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愛国心でいう「国」って何だろう 支配層のことです!

2015-08-29 | アイヌ民族関連
BLOGOS-2015年08月28日 09:23
猪野 亨
 先日、「愛国心って何だろう? 要は「国のために死ね!」ということ」ということで愛国心について自分なりの意見を書いてみました。
 今回は、その続きです。愛国心という場合、ここで対象とされる「国」って何だろうということです。
 ネットウヨクたちのいう「愛国心」というものは決まっています。神聖な天皇が統治する大和民族国家のことです。
 そこに帰属する国民(臣民)は、その帰属している国家に対して理屈抜きに忠誠を尽くせというものです。
 嫌韓、嫌中でなければ、たちどころに日本から出て行け、ということになります。
 大和民族であれば、日本に対して敬意を示さない中国、韓国は見下す対象でしかないからです。
 同質性のない者はすべて排除、これがネットウヨクのいう「愛国心」の正体です。気持ちの悪い宗教国家観です。
 自民党政権が推進している道徳教育の「愛国心」も実は似たり寄ったりです。
 だいたい「国」という抽象的なものを愛するって一体、どんな感情なのでしょう。
 自分が生まれた土地について愛着があるというのはよくわかりますし、「郷土愛」であればイメージも沸きます。
 とはいえ、「郷土愛」と言ってみても、そこに想定されている「郷土」というものが何なのかは、全くそれぞれバラバラです。

上は小学校中学年の道徳教科書ですが、ここでは、「人々、生活、自然や文化、それらは全てわたしたちのたから物」というのです。しかし、それは確かに私も好きですが、それは別に日本に限らず、自然環境が美しいところはたくさんありますし、逆に日本のこの美しい自然環境をダムだ、道路だ、と自然破壊を率先してやってきたのが自民党利権政治でした。
 しかも、アイヌ民族に対する収奪は露骨です。アイヌ民族の生存の糧としていた土地を奪い、生活を破壊したのは倭人です。歴史を歪曲しているのが、自民党政府の検定教科書です。
「教科書のアイヌ記述、検定で“歴史歪曲”」朝日新聞2015年8月21日)

 これが郷土愛というのであれば、何とも歪んだ郷土愛です。
 結局、道徳の教科書がいう「郷土愛」とは日本の領土という意味合い以上のものではないということです。
 そして「国」とは何かということに戻りますが、それが自分たちの「国」というのであれば、自分たちが主人公であればこそ誇りを持てることになります。
 しかし、現実に支配の客体にしか扱われない自民党政権のもとで、その「国」を愛せと言ってみても、それは現体制に文句を言うなと全く同じことです。
 そして、「国」に対して忠義に励めということです。
 これは愛社精神も同じような構造です。
 以前であれば、大企業は社員に対し、終身雇用制を保障し、退職金等々、優遇されていましたから、「愛社精神」と言うことにも一理あるのかなとも思います。とはいえ、社歌など歌わせるなど、その支配方法には嫌悪感しかありません。
 しかし、昨今のブラック企業のように創業者を神のように扱ったり、社員を使い捨てる企業があちこちに出てくる中で、「愛社精神」などと言われても誰もが憤りを感じるだけです。
 それでも愛社精神を持てというのでしょうか。
 国家との関係でも同じです。
 道徳ばかりではありません。日の丸・君が代教育も同じ構造です。
 指導要領に従って指導するといってみても、それ自体が思想教育と同じです。
 「愛国心」教育と結びつくからです。
 児童・生徒が君が代のような特定の思想を持った歌を何故、強制されなければならないのかが問われているのです。日の丸のような血に塗られたものを何故、掲揚しなければならないのかが問われているのです。
 国連自由権規約委員会も2014年に内心の自由を制約するようなことを控えるように勧告を受けています。
 しかし、今月8月21日に参議院会館で開催された対話集会で次のように答弁しています(カナロコ2015年8月22日)
文科省は、学校現場での国歌斉唱について「学習指導要領に基づき指導しているが、内心にまで立ち入って強制しようとするものではない」と回答。「国歌国旗の具体的指導は各学校が創意工夫を加えることが必要」とし、内心の自由の事前告知や代替措置については、「粘り強い指導を行うことで通常は考えられない」としつつも、創意工夫の範囲内にあるとした。
 これを読むだけで文科省の極めて強権的な姿勢が色濃く伺えます。
 そもそも児童・生徒は教師に抵抗などできません。日の丸・君が代がおかしいなどと言えますか。言えないのです。そのような児童・生徒に対して「指導」などしたら、「粘り強い指導」などしなくても押し付けているのと全く同じです。
 しかも、その後に「粘り強い指導」などが待っているとなると、身の毛がよだちます。
 既にこのように実際には文科省(国)は児童・生徒の内面にまで土足で踏み込むようなことが行われているのが現実であり、これはまさに「愛国心」教育と全く同じ構造です。
 国家に対し忠誠を求める、それが「愛国心」の正体です。
http://blogos.com/article/130737/
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