先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌ民族の歴史、文化触れる 帯広百年記念館学芸員、明治期の調査紹介

2024-12-03 | アイヌ民族関連

伊藤駿 有料記事

北海道新聞2024年12月2日 21:51(12月2日 22:12更新)

講演会で「中村要吉がアイヌ語と日本語の通訳をたびたび担っていた」と語る欠ヶ端和也学芸員

 帯広百年記念館の博物館講座「近代文学者の見た十勝アイヌ」が11月30日、同記念館で開かれた。同館の欠ヶ端和也学芸員が市民44人を前に、明治期にアイヌ民族のコタン(集落)を調査した文学者や新聞記者らを紹介した。

 明治の小説家、岩野泡鳴(ほうめい)や新聞記者の山本露滴(ろてき)が、それぞれ音更のコタンを訪れたことを記した文章などを紹介。十勝の郷土研究団体「蝦夷(えぞ)考古会」に山本ら新聞記者と、音更のアイヌコタン出身の中村要吉が所属しており、欠ヶ端学芸員は「蝦夷考古会がアイヌとの調整役を担っていた」と説明した。

 ただ、当時の文章にはアイヌ民族に対する差別的表現や間違った記述もあり、・・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1095749/


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アイヌ民族古老題材の企画展 研究員が意義解説 幕別で講演会

2024-12-03 | アイヌ民族関連

安達杏奈 有料記事

北海道新聞2024年12月2日 21:49(12月2日 22:13更新)

川奈野一信さんの半生を題材にした企画展について解説した講演会

 【幕別】横浜市立大客員研究員の吉本裕子さんによる講演会が、町内の札内コミュニティプラザで開かれた。2017~18年に日高管内平取町など道内で開催したアイヌ民族の古老の半生を題材にした企画展を振り返り、意義などを語った。

 企画展「エカシの記憶を辿って~昭和のアイヌのくらし~」は、同町でアイヌ文化伝承に取り組む川奈野一信さんの半生と、同化政策以降に言語や文化継承の機会が失われながら生きたアイヌ民族の歴史を重ねた。

 講演で吉本さんは、川奈野さんの祖母や母が差別を恐れてアイヌ語で話しかけなかったことを紹介し、・・・・・

 講演会は町教委主催。11月23日に開かれ、町民ら32人が聞き入った。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1095746/


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絶えない戦争 芝居から考える 「カフカ経由 シスカ行き」幕別で上演

2024-12-03 | アイヌ民族関連

西山花音 有料記事

北海道新聞2024年12月2日 19:49

俳優の斎藤歩さん(左)と人形劇師の沢則行さんが共演した芝居「カフカ経由 シスカ行き」(加藤哲朗撮影)

 【幕別】俳優、演出家、劇作家で「札幌座」の斎藤歩さんと小樽出身でチェコを拠点とする人形劇師の沢則行さんによる芝居「カフカ経由 シスカ行き」が1日、町百年記念ホールで上演された。笑いを交えつつ戦争が絶えない現代を鋭く描いた作品が観客の心を揺さぶった。

 NPO法人まくべつ町民芸術劇場と北海道新聞帯広支社の主催。約250人が詰めかけた。

 舞台は日本海に面した稚内市抜海。人形劇を織り交ぜながら宗谷管内礼文島の香深(かふか)に残るアイヌ民族の物語やサハリン・ポロナイスク(敷香(しすか))のウイルタ民族の伝説などを語り合う中、2人の頭上を戦闘機が飛び交う。最後は「世界が今、右へ右へ傾きつつある。俺たちおやじは左へステップを踏もうよ」との斎藤さんの掛け声で2人が軽快に踊った。

 札幌から訪れたパート従業員、外崎朋子さん(64)は「人形劇を使いながら面白いシーンも多かった一方、今起きている戦争についても考えさせられた」と振り返り、「がんと闘病中の斎藤さんの演劇がいつまで見られるかと思うと胸が痛い。また見させてほしい」と涙を浮かべた。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1095668/


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サケ不漁は海水温上昇が原因 北大・帰山名誉教授が平取で講義

2024-12-03 | アイヌ民族関連

石井純太 有料記事

北海道新聞2024年12月2日 18:52(12月2日 19:10更新)

サケの生態について解説する帰山名誉教授

 【平取】サケの生態に詳しい北海道大学北極域研究センターの帰山雅秀名誉教授による講義「サケ学 超入門Ⅱ」が町内のイオル文化交流センターで開かれ、オンライン試聴と合わせて町民ら約80人が参加した。

 アイヌ文化を学ぶ町主催の「シシリムカ文化大学講座」の一環として、11月21日に行われた。

 帰山さんは日本近海で近年不漁が続くサケについて、地球温暖化による海水温の上昇が一因となっていると指摘。「サケの幼魚が育つ三陸沿岸の水温が高くなるにつれて滞在期間が少なくなり、十分に育たないまま沖合に出て生残率が低下しているとみて、ほぼ間違いないと思っている」と述べた。

 ・・・・・・・

 ※「シシリムカ」の「リ」は小さい字。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1095598/


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【ウポポイ】東京公演 カムイとアイヌの物語「イノミ」恵比寿での開催が決定。来年1月6日(月)参加受付開始。

2024-12-03 | アイヌ民族関連

公益財団法人アイヌ民族文化財団2024年12月2日 15時00分

メインビジュアル

公益財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市中央区:常本照樹理事長)が運営するウポポイ(民族共生象徴空間)は2025年3月5日(水)に東京・恵比寿で伝統芸能上演「イノミ」を含む特別公演を開催します。北海道外での「イノミ」の公演は、2023年から開始し今回で3回目となります。

アイヌ民族の儀礼「イヨマンテ(熊の霊送りの儀礼)」を題材に、ストーリー性のある演出で伝統の歌と踊りを披露するほか、会場内では衣服や儀礼の道具などの展示やアイヌ語に触れることができるブースを展開するなど、アイヌ文化に触れられる特別な一日となります。本公演を通して、アイヌ文化への関心の高まりとともに、ウポポイへの誘客に期待しています。

