 道新側は答弁書で、記者会見での女性の言い分や主張を報じており、名誉毀損に当たらないと主張。・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1055292/


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気鋭の写真家の力作170点 東川で公募展

2024-08-28 | アイヌ民族関連

山中悠介 有料記事

北海道新聞2024年8月27日 18:40(8月27日 19:10更新)

気鋭の写真家の作品が並ぶインディペンデンス展

 【東川】気鋭の写真家らによる公募展「インディペンデンス展」が町文化ギャラリー(東町1)で開かれ、訪れた人の目を楽しませている。9月2日まで。

 同日まで開催中の第40回東川町国際写真フェスティバル(写真の町実行委主催)の一環で毎年開催。第一線で活躍する評論家や学芸員から直接講評を聞くことができることや、優秀作品はカメラ誌に作品が掲載されることも特色となっている。

 ・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1055274/


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三菱重工爆破事件50年 日本の加害責任問う犯行グループの主張 今に通じる問題提起

2024-08-28 | アイヌ民族関連

今川勝照 会員限定記事

北海道新聞2024年8月27日 18:03

爆破されビルの窓枠などが散乱する三菱重工ビル前の通り=1974年8月、東京・丸の内

 1974年に8人が死亡した三菱重工爆破事件から30日で50年となる。複数の道内出身者を含む犯行グループは翌年に一斉逮捕されたが、後に超法規的に釈放された2人が今も逃亡中で、社会を震撼(しんかん)させた事件は終わっていない。一方、東アジア諸国を植民化した日本の加害責任を問うたグループの告発は現代社会に通じる課題だとの声もあり、50年の節目に事件を問い直す動きも出ている。

 死者たちに如何(いか)にして詫(わ)ぶ赤とんぼ/ゆく秋の死者に請はれぬ許しかな

 事件を起こしたのは「東アジア反日武装戦線・狼(おおかみ)部隊」。獄中の2017年に68歳で病死した狼リーダー格の大道寺将司元死刑囚=釧路市出身=は晩年、悔悟と謝罪の意を示す俳句を数多く残した。

■「日本は加害責任果たさずに戦後も経済侵略」と主張

 事件は日中の東京・丸の内で起き、爆風やビルから降り注いだ大量のガラス片で8人が死亡、約380人が重軽傷を負った。

 当時はベトナム戦争末期。日本は米軍の拠点となり、戦争を支える経済活動で朝鮮戦争特需以来の恩恵を受けていた。

 狼はこうした時代背景の下、「日本帝国主義」は国内でアイヌ民族、海外では東アジア諸国を植民地化し、加害責任を果たさずに戦後も経済侵略を続けていると主張。海外進出する企業を標的に爆弾闘争を展開した。

 逮捕された大道寺元死刑囚らは公判で、三菱重工に予告電話をかけたことなどを挙げ、一貫して殺意を否定した。

 だが、市民を巻き添えにした闘争は「無差別テロ」と指弾され、新左翼の内ゲバや連合赤軍のリンチ殺人に続き、当時の左翼系社会運動への世論を急速に冷え込ませた。

 79年の一審判決も「わが国の犯罪史上空前の残虐、凶悪、卑劣な犯行」と断じ、殺意を認定。87年の最高裁判決で確定した。

 同郷のいとこで獄中の大道寺元死刑囚の救援活動を続けた太田昌国さん(80)=東京在住=は「人を殺すつもりはなかったと言っても、計画の詰めの甘さ、思想的な未熟さがあったと言わざるをえない」と指摘する。

 一方、死の前年に面会した元死刑囚が「人を殺した人間と殺していない人間では決定的な違いがある」と話したと明かし、こう語る。「彼は死ぬ間際まで、いくら言葉を尽くしても取り返しがつかず、許されることはないと悔い続けた」

■知人と書簡交わし自己批判

 大道寺元死刑囚は獄中で知人と多くの書簡を交わした。82年には中学校の同級生で、アイヌ文様刺しゅう家チカップ美恵子さんへの手紙で「日本人民とともに歩んでいかなくてはならないという最も基本的なことを忘れていた」とし、爆弾闘争を「独善的で偏狭な考え方の結果」と自己批判した。

