北海道新聞2024年12月3日 21:41(12月3日 21:43更新)
日本遺産「炭鉄港」の構成遺産の一つ「旧住友奔別炭鉱立て坑やぐら」=三笠市幾春別町
【岩見沢】市内で1日に開かれた日本遺産「炭鉄港」の認定5周年を記念した空知総合振興局主催のフォーラムでは、来年度の文化庁による日本遺産の再認定に向けた審査が行われるのを前に、3人のパネリストが5年間を振り返り、今後の課題などを示した。主な内容を紹介する。
パネリストは、街歩き研究家として知られる和田哲さん(52)、炭鉱遺産の保存と活用などに取り組む岩見沢のNPO法人・炭鉱(ヤマ)の記憶推進事業団の平野義文理事長(54)、栗山町の「小林酒造」の社長小林米三郎さん(61)の3人。日本観光振興協会総合研究所顧問の丁野朗(ちょうのあきら)さん(73)が進行役を務めた。
和田さんは炭鉄港の魅力について紹介した。
北海道の地名はアイヌ語の音に漢字や片仮名を当てているケースが多く、「三笠市の幾春別(いくしゅんべつ)もその一つ」と指摘。「最初は『郁春別』と書かれていたが、いつからか『幾春別』に変わった。これは『幾つもの春を別れている』という炭鉱で働く人の感情が表れたのではないか」と推察した。炭鉄港では炭鉱の立て坑やぐらなど有形の遺構を「構成遺産」としているが、「幾春別の地名のように、形のない遺産もたくさんある」と語った。
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