▼公演概要

名称

ウポポイ東京公演 カムイとアイヌの物語「イノミ」

開催日時

2025年3月5日(水)

昼の部 13:00~15:00/夜の部 18:00~20:00

会場

恵比寿ザ・ガーデンホール(東京都目黒区三田1-13-2)

客席

約700席

料金

無料

参加申込

2025年1月6日(月)10:00から先着順。

以下URLよりお申込みください。

https://ainu-upopoy.jp/specialevent/inomi-ebisu-2025/

主催

公益財団法人アイヌ民族文化財団

過去の道外公演実績

2023年2月 岡山シンフォニーホール(岡山県)、2024年2月 LINE CUBE SHIBUYA(東京都)

▼伝統芸能上演「イノミ」

アイヌ民族はあらゆるものに魂が宿ると考え、人間にはない力を持つものをカムイと呼びます。

カムイは彼らの世界では人間と同じような姿で暮らしており、人間の世界に訪れるときにさまざまなものの姿になって現れるといいます。熊はキムンカムイと呼び、毛皮や肉はキムンカムイからの贈り物と考えてきました。イヨマンテはそのカムイに感謝の祈りを捧げ、酒や歌、踊りでもてなし、お土産とともにカムイの世界へ送り帰す重要な儀礼です。アイヌ民族の芸能が祈りと共にあることを本舞台で演じます。「イノミ」は、アイヌ民族の世界観を表現したウポポイオリジナルの舞台です。

 (出演者:公益財団法人アイヌ民族文化財団 芸能課)

https://www.youtube.com/watch?v=LFG2JRvSd0s&embeds_referring_euri=https%3A%2F%2Fprtimes.jp%2F&source_ve_path=OTY3MTQ

※イメージ

▼展示・体験

ホワイエでは、公演前に「イヨマンテ」や「アイヌ文化」を感じていただけるさまざまな展示や体験ブースをご用意します。ウポポイのショップで展開されているアイヌ工芸品も販売します。

開場時間

昼の部 11:00~/夜の部 16:00~

インタラクティブボード

イヨマンテの理解を促す巨大な展示ボードです。“めくる”“聴く”“気づく”のさまざまな仕掛けをとおして、公演への期待感を高めます。

アイヌ文化展示

衣服や儀礼の道具などを展示します。実際に見て、触れていただくことで、アイヌ文様や木彫りの造詣の深さ、魅力を伝えます。

アイヌ語特別ブース

アイヌ語体験や、本公演をより楽しむためのアイヌ語などを紹介します。

ウポポイ没入型シアター

広視野の映像視聴体験ができるドーム型スクリーンでウポポイの映像を放映します。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000122187.html


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【ウポポイ】北海道白老町|初開催“ウアイヌコㇿ会議”の参加校が決定。高校生が企業と共に「共生社会」を考える1日会議を1月11日に開催します。

2024-12-03 | アイヌ民族関連

公益財団法人アイヌ民族文化財団2024年12月2日 14時00分

公益財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市中央区:常本照樹理事長)が運営するウポポイ(民族共生象徴空間)は、「ウポポイ誘客促進戦略」(令和6年3月国土交通省北海道局)に基づいて、全国からウポポイに高校生が集まり「共生社会」について考える1日会議“ウアイヌコㇿ会議”を1月11日(土)にウポポイで開催します。この度、本会議に参加する道内および道外の全14校が決定いたしました。あわせて、本イベントへの視察も募集いたします。

※ウアイヌコㇿのㇿは下付き小文字

「ウアイヌコㇿ会議」

ウアイヌコㇿ会議では「ウポポイ探究学習プログラム」※を受講した道内の高校生と全国の高校生が、多様な価値観を認め合い生き生きと暮らせる社会を実現するためにウポポイと道内外の企業の取組みを参考に議論し、それぞれの役割について考えます。「ウアイヌコㇿ」とはアイヌ語で「尊敬し合う」を意味します。

※ウポポイ探究学習プログラム…ウポポイで働く職員や登別・洞爺エリアの地元の方との交流を中心に、アイヌ民族の多様な歴史や文化に触れ、自然環境や火山、温泉、観光、地域産業などを知ることにより、「共生社会」を実現させるために必要なことを参加者一人一人が考えるプログラムです。実施主体:公益財団法人アイヌ民族文化財団

https://ainu-upopoy.jp/education/summary/#inquiry-based-learning

開催概要

日  時:2025年1月11日(土)9時から17時

場  所:ウポポイ 体験交流ホール、体験学習館

     (北海道白老郡白老町若草町3丁目2)

参加校:14校78名(道内:5校35名、道外:9校43名)

実施主体:ウアイヌコㇿ会議設立・実行委員会

(構成:公益財団法人アイヌ民族文化財団、北海道教育委員会、公益社団法人北海道観光機構、株式会社日本旅行北海道)

視察申込

本イベントへの学校関係者、教育旅行関係者の視察を受け付けます。

下記または右の二次元バーコードからお申込みください。

視察申し込み用URL:

https://va.apollon.nta.co.jp/kyouseisyakai-ippan/

実施詳細

参加校(1478名)

道内の高校生は道外から参加する高校生のホスト役を担い、全国から参加する高校生や企業との交流を通じて、自らが住む北海道の魅力や共生社会について考え、広く発信する機会を得ることができます。

(1)道内高校(5校35名)

  • 遺愛女子中学校・高等学校
  • 札幌日本大学中学校・高等学校
  • 北星学園女子中学高等学校
  • 北海道岩見沢東高等学校
  • 北海道登別青嶺高等学校 

(2)道外高校(9校43名)

  • かえつ有明中・高等学校(東京都)
  • 武蔵野中学高等学校( 〃 )
  • 立命館中学校・高等学校(京都府)
  • 関西大学高等部(大阪府)
  • 関西大学北陽高等学校( 〃 )
  • 岡山学芸館高等学校(岡山県)
  • 清心女子高等学校( 〃 )
  • 広島翔洋高等学校(広島県)
  • 徳島県立脇町高等学校(徳島県)