 ・・・・・・

 計10回の講座は3回が終わり、上野千鶴子さんらが講師となって来春まで続く。問い合わせは電話03・3812・4645へ。

 <ことば> 東アジア反日武装戦線 1974年8月の三菱重工爆破事件を皮切りに75年5月までに大手ゼネコンや商社を標的に計12件の企業爆破事件を起こした。三菱重工を標的にした「狼」をはじめ、「大地の牙」「さそり」の3派が緩やかに連携しつつ、個別に活動した。75年5月以降、計9人が逮捕され(うち1人は自殺)、87年に2人を死刑、1人を無期懲役刑とする判決が確定した。だが、日本赤軍が米大使館を占拠した75年の「クアラルンプール事件」と日航機をハイジャックした77年の「ダッカ事件」を受け、計3人が超法規的に釈放され、海外に逃亡した。うち1人は95年に再逮捕されたが、小樽市出身の佐々木規夫容疑者(76)と大道寺将司元死刑囚と高校同級の妻あや子容疑者(75)は今も逃亡中で国際手配されている。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1055227/


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北海道開発予算、20%増の6856億円 デジタル産業支援 国交省概算要求

2024-08-28 | アイヌ民族関連

鈴木孝典 会員限定記事

2024年8月27日 9:41(8月27日 11:09更新)

国土交通省は27日、2025年度北海道開発予算の概算要求額を発表した。24年度当初予算比20%増の6856億円とし、防災・減災対策の推進や交通インフラ強化に加え、千歳市で次世代半導体の量産を目指すラピダス(東京)を念頭にしたデジタル関連産業の支援に重点を置いた。

 24年度当初予算比の伸び率は国交省全体の概算要求額(18%)を上回り、要求額が6千億円台となるのは11年連続。一般公共事業費に当たる北海道開発事業費も20%増の6734億円。25年度が最終年となる「防災・減災、国土強靱化(きょうじんか)のための5カ年加速化対策」に基づく予算は金額を示さない事項要求とした。

 道路整備は20%増の2617億円。25年度開通を予定する北海道縦貫自動車道音威子府バイパスなどの整備や、札樽道と札幌市の中心部を結ぶ「都心アクセス道路」の予算も確保する。治水事業は19%増の1122億円で、水害対策計画を策定している千歳川流域の浸水対策を進める。

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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1055001/


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山崎賢人らドラマ「ゴールデンカムイ」の魅力語る、鯉登少尉役の中川大志は「眉毛に感謝」

2024-08-28 | アイヌ民族関連

映画ナタリー 2024年8月27日 20:56 

山崎賢人山田杏奈中川大志らが本日8月27日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた「連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」の完成披露試写会に出席。映画の続きを描くドラマシリーズのイベントに、総勢10名のキャストが集結した。

「連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」完成披露試写会の様子。上段左から桜井ユキ、中川大志、池内博之、柳俊太郎、塩野瑛久。下段左から矢本悠馬、玉木宏、山崎賢人、山田杏奈、舘ひろし。

大きなサイズで見る(全21件)

ゴールドラッシュに沸いた明治の北海道を舞台にした本作は、アイヌが遺した莫大な埋蔵金を狙う元陸軍兵・杉元佐一と、彼と行動をともにするアイヌの少女・アシリパの冒険物語。ドラマでは、金塊の在りかを示す暗号が刻まれた刺青を背負う囚人狩りが本格化し、それぞれの過去や信念が解き明かされていく。

この日は杉元役の山崎、アシリパ役の山田のほか、“脱獄王”の異名を持つ白石由竹役の矢本悠馬、双子の軍人・二階堂浩平 / 洋平役の柳俊太郎、大日本帝国陸軍第七師団の中尉・鶴見篤四郎役の玉木宏、金塊を狙う元新選組・土方歳三役の舘ひろしら続投キャストが集合。ドラマから出演する、土方に魅了される奥山夏太郎役の塩野瑛久、札幌世界ホテルの女将・家永カノ役の桜井ユキ、エリート少尉・鯉登音之進役の中川、アシリパを探すアイヌの男キロランケ役の池内博之も登壇した。

