台湾トゥデイ 2024/12/03
スウェーデン、イギリス、オランダ、ドイツ、オーストリアなど欧州各国の国立博物館の研究員で構成する訪問団が2日、台湾の原住民族委員会を訪問した。(原住民族委員会)
スウェーデン、イギリス、オランダ、ドイツ、オーストリアなど欧州各国の国立博物館の研究員で構成する訪問団が2日、台湾の原住民族委員会を訪問した。双方は各国の博物館運営の経験を共有したほか、今回の交流をきっかけとして、台湾先住民族の文物と海外の博物館の収蔵品を通した交流と発展の可能性について模索した。
対応した原住民族委員会の鍾興華(パイワン族の氏名はCalivat・Gadu)副主任委員(副大臣に相当)は、「台湾はオーストロネシア語族の発祥地であると同時に、豊かな文化資源を保存している」と指摘。また、こうした文化の保存や普及を強化するため、高雄市(台湾南部)の澄清湖園区に「国立原住民族博物館」を設置する計画を進めていることを明かし、「これは台湾で初めての国家レベルの先住民族博物館であるだけでなく、世界のオーストロネシア語族にとっての博物館にもなる。各国の観光客がこの博物館を参観することで、台湾の先住民族やオーストロネシア語族が残した先人の知恵や文化について理解を深めてもらえれば」と期待を寄せた。
原住民族委員会によると、国立原住民族博物館籌備処(準備処)は2025年初頭に設置される。博物館自体の完成は2031年で、2032年の開幕を予定している。将来的には台湾先住民族やオーストロネシア語族の文物の展示や、生態系を利用した教育や体験などを通して、先住民族たちの手によるクリエイティブ産業や周辺の観光・旅行産業の発展につなげたい考えだ。原住民族委員会は、今回の交流を台湾先住民族と海外の博物館との意思疎通のプラットフォーム確立のきっかけにするとともに、欧州各国の博物館研究員から得られた博物館運営の経験や意見などを今後の博物館業務の重要な参考にしていきたいとしている。