道外参加高校のコメント(参加目的および意気込み)

アイヌの文化は普段の生活で触れることのできない文化なので、異なる文化背景を持つ人々について知ることによって、普段の生活では得ることができない考え方や価値観に触れ、多文化共生について理解を深めることができると考えます。多文化共生について理解することで公平な社会を実現できると思います。(関西大学高等部)

高校生同士、これからの社会づくりに向けて、お互いのこれまでの学びから新しい視点や発見を得られると思い、参加を希望いたします。(岡山学芸館高等学校)

特に、当会議への参加を希望する生徒たちは、アイヌ文化との共存やその啓発に強い関心と使命感を抱いております。当会議では単なる知識の習得や現地の高校生との交流にとどまらず、得た学びを学校内外へ積極的に発信し、共有していくことを目指しています。生徒・教員一同、会議の前後を通じてアイヌ文化への理解をさらに深め、地域社会にも貢献できるようなプロジェクトとして発展させたいと考えております。(かえつ有明中・高等学校)

高校1年次から、探究学習として地域・国・世界の問題点について学んできました。これらの学びを、全国の高校生と触れ合うことでさらに深めたいと考えています。また、アイヌの文化を実際に知り学ぶことで、価値観を広げられる機会になってほしいと思います。(武蔵野中学高等学校)                      

行程

日にち

場所(時間帯)

内容

1/10(金)

ウポポイ(午後)

ウポポイで探究学習プログラム

1/11(土)

ウポポイ(終日)

<ウアイヌコㇿ会議>

▪北海道の高校生が考える共生社会

▪他国の先住民族の共生事例

▪全国の高校生×企業×共生

▪高校生による共生についてのディスカッション

▪ディスカッション内容発表

▪講評

1/12(日)

北海道ボールパーク Fビレッジ(午前)

▪北海道ボールパークFビレッジ内クボタアグリフロントにてチームビルディング

参画企業

ウアイヌコㇿ会議では、共生社会をテーマとした企業の活動について、高校生目線でアイデアを出し合います。

カンタス航空

日産自動車株式会社

上記他一社が参画します。

これまでの取り組み

道内の高校生向けオンライン事前学習を9月から開始。11月6日(水)にウアイヌコㇿ会議設立・実行委員会を設立し、第1回会議を開催しました。11月9日(土)には道内の高校生のウポポイ現地研修を実施し会議開催に向けた準備を進めているほか、会議開催までの間、道内・道外の高校生はオンラインによる事前学習を行っています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000122187.html


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【今日の1枚】マオリの伝統舞踊で抗議 ニュージーランド

2024-12-03 | 先住民族関連

AFPBB News 2024/12/02 12:15

ニュージーランド・ウェリントンで、先住民マオリの権利に抵触する法案に対して、抗議の行進をするマオリの人々(2024年11月19日撮影)。(c)Sanka Vidanagama / AFP

(AFPBB News)

【AFP=時事】ニュージーランド・ウェリントンで、先住民マオリの権利に抵触する法案に対して、抗議の行進をするマオリの人々。9日間に及ぶ行進には全国から数千人が参加した。 【翻訳編集】AFPBB News

https://news.goo.ne.jp/article/afpbb/world/afpbb-3551254.html


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フェアトレード認証つき商品が存在感 児童労働禁止、環境に優しい…コーヒー産地は今

2024-12-03 | 先住民族関連

Globe+ 2024.12.02

山々で育つコーヒーの木とアソバグリの組合員ソライダ・モンソンさん=2024年9月18日、グアテマラ西部バリリャス、荒ちひろ撮影

日々の生活の中で、人権や環境への配慮、野生動物の保護など、さまざまな目標への取り組みを掲げる認証マークが付いている商品を目にすることが増えています。黄緑と青地の円に人のようなシルエットが描かれたマークもその一つ、国際フェアトレード認証の印です。こうした商品を選ぶ消費者の行動が、遠く離れた生産地にどんな変化をもたらしているのでしょうか。

東京・下北沢の「オガワコーヒーラボラトリー」は、世界各地のコーヒー豆20種類以上を扱う。中には「国際フェアトレード認証:途上国の生活者支援に参加できます」とあるメニューも。開発途上国の産品を適正な価格で取引することで生産者の経済的自立をめざす取り組みだ。このカフェを展開する「小川珈琲」(京都市)は、認証を受けたコーヒーの売り上げが日本の企業でトップを誇る。

認証付きのブレンドコーヒーを注文した男性客(33)は、「作り手の農家や労働者に少しでも多くの利益がいくフェアトレード商品を選ぶようにしている。小さな違いだけど、その方が自分も気持ちがいいからね」。

そう言って男性客が手にしたコーヒーが、生産者のより良い暮らしに、どうつながっているのか。この豆をつくった人々を訪ねて9月下旬、地球の反対側、中米グアテマラへ飛んだ。

首都グアテマラ市から車で12時間あまり、くねくねと曲がる山道が徐々に細くなってきた。マヤ系の先住民族が多く暮らす西部の山岳地域ウエウエテナンゴ県の町バリリャス。標高2000メートル前後の山々の斜面にコーヒーの木が青々と葉を茂らせ、細い枝に沿ってびっしりと緑の実がなっていた。

「11~3月の収穫期にはみんな早朝から畑に出て、熟した実を一つずつ手で摘むんだ」。バリリャスのコーヒー生産者組合「アソバグリ」のゼネラルマネジャー、バルタザル・フランシスコさん(47)が、ところどころに交じる赤く熟した実を摘んでみせながら言った。

日本の3割ほどの国土に約1700万人が暮らすグアテマラで、コーヒーはバナナや砂糖と並ぶ主要な輸出農産物だ。国土の7割が山岳地帯で寒暖差や豊富な雨量があり、ウエウエテナンゴを含む8地域は特に高品質な豆の産地として知られる。