山崎は「あの映画は序章にすぎなかった……!という感じでドラマが始まっていきます」と挨拶し、舘も「映画を超えるスケール感でできあがってる。ぜひ最後まで楽しんでほしい」と呼びかける。山崎は、くせの強いキャラクターが多数登場するドラマの魅力を聞かれ、「全部です!」と堂々宣言し、「そう言いたくなるぐらい、ドラマから登場するキャラクターはみんなくせが強くて、濃い。全員印象に残ってます。萩原(聖人)さんの辺見とか、すごいです。もう全員」と回答。玉木も、そのキャラクター陣の濃さに「第七師団はヤバいやつらばっかり。ドラマを全部観て改めて思いました。本当にヤバいやつしかいない。それぐらい見応えがあります」と語った。

8月22日に鯉登音之進を演じることが発表されたばかりの中川。山崎は「満を持しての発表。すごく魅力的な鯉登少尉だった。大志と共演するのもかなり久々でうれしかったです。大志の鯉登少尉が出てきて『ドラマの成功を確信した』とスタッフの皆さんも言ってました」と期待を述べる。10代の頃から知っている間柄の中川は「ちょっと照れくさかったですね(笑)。でも僕はあとからの合流だったので、ドキドキしてました」と振り返る。

中川は鯉登を演じるに当たって、ビジュアル面の打ち合わせを入念に重ねたそう。「まずは眉毛ですかね。すごく特徴的なのでこだわりました。あの眉毛を初めて付けたとき、鏡を見て『鯉登じゃん!』と思いました。自画自賛ですが(笑)」と明かしつつ、「あの眉毛には感謝してます。(役の)スイッチを入れてくれた」と述懐。鯉登の薩摩弁や示現流の剣術についても「かなり大事に演じました」と話した。

山田はドラマの注目ポイントを「アシリパの出生が金塊争奪戦にどう関わってくるのか、だんだんとドラマの中で明らかになってくる。そこにアシリパがどう対峙するのか観ていただけたら」と解説。さらに「あとはグルメですね。映画に引き続きたくさん出てくるので、そこはお楽しみに」とアピールする。また映画と同様にアシリパの変顔などコミカルなシーンも多く、「面白いシーンは、映画よりも盛りだくさんかもしれない」と期待を煽った。

このほかのキャスト陣も口々に映画の魅力を語る。両耳を失っている二階堂浩平を演じた柳は「ビジュアル、けっこうインパクトがあります。ヘッドギアを被ってるんですが、あごの部分に耳を付けて、頭に乳首を付けて……(笑)」と奇怪なビジュアルを紹介し、家永と同じく口元にほくろがある桜井は「まあまあ同じ位置にありまして。実際の撮影でも、このほくろを生かして撮影してます。そこは運命を感じたところ」と述懐。さらに、家永がある人物の目玉を舐めるシーンに触れ、「誰とは言わないですが、女優さんの目ん玉を舐めたのは初めて。未遂ですけど、ちょっと申し訳ないぐらいの距離。完成したものを観ても距離が近くてびっくりました」と明かす。池内はキロランケが持つマキリ(小刀)の魅力を「アイヌの伝統工芸品を作ってらっしゃる貝澤徹さんに作っていただいたもの。本当に美しくて、かっこいい。繊細で素敵でもあって、感動しました」と話した。

野田サトルのマンガを原作にした全9話の「連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」は、WOWOWで10月6日より放送・配信。

※山崎賢人の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
※柳俊太郎の柳は木へんに夘が正式表記
※アシリパのリ、インカラマッのラは小文字が正式表記

https://natalie.mu/eiga/news/588368


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難題のオファーに戸惑いながら…北方領土問題を“笑い”に変えて語り継ぐ 北海道出身芸人の挑戦

2024-08-28 | アイヌ民族関連

HTB2024年8月27日

ソ連が北方四島に侵攻してから、8月28日で79年です。元島民の高齢化が進み、北方領土問題への関心が薄れているといわれる中、北海道出身の芸人が「笑いで語り継ぐ」という挑戦を始めました。

《アップダウン》

札幌市出身の阿部浩貴さんと道南の森町出身・竹森巧さん。芸歴28年のお笑いコンビ「アップダウン」は歴史をテーマにした漫才や芝居も手掛けています。きっかけは2012年。当時、芸人として目標を失っていた竹森さんが鹿児島県にある特攻隊の資料館を訪れ、「日本の重い歴史を伝えたい」と決意。アイヌ民族、特攻隊と、さまざまなテーマに挑むなか、長崎の被爆2世から原爆体験を伝承する漫才を依頼されました。笑いだけではなく、被爆体験をつづった手記に描かれたシーンの熱演も交え、1ステージ30分ほどの漫才を制作しました。