バリリャスからさらに車で2時間、山あいの砂利道をガタガタ揺られ、アソバグリの組合員の子どもが通う小学校を訪ねた。アジア人は珍しいようで、昼休みに校庭で遊んでいた子どもたちが次々と駆け寄ってきた。

アソバグリに参加するコーヒー農家のホセファ・ペドロさん(31)は、4~10歳の4人の子どもをもつ母親だ。長女と次女がこの学校に通う。「フェアトレードのおかげで、子どもたちの選択肢は格段に広がった」と話す。「私が子どものころは集落に小学校しかなく、勉強を続けたかったけど、コーヒー農園で働くしかなかった。子どもには同じ苦労をさせたくない」。集まったほかの母親たちもうなずいた。

「公正・公平な貿易」を意味するフェアトレードは、1960年代から欧米で広がった取り組みだ。世界共通の基準を定める「国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)」の認証を受けた商品では、生産者に最低価格が保証されるほか、「プレミアム」と呼ばれる奨励金が支払われ、農機具の購入、学校や診療所の整備などに使うことができる。

グアテマラのコーヒー栽培は、50万人以上が従事する最大規模の産業である一方、大半を家族経営などの小規模な農家が占める。

「昔は収穫したコーヒー豆が地元の市場でとても安く買いたたかれていた。一人ひとりでは太刀打ちできないから、力を合わせようと組合を立ち上げたんだ」。そう話すのは、アソバグリの創設メンバーの一人、ペドロ・ビヤトロさん(77)。1989年に20軒の農家で組合を立ち上げた当時、100ポンド(約45キロ)で十数ドルだったという。

1996年には親米・反米勢力などの間で36年続いた内戦が終結。安定して生産量を確保できるようになり、1999年にアソバグリとして初めて輸出を実現させた。だが同じころ、世界的な生産過剰で価格が暴落する「コーヒー危機」が発生。生活を守るため、フェアトレード認証の取得に乗り出した。

現在、FIが定めるコーヒー豆(アラビカ種、ウォッシュド)の最低価格は100ポンドで180ドル。市場価格と比べて高い方で取引され、それに20ドルのプレミアムが、有機認証の場合はさらに40ドルが上乗せされる。

フェアトレード認証を受けるには、児童労働や強制労働の禁止、環境への配慮などの基準を満たすことが求められる。アソバグリでも講習会を開いて、学校のある時間に子どもを畑に連れてこないことや守るべき労働条件などを伝えたり、環境にやさしい栽培技術を一軒一軒訪ねて指導したりしてきた。

こうした取り組みは、地域に経済的な豊かさだけでなく、人権や環境に対する人々の意識の変化ももたらしている。朝、遅れて登校してくる児童がいれば、畑仕事などにかり出されていないか、教師が確認するのが当たり前になった。ホセファさんら、コカラ小学校で出会った母親たちは、「子どもに家の手伝いを頼んでも、『学校の宿題があるから』と言い訳をするようになった」と笑っていた。

アソバグリのメンバー、パスクアル・マテオさん(52)は、コーヒーの小作農だった両親とともに子どものころから働いてきた。「父親はコーヒーの植え方や収穫のしかたは教えてくれたが、学校に行くという選択肢がなかった」と振り返る。だが、今はフェアトレードなどの取り組みで収入が安定し、自分のコーヒー畑を持てるようになった。組合による保険や教育といった社会保障の仕組みも整い、子どもたちに高等教育を受けさせることもできた。

アソバグリ創設メンバーの一人、イザベラ・ドミンゴさん(60)は、「私が子どものころ、女の子は学校に行かせてもらえなかった。でも今は人々の意識が変わった」と、現地の言語の一つ、アカテコ語で語った。傍らでスペイン語に訳してくれたのは、息子のロセンドさん(34)。奨学金を得て大学で学び、いまはアソバグリの若手リーダーの一人として、主にオンライン販売や情報発信を担当する。2歳の娘の父親でもある。「子や孫の世代に大きな変化をもたらせたことを幸せに思う」とイザベラさんはほほえんだ。

アソバグリは、現在約1250軒が加盟する県内最大の組合に成長した。年間の生産量約1500トンのうち60%を米国に、14%を日本に、ほかカナダや欧州に輸出している。ジェンダー平等の一環として、2010年には女性生産者を支援する「ウーマンズハンド」ブランドを立ち上げ、商品を販売。日本の「カルディコーヒーファーム」でも買うことができ、イザベラさんやホセファさんらが手がけたコーヒー豆が日本の消費者に届けられている。

一方で、以前より生活水準が向上したとはいえ、より良い仕事を求めて地元を出ていく若者も多い。アソバグリでは、町に直営のカフェをつくったり、オンライン販売を広げたりして、農園を引き継いでいける環境づくりにも力を入れる。

日本での販売も増える

2012年に48億ユーロ(約7900億円)だった世界のフェアトレード認証商品の市場規模は、2018年には2倍以上の98億ユーロにのぼった。FIの日本組織「フェアトレード・ラベル・ジャパン」によると、欧米と比べるとまだまだ少ないものの、国内市場も右肩上がりで、2023年に200億円を超えた。うち、8割をコーヒーが占める。

小売り大手のイオン(千葉市)は、2004年からプライベートブランド「トップバリュ」でフェアトレード商品を扱う。消費者の「日常生活から国際貢献につながる商品がほしい」という声がきっかけで、コーヒーから始まり、チョコレートや紅茶など、今年11月時点で20商品を超える。

20年前に始めたころは、「フェアトレード」という言葉自体がほとんど知られておらず、「フェアトレード商品の違いは、サプライチェーン上での課題解決に取り組んでいるか、取り組んでいないかという点。品質では差が分かりづらく、伝え方が非常に難しかった」とイオントップバリュの宮澤正紀・環境推進室長(46)は話す。

一方で、近年はフェアトレードなどの取り組みについて教育現場からの問い合わせや講演依頼なども増え、特にこの1、2年で関心の広がりを感じているという。

2004年からフェアトレードコーヒーを販売する小川珈琲でも、取扱量はこの10年で倍以上に増えたという。取締役の小川雄次・経営企画室長(40)は、「おいしいコーヒーを提供し続けるため、生産者と消費者をつなぐのが、私たちの役割。フェアトレードもその一つ」と話す。

ホテルやオフィス向け商品での需要も高まっているほか、学校で持続可能な開発目標(SDGs)を学んできた若い世代でも関心が広がっている。採用で、フェアトレード商品を扱う企業であることを志望理由に挙げる学生が増えているという。

入社2年目の鈴木琴楓さん(24)は学生時代に読んだ本で、バングラデシュの縫製工場の崩落事故を知り、身の回りの物がどこで、どうつくられているか意識するようになったという。「自分の消費が知らないうちに誰かを苦しめていたら、悲しいし、怖いですよね。つくり手がちゃんと幸せじゃないと」。就職活動でもそんな意識を重視した。

「できる範囲で、消費を少しずつ変えていけたら。その仕組みづくりも担っていきたい」

https://globe.asahi.com/article/15525741


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初めての能鑑賞をシドニーで体験!大盛況を博した公演とその魅力を徹底レポート

2024-12-03 | 先住民族関連

日豪プレス 2024.12.02

 12月14日に開催される第4回「JAPAN EXPO」の関連行事として、11月16日、シドニーCBDに位置するスコッツ教会(Scots Church)で兵庫県の一般財団法人日本伝統芸術文化財団・西宮能楽堂による「能(NOH)」の公演が行われた。万国博覧会記念基金事業の補助を受けて実現した同公演では、オーストラリア先住民によるオーストラリアの伝統楽器ディジュリドゥの演奏や、能楽師の梅本基徳氏が能の歴史や今回の演目「羽衣」について事前説明を行うなど、大盛況となった。初めての能鑑賞となった体験レポートをお届けする。
(取材・文=櫻木恵理)

 日本の代表的な古典芸能である「能」だが、日本人でも鑑賞したことがない、よく分からないという人が多いのではないだろうか。私もその1人だったが、初めて見た能の舞台は迫力があり感激したと同時に、もっと詳しく知りたい、他の舞台も見てみたいと感じさせるものだった。能は、実際にないものを観客が想像力を働かせて楽しむものなので、何でも分かりやすくすることが求められる現代とは真逆の文化かもしれない。しかし、だからこそ魅力を感じる人も多いのではなだろうか。

写真:Shinya Oishi

 公演当日、午後7時の開演30分前には会場前に長蛇の列ができ、シドニーには日本人以外にも日本の伝統芸能に関心を持つ人がこんなにもたくさんいるのかと圧倒された。会場となった広い教会のステージに松の絵が描かれた鏡板が設置されていて、先住民によるディジュリドゥの演奏で公演がスタートした。まずは梅若氏がビデオも用いながら日本語と英語の通訳を交えて、能について丁寧に説明。そのお陰で初心者の私も能の舞台をより楽しむことができた。

 中世から続く梅若家に生まれ、日本伝統芸術文化財団の代表理事も務める梅若氏は、ヨーロッパなど数多くの海外公演に参加しているが、オーストラリアでの公演は今回が初めてだという。

 また、同公演の前日には、在シドニー日本総領事公邸で梅若氏とご子息の雄一郎さんが講師を務めた約1時間半のワークショップも行われた。シドニーに拠点を置く日本企業関係者やシドニー市の名古屋姉妹都市担当者など25人が参加し、能の歴史や能面、扇子などの種類や意味、実際に能面を被ってみるなど日本の伝統文化に触れる貴重な時間を体験した。

 能は14世紀、室町時代に生まれた日本最古の伝統芸能であり、日本で最初にユネスコ無形文化財に登録。日本の伝統芸能の有名なものには文楽(人形浄瑠璃)や歌舞伎も挙げられるが、これらは16世紀以降に能から派生したもの、つまりルーツは能にある。文楽や歌舞伎にも松の絵が使われるが、もともとは能を模したものであり、文楽や歌舞伎はそのシーンに合った背景を次々に変えていくことができるのに対して、能は松の背景が変わることはない。また、能の舞台は必ずしも仮面をつけるとは限らず、白髪の男性が若い女性を演じることもある。だから、観客の想像力が必要とされるのだ。

 そもそも、能は人が見るものではなく、神に見せるものだったという。松は神聖な木であり、松の前に神を下ろして祈りを捧げていた。その題材は平安時代など12世紀以前の物語も多いが、中世の人びとは亡霊を恐れ、禍が起こるかもしれないという恐怖が根底にあったため、能が生まれたのは200年経った後だった。世阿弥という人物が、亡霊が生前に辛かったことや楽しかったことなどを語ることによって成仏できるという考えのもと、目に見えない神の姿を演劇によって再現したのだ。

 能を鑑賞するにあたり、想像力をフル稼働させるためにも事前知識はあるに越したことはない。今回の演目だった「羽衣」は、羽衣を返して欲しい月の世界から来た天女と、羽衣を返すか迷う漁師の物語。日本人の私たちには比較的なじみのある話だ。舞台を鑑賞して、私が富士山や松林に広がる砂浜などの風景をありありと目に浮かばすことができたかと言われればあまり自信がないが、遠い昔の人たちが神様に届けようとする姿は見えた気がした。どこか懐かしさを感じる笛や太鼓の音、そして独特な発声をする謡は迫力があり、あれならきっと神様に届くだろうと。能は同じ演目でも、違う舞台を見ればまた違う発見があるという。もしまた能の舞台を見る機会があれば、次は何を感じるのだろうか。そういう楽しみもできた。

 12月は吟剣詩舞の公演や、亀井聖矢氏によるピアノのリサイタルも開催されるので、そちらもチェックしておきたい。

Experience the Way of Samurai 「吟剣詩舞 Gin-Ken-Shibu」 in Sydney
日時:12月13日(金)7PM 〜9PM
場所:Scots Church Sydney (44 Margaret St., Sydney, NSW 2000)
Web: https://www.eventbrite.com.au/e/experience-the-way-of-samurai-gin-ken-shibu-in-sydney-registration-903136183637