■~原爆体験伝承漫才のライブ映像~

悲惨な体験を「漫才」で伝えていいのだろうか。2人は葛藤し、完成した台本を何度も書き直しました。そのステージは被爆者らにも受け入れられ、今では長崎総科大附属高校など平和学習として取り入れる学校もでてきました。。

高校生)「平和学習と聞いたら堅いイメージがあるんですけれど、とてもわかりやすかった」

高校生)「記憶に残るし体験できないことだと思うので、良いと思いました」

《難題のオファーに困惑も》

アップダウンの漫才に惹かれた女性が札幌にいます。北方領土返還運動や語り部の育成を担う千島歯舞諸島居住者連盟で働く森田多江子さんです。去年11月、公演を見た後のアンケートに、「原爆体験伝承漫才がアリなら北方領土漫才もアリなのではないか」と思いをしたためました。

森田さんの想いを知ったアップダウンが、自分たちがパーソナリティを務めるラジオ番組にゲストとして招きました。

森田さん)「若い世代がなかなか関心を持ってくれないというのがちょっと我々の悩ましいところで、原爆の漫才を見たときに、北方領土そのものを伝えてもらえないかなと…」

阿部さん)「北方領土漫才?…」

竹森さん)「またすごい難題がふりかかってきましたけれども…」

《とりあえず資料集めから》

普段、漫才を作る時は資料集めから始めます。この日2人は札幌の千島連盟事務所へ向かいました。

阿部さん)「まだ北方領土、本当に一般常識くらいしか知らないので、実際にどういったことを思っているのかをお聞きしようかと思って」

竹森さん)「本当にまだ作れるかどうかさえ分からない…またその北方領土ですからねぇ。どうなりますかね」

森田さんが2人に差し出したのは島の暮らしを記録した写真集です。

阿部さん)「あーすごい、運動会!」「クジラの上に乗ってる」

竹森さん)「これから食べようと思っているものの上に乗ってる」

阿部さん)「こういうの見るとやっぱり当たり前ですけど、日本人が生活していたんだなと思いますよね。でも正直まだわからないです。まだもっと深く知らないと輪郭が見えてこない部分があるんですけれど。長崎原爆は漫才という形でやりましたけれど、表現の仕方をどうするのかもまだ決めていない」

竹森さん)「まだ漫才にするかどうかも分からないと言ってましたけれど…漫才です」

《国後島を望む町で聞いた壮絶な体験とは》

資料集めの次は直接、取材に出向きます。訪れたのは国後島をすぐ目の前に望む道東の羅臼町。引き揚げてきた元島民も多く住んでいます。相方の阿部さんは別の仕事で訪れることができなかったため、竹森さんが一人で聞き取ります。

国後島出身・飯塚幹雄さん)「急に大きなソ連の軍艦が入ってきたのさ。何もわからないから『お、軍艦来たな』って小さいながらにね。区長の人たち慌てて来てさ、『女、子どもは隠れろ!』って。俺もおふくろにつかまったままで、それくらいしか記憶ない。おっかなくて。拳銃持って入ってきたんだ」

竹森さん)「もしかしたら殺されるかもしれないですしその恐怖は相当ですよね」

初めて直接聞いた、当時の壮絶な経験。竹森さんは元島民から聞いた話も元にして漫才を作ることを決意しました。

竹森さん)「いや…やっぱりその実際の話を聞くだけで、『腑に落ち方』が全然違いますよね。そういう経験がないので、ちょっと壮絶でしたね」

飯塚さん)自分の住んでいる島をアピールするようなものだ。それを笑いにしてもらえればなお良いと思う」

《漫才作りがスタート!》

歌手としても活動する竹森さんはこの日、ライブを開催。元島民や後継者だけではなく、北方領土にゆかりのない人も大勢集まりました。

竹森さん)「北方領土の漫才を作ることになりました~!羅臼の皆さん、ぜひとも今日を境に私たちのことを知っていただいて、応援ご協力をお願いできないでしょうか」

ついに動き出した、前代未聞のチャレンジ。今年11月ごろの完成を目指しています。

羅臼町民(色丹島出身)「みんなに漫才は力を与えてくれる、楽しませてくれる私は大変うれしいです」

羅臼町民)「すごくありがたいことだと思います。忘れられていきそうな感じなので」

竹森さん)「これはもうがっちり作るぞと気持ちが引き締まりました。もちろんメッセージをちゃんと届けるというのが前提で、そこに本当に面白いなと思えるような漫才を作りたいなと思っています」

https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/難題のオファーに戸惑いながら-北方領土問題を-笑い-に変えて語り継ぐ-北海道出身芸人の挑戦/ar-AA1pvgkF?apiversion=v2&noservercache=1&domshim=1&renderwebcomponents=1&wcseo=1&batchservertelemetry=1&noservertelemetry=1#fullscreen


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アラスカで暮らす絵本作家にインタビュー!今年度 低学年向け課題図書『アザラシのアニュー』 作者・あずみ虫さん (童心社)

2024-08-28 | 先住民族関連

ダ・ヴィンチ 2024/8/27

本年度の「青少年読書感想文全国コンクール」課題図書(小学校低学年の部)に選ばれた 『アザラシのアニュー』(あずみ虫・作)は、タテゴトアザラシのあかちゃんが成長する姿を描いた物語絵本です。
前作『ホッキョクグマのプック』につづき、南東アラスカのシトカで暮らしながら、絵本の創作をしているあずみ虫さんに、お話を伺いました。

――アラスカに拠点を移されたきっかけから伺います。

星野道夫(*1)さんの写真と文章がきっかけです。
美しいアラスカの大自然と、ひたむきに生きる野生動物たちの姿を写真と文章で表現されていて、深い愛情を感じ、以前からアラスカという場所に憧れを抱いていました。
絵本の仕事を通して野生動物を描く機会が増え、実際にアラスカに行きたいと思うようになりました。2018年に初めて訪れてからはすっかり魅了されて、今は1年の半分をアラスカで過ごしています。

アラスカに来て、野生動物たちに日常的に出会うようになりました。
家の前の海岸には、ときどきザトウクジラやコククジラがやってきます。トドやラッコ、アザラシなどが現れることもあります。海岸沿いでサーフパドルボードに乗っているときに、クジラが岸辺のそばに来たことがありました。私のボードのすぐそばをぐるぐると回りながら泳いで、ヒレがボードにあたる程、近くにやってきてくれました。
家から車で5分くらいのところには草原があって、そこにもいろんな野生動物がやってくるので、毎日観察しています。ヒグマの親子もやってきます。
春の時期のヒグマたちは草を毎日何時間もムシャムシャ食べています。時々子グマが食べるのにつかれて、ごろんと横になったりして。(笑)
もう少しすれば森のあちこちで野生のベリーが実り、夏から秋にかけては川を遡上するサーモンを捕まえて食べます。観察していると、母熊が子グマに授乳をしたり、親子でくっついて眠ったり、様々な姿を見せてくれて、そのひとつひとつが愛おしいです。

――絵本の『サリーのこけももつみ』(ロバート・マックロスキー文・絵、岩波書店)の世界みたいですね……!

草原は河口にあって、そこにはカモの親子もいます。
母ガモが背中に子どもをたくさん乗せて泳いだりして、とても愛らしいです。クマの親子の隣でカモの親子を見れたり、ハクトウワシやシカが現れたり、リスはそこら中を走っていたり、他にも、小さなハミングバード(ハチドリ)が飛んできて、私の顔の前でホバリングすることも!
そういった野生動物に出会えたときの感動は、本当に言葉にできません。もっと絵本を描きたいのですが、時間が足りなくて……。車のなかに画材をいつも置いていて、動物たちが現れるのを待っている時間に絵を描いています。

――アラスカで暮らすなかで、野生動物の観察の他にも、印象的なエピソードはありますか?