Masaya Kamei in Piano Recital
日時:12月14日(土)7:30 PM〜9:30 PM
場所:Sydney Town Hall (483 George St.,Sydney, NSW 2000)
Web: Masaya Kamei in Piano Recital Tickets, Sat 14/12/2024 at 7:30 pm | Eventbrite

JAPAN EXPO 2024

日時:12月14日(土)10:00 PM〜4:00 PM
場所:Sydney Town Hall (483 George St.,Sydney, NSW 2000)
Webhttps://www.eventbrite.com.au/e/japan-expo-2024-tickets-860328885857

https://nichigopress.jp/topics-item/148593/


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『ゴールデンカムイ』続編映画は網走監獄編が舞台に? “三つ巴の戦い”の実写化に期待大

2024-12-03 | アイヌ民族関連

リアルサウンド 2024.12.03 00:39

文・取材=佐藤アーシャマリア、取材協力=杉本穂高

 WOWOWドラマ『ゴールデンカムイ』最終話放送後に、ドラマシリーズ版の続編となる映画第2弾の製作が発表された。

 映画『ゴールデンカムイ』は、シリーズ累計発行部数2,900万部(2024年7月時点)を突破する、野田サトルによるベストセラー漫画を実写化したアクション。明治末期、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーと、厳しい大自然の中で、一癖も二癖もあるキャラクターたちによって繰り広げられるサバイバルバトルが描かれた。

 2024年1月19日に公開された実写映画第1弾では、杉元佐一(山﨑賢人)やアシリパ(山田杏奈)、白石由竹(矢本悠馬)3名のパーティが正式に結成される過程、WOWOWドラマ版の最終話では、鶴見中尉(玉木宏)の忠臣・鯉登少尉(中川大志)が登場し、物語が緊迫した局面へと進んでいく様子が描かれた。そして、映画第2弾の製作発表を受け、原作ファンからは「網走監獄編」の実写化に対する期待が多く寄せられている。

 映画ライターの杉本穂高氏は、「網走監獄編」の実写化について、「三つ巴の戦いや軍艦を用いた戦闘シーンなど、よりスケールを増すアクションシーンにどれだけリアリティを与えられるかが重要になる」と語る。 

「クライマックスの1つである網走監獄編は、杉元と鶴見中尉、土方の三つ巴の戦いが展開され、騙し騙されつつ、のっぺら坊に迫っていくまでが大きなスケールで描かれているので、原作ファンとしては実写でどのように一連の展開が表現されるのか、一番観たいですよね。ほかにも、囚人と鶴見中尉率いる第七師団との乱戦や軍艦を用いたアクションシーンなど、今まで以上の予算がかかるのは間違いないかと」

 「実写版『ゴールデンカムイ』が人気を集める理由は、本物志向なところにある」と語る杉本氏はこう続けた。

「制作プロダクションのクレデウスは『ゴールデンカムイ』以外にも、『キングダム』、『沈黙の艦隊』といったアクション大作を数多く手がけてきました。まず、映画第1弾も冬の北海道でロケをしていたことが大きな効果を上げています。真冬の川に杉元と白石が落ちて凍死しそうになるシーンがありましたが、本当に寒そうで、この寒さのリアルはマンガやアニメでは表現しきれないでしょうから、実写で生身の人間がやることの意義を体現していたと思います。安易にコミック調にするのではなく、生身の人間がやって面白い演出はなんだろうというのが、ちゃんと考えられているんです。『キングダム』にも通じますが、生身の人間と人間のぶつかり合いこそ、アニメやマンガにできない実写ならではの面白さであって、それを追求してきたクレデウスは、本作の実写化にふさわしいと思います」

 また、原作ファンに人気のキャラクターやエピソードが描かれるのかも気になるところだが、杉本氏は「尺的に映画には詰め込めないのでは」と語る。

「原作ファン的にはネットで話題になるようなクセものキャラをどこまで出すのかというのも気になります。姉畑支遁はテレビアニメでもカットされていましたが、あまり違和感なく構成できていましたので、実写の劇場版においてもカットされるかもしれません。稲妻強盗のエピソードも素晴らしいですが、杉元たちが活躍しないので、一本の映画に入れるのは難しいかもしれないです。網走監獄編は様々な伏線がここにきてここでいろいろ明らかにされて、裏切り者がいたりと、人間ドラマ的にも魅力的なので、これをじっくりと描くためにはカットされるエピソードもあるのも仕方ないと思います」

 また杉本氏は、実写版『ゴールデンカムイ』を支えるクリエイターたちの豪華さについて、「シリーズ大作を数多く手がけてきたスペシャリストたちが集結している」と指摘する。

「主演の山﨑さん、脚本の黒岩勉さん、プロデューサーには松橋(真三)さん、と『キングダム』関係者が多いのも改めて思うと興味深いですよね。続編映画で誰が監督を務めるかは分かりませんが、個人的には、映画第1弾とWOWOWドラマシリーズでも監督の1人としてこのシリーズを支えてきた久保茂昭さんが担当するとしたら、期待値がさらに上がりますね。久保監督は、『HiGH&LOW』シリーズのアクションシーン、とりわけ大群衆での乱闘シーンが高く評価されている方なので、網走監獄編は本領発揮できるはず。その意味でも、これまでの感動を更新するような映像に期待したいですね」

 なお、公式では「網走監獄編」の実写化についてはまだ言及されていないが、杉本氏は「網走監獄編に続く樺太編も大変に見応えがあるので映像化してほしいです。半端に終わらせずぜひ原作を最後まで完走して、日本のドラマのあり方を塗り替えてほしいと思っています」と期待を寄せる。『ゴールデンカムイ』ドラマシリーズ版の続編となる映画第2弾の続報を楽しみに待ちたい。

■配信情報
『連続ドラマW ゴールデンカムイ ー北海道刺青囚人争奪編ー』(全9話)
WOWOWにて独占配信中
出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎、塩野瑛久、矢本悠馬、大谷亮平、高橋メアリージュン、桜井ユキ、勝矢、中川大志、北村一輝、池内博之、木場勝己、大方斐紗子、井浦新、玉木宏、舘ひろし
原作:野田サトル『ゴールデンカムイ』(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭、片桐健滋、落合賢、佐藤洋輔
脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊、出羽良彰
アイヌ語・文化監修:中川裕、秋辺デボ
製作著作:WOWOW
制作プロダクション:CREDEUS
©野田サトル/集英社 ©2024 WOWOW
公式サイト:kamuy-movie.com
公式X(旧Twitter):@kamuy_movie
公式Instagram:@kamuy_movie
公式TikTok:@kamuy_movie

https://realsound.jp/movie/2024/12/post-1859841.html


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鉄分不足は世界で20億人以上、心臓病など深刻な悪影響も

2024-12-03 | 先住民族関連

ナショナル ジオグラフィック

ナショナル ジオグラフィック 2024年12月2日 5:00

ヘモグロビンのおかげで、赤血球は肺と体内の全細胞との間で、酸素と老廃物である二酸化炭素を運ぶことができる。鉄分はヘモグロビンに必須の成分であり、十分な量がない場合、細胞の酸素需要を満たすことが難しくなる。(Micrograph by Susumu Nishinaga, Science Photo Library)

世界では20億人以上の人々が鉄分不足に悩まされている。鉄分はいくつかの重要な体の機能にとって欠かせないミネラルであり、不足している人は、疲労感、息切れ、めまい、頭痛といった症状、さらには心臓病などを経験することが少なくない。

鉄分不足はあらゆる年齢の男女がなりうるが、妊婦など特に影響を受けやすい人々もいる。鉄分不足を放置すると、貧血、つまり健康な赤血球の不足へ容易に進行する。鉄分の不足は、貧血の原因として最も一般的だ。厚生労働省の令和元(2019)年国民健康・栄養調査によれば、日本では男性の10.8%、女性の13.5%が貧血の基準に当てはまる。

こうした状態は、短期的にも長期的にも、健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があり、リスクのある人は鉄分レベルの変化を確認すべきだと語るのは、米スタンフォード大学の母体・胎児医学の講師であり、女性の生殖に関する健康を専門とするイログエ・イグビノーサ氏だ。

「通常、人が貧血になる場合、すでにしばらくの間、鉄分不足が続いてきたことを意味しています」と氏は言う。

鉄分不足や貧血に悩まされるのはどんな人たちか

鉄分不足を抱えて生活すると、体に多大な負担をかける。鉄分は、赤血球が体内に酸素を運ぶために必要なタンパク質であるヘモグロビンを作るのに欠かせない。そのため、鉄分の量が少ないと、臓器、筋肉、組織が酸素を十分に受け取れず、最大の力を発揮できなくなる。

多くの人は食物から十分な鉄分を吸収しているが、食事での摂取だけでは鉄分が足りない人もいる。それだけで死につながることはまれだが、鉄分不足は腎臓病や肝臓病といった慢性疾患を悪化させたり、感染症やけがからの回復を遅らせたりすることが知られている。なぜなら、そうした状態の修復には酸素が必要だからだ。

厚労省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、月経のある女性は男性より鉄分が多めに必要で、1日の推奨量は15〜64歳で10.5〜11ミリグラムだ。しかし、国民健康・栄養調査によれば、日本の女性は平均値でその6割ほどしか摂取していない。妊娠の中・後期はさらに9.5ミリグラム、妊娠初期と授乳中は2.5ミリグラムを加える必要がある。18歳以上の男性の場合、1日の推奨量は7〜7.5ミリグラムだ。

鉄欠乏性貧血は通常、徐々に進行するが、女性の方が男性よりもなりやすい。これは、月経周期によって悪化するためだとイグビノーサ氏は言う。出血量が多かったり、月経の期間が長かったりする場合には、もともと限られた鉄分の蓄えがさらに減ってしまう。

「最低限の必要量を摂取せず、鉄分が失われる現象が毎月起これば、鉄分不足に陥ることは容易に想像できるでしょう」と氏は言う。

体にとってこれほど重要な栄養素の欠乏は、脳に変化を生じさせ、集中力の欠如や記憶障害など精神衛生上の問題を引き起こす可能性がある。これらの不調は、場合によってはストレスやその他の生活要因が原因だと誤解されるかもしれない。

貧血はまた、妊娠の危険性を高める要因にもなる。鉄分の蓄えの不足は、母子両方の生存に影響を及ぼしかねない。貧血の傾向がある人が出産した場合、大量出血したり、帝王切開が必要になったりするリスクが高まる可能性がある。

「貧血は母体罹病率を確実に高めます」とイグビノーサ氏は言う。「貧血がどの程度そのリスクに関わるかは、人種や民族によっても異なります」。母親の貧血はまた、死産、早産、低出生体重のほか、その後の神経発達の遅れとも関連している。

これまでの研究では、米国の黒人、ヒスパニック、先住民の女性は、ほかの人種の女性よりも貧血である割合が高く、妊娠中や出産後も貧血や合併症を抱える可能性が高いことが示されている。

その理由はまだ十分には解明されていないが、おそらくは女性たちが置かれている環境の違いや特定の婦人科疾患にかかりやすい素質、または居住地、収入、文化、健康的でバランスのいい食事へのアクセスといった、健康にまつわる社会的な決定要因によるものだろうとイグビノーサ氏は述べている。

鉄分不足と心臓の健康

体が弱っている気がする、やけにだるい感じがするというだけでは、医師に診てもらうまでもないと思うかもしれないが、この問題を放置しておくと、後になって不必要な苦痛を味わうことになる。