クリンギット族のクランハウス(アラスカ・ケチカン)

先住民族の方たちとの出会いでしょうか。
アラスカに昔から住んでいる先住民族には、一定の数の野生動物の狩猟が文化として認められています。狩猟で得たクジラ、アザラシ、カリブー(トナカイ)などの肉や油を保存していて、みんなで分け合って大切に食べています。

以前に北アラスカのシシュマレフ村に行ったときに、そこに住むおばあさんに「昨日の残りのスープ食べる?」と、カリブーのスープをごちそうになったことがありました。大切な命をいただいているのだと実感しました。

春先には、シトカにはたくさんのニシンが産卵にやってきます。
日本ではニシンをとって、お腹をさいて魚卵と卵巣を数の子にしますが、アラスカの先住民族の方たちは産卵後の卵を収穫するんです。ヘムロックという木の枝を海にしずめておくと、そこにニシンが卵をうみつけます。ヘムロックの枝を引き上げると、たわわに実る果実のように卵が枝にぎっしりついているのですが、みんなで分け合い、食べています。
サーモンも大切にされている食べ物の一つです。冷凍したり、スモークして瓶詰めにしたものを、お互いに贈りあったりします。スモークサーモンは香ばしい風味がとても美味しく、常温で長期間保存ができます。先住民の人々に昔から伝わってきた暮らしの知恵ですね。

――身近な生き物たちから命をいただきながら、人間も自然のサイクルの中で暮らしているのですね。厳しい冬を乗り越えるための知恵も、食文化にも反映されているのですね。

――『アザラシのアニュー』について、タテゴトアザラシを描こうと決めたきっかけなどあれば教えてください。

タテゴトアザラシの赤ちゃんの可愛い姿に惹かれました。また、生まれてからたったの2週間で母親と別れるという生態に衝撃を受け、そのことを軸に絵本を作ってみたいと考えました。
実際にタテゴトアザラシの母親と赤ちゃんが別れるときの映像を見たのですが、離れていくお母さんに向かって赤ちゃんは何度も鳴くのです。見ているこちらからすると胸が痛くなるような悲しい声に聞こえてきました。その後、成長してたくましく生きていくことも含めて、親離れしていく子アザラシの姿を描きたいと思いました。
前作『ホッキョクグマのプック』は、2年という長い期間子育てをするホッキョクグマの親子の愛情を描いた作品でした。今回は、そこから一歩ステップアップするような、子どもが成長していく様子を描いたお話になっています。

 

――わが家でもこの絵本を読みましたが、子どもたちはアニューの気持ちに共感しながら聞いていました。アニューの気持ちを描く上で工夫された点があれば教えてください。

アニューの目の表情でしょうか。
おかあさんと一緒にいるときは安心しきっているうれしい気持ちを、独り立ちしたアニューが勇気をだして泳ぎ出す場面では、たくましい気持ちを、目で表現したいと思いました。

――アニューのいろんな表情が見られるのがこの本の魅力のひとつですね。「水に入るのがこわい」とベソをかきながらも、がんばるアニューの姿が可愛いらしく、心に残ります。

子どものころ、『モチモチの木』(斎藤隆介 作/滝平二郎 絵、岩崎書店)が好きでした。主人公の男の子は泣き虫で甘えん坊ですが、病気で倒れたおじいさんのために、こわい夜道を懸命にひとりで走ります。その姿にすごく感情が動いたんですよね。
今回のアニューもひとりで懸命に危機をのりこえながら成長していきますが、そんな姿に共感してくれたらいいなと思っています。

アザラシのアニュー

作:あずみ虫

出版社からの内容紹介

さむい冬のある日。地球の北のほうにある海の氷の上で、タテゴトアザラシのあかちゃんがうまれました。おかあさんはあかちゃんに、アニューとなまえをつけました。アニューは、おかあさんのおちちをのんですくすくそだちます。ある日、おかあさんがうみにでかけると……。

アラスカに滞在して制作をする絵本作家・あずみ虫が描く、野生動物たちの物語。小さな子どもから楽しめるストーリーで、動物への興味の入り口となる絵本です。アザラシのあかちゃんが一生懸命に成長する姿を、親しみやすいイラストで描きます。巻末には、アザラシの生態を解説するページも収録。

監修協力:村田浩一(よこはまズーラシア動物園園長)

ホッキョクグマのプック

作:あずみ虫

本記事は「絵本ナビ」から転載しております

https://ddnavi.com/ehonnavi/1381824/a/


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