こうした兆候を注意深く観察するのは極めて重要だと、米ベイラー医科大学教授のビケム・ボズカート氏は述べている。

糖尿病、高コレステロール、高血圧といった併存する病気と組み合わされた場合、鉄分不足は慢性疾患を発症するリスクをさらに高める。また、鉄分不足に似た症状、たとえば活力や運動・作業能力の低下は、心臓病の進行を示す目立った兆候の例でもある。

「心臓はポンプとして血液を全身に送り出すだけでなく、心臓自体の筋肉にも血液を供給します」とボズカート氏は言う。「たとえば、血管に詰まりがある人が鉄分不足や貧血に陥ると、心筋への血液の供給が困難になります」

一般に、心血管系の健康状態を評価する際、医師は患者の最高酸素摂取量(ピークVO2)を測定する。ピークVO2とは、激しい運動時に体が利用できる酸素量のことだ。

体の中で使える鉄分の量は、その人が持つヘモグロビンの量に影響を与える。ヘモグロビンが多いほど、酸素はより効率的に体内に運ばれる。鉄欠乏性貧血はヘモグロビンの生成を妨げるため、ピークVO2の低下につながる可能性がある。

これらの数値はまた、将来的な心臓病の発症リスクを予測するうえでも役立つ。入院患者のピークVO2は、どのような種類の治療を受けたらよいかを評価する際に重要な役割を果たし、たとえば心臓移植などの高度な救命措置を受けられるかどうかの判断にも関わってくる。

ボズカート氏によると、貧血の有無にかかわらず、心不全患者の鉄分不足を治療すると、生活の質と再入院率の両方が改善される証拠が示されているという。

一方、現在自宅で軽度の鉄欠乏性貧血の症状に対処している人の場合、治療のプロセスははるかに単純だ。専門家は、鉄分のサプリメントを摂取するか、鉄分を豊富に含む食事を取れば、全体的な健康状態を改善できるとしている。ただし、薬を飲む必要があるかどうかを判断するうえでは、かかりつけ医と相談し、自分に合ったプランを決めるのが最善だろう。

文=Tatyana Woodall/訳=北村京子(ナショナル ジオグラフィック日本版サイトで2024年11月5日公開)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG19BSP0Z11C24A1000000/


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7週間でスペイン語を学ぶ→高校を中退→20代で翻訳者に…音楽評論家・濱田滋郎の恐るべき“独学人生”

2024-12-03 | 先住民族関連

文春オンライン 2024年12月2日青柳 いづみこ

『なんでかなの記』(濱田滋郎 著)言言句句

© 文春オンライン

本書の著者で、2021年に86歳で亡くなった濱田滋郎さんは、日本におけるスペイン語圏文化の元締めのような存在だった。日本フラメンコ協会会長、清里スペイン音楽祭総監督を務め、東京藝大や東京外語大などでも教鞭をとっている。

 まさに学者! と思いきや、学歴は中卒なのである。中学3年から坐骨神経痛を患い、日比谷高校に入ったところで休学。ラジオで流れるアルゼンチン・タンゴやラテン音楽など、スペインをルーツとする音楽に心惹かれていたこともあり、兄から譲られた『スペイン語四週間』で語学勉強に励み、7週間かけて基礎を学ぶと、いきなり大長編『ドン・キホーテ』を原語で読破。独学の面白さに目覚め、高校を中退。

 少しも反対しなかったご家族もすごいと思うが、お父さまは『泣いた赤おに』などのひろすけ童話で知られる浜田廣介さん。その文体は「七五調」で、文章を歌いながら書き、子供たちはそれを子守唄のように聴いて眠りについた、という素敵なエピソードもある。

 20歳の時、来日した歌手、ラファエル・ロメーロとの出会いによってカンテ・フラメンコ(アンダルシア地方の民謡)の虜に。24歳でフラメンコ・ギターの名手、カルロス・モントーヤの来日公演に接したころ、翻訳の道に入る。なんとフランス図書専門の出版社に、フランス語で書かれたスペイン音楽史の本を翻訳させてほしいと売り込みにも行く。濱田さんは、スペイン語ばかりかフランス語も独学だったが、“◯◯大学仏文科卒”ではない26歳の若者に翻訳を託した編集者の眼力もすごい。

 濱田さんにとっては、自分に響くものがすべて。アルゼンチンが産んだフォルクローレの音楽家ユパンキが書いた先住民の物語に惚れ込み、出版のあてもないのに翻訳。本人の初来日の折りに、翻訳が難しかった方言や特殊な言いまわしについて質問したというエピソードには胸打たれる。

 43歳の時、東京藝大の講師就任を要請された話も面白い。経験も教員免許もないのに、と躊躇すると、ラテンアメリカ音楽について、雑誌やレコード解説に書いてきたことを話してくれれば良いと言われたという。多くのアーティストたちとの交流から書物では得られない、生きた知識を学んだ濱田さんは、その頃には音楽評論家としての地位をしっかりと確立していたのだ。

 1985年からは、それまで距離があった「スペインのクラシック」と「フラメンコ」の融合をめざして清里スペイン音楽祭を立ち上げ、「少しも『儲かる催し』ではありませんでした」と言いつつも、20年にわたって開催し続けた。

 上からやらされる、のではなく、やりたいことを夢中になってやることが幸せな連鎖反応を生む。

 恐るべし独学人生。なのに、ではなく、だからこそ! と叫びたくなる。

はまだじろう/1935年生まれ、2021年没。音楽評論家、スペイン文化研究家。日本フラメンコ協会会長をはじめ、各音楽団体の会長・理事などを歴任。84年、第3回蘆原英了賞受賞。著書に『フラメンコの歴史』『約束の地、アンダルシア』など。

あおやぎいづみこ/ピアニスト、文筆家、ドビュッシー研究家。新アルバムは『19歳のシューベルト』、近著は『パリの音楽サロン』。

(青柳 いづみこ/週刊文春 2024年12月5日号)

https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/7週間でスペイン語を学ぶ-高校を中退-20代で翻訳者に-音楽評論家-濱田滋郎の恐るべき-独学人生/ar-AA1v56EO?ocid=BingNewsVerp


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