ももたろうのメンバーの池田ゆみるさんが『坂の上の図書館』を出されました。初出版です。
これは、ふしぎな文体です。淡々として華美なレトリックなどまったくなく、一見、平凡そうに見えるのですがどうして、読んでいるうちに心の中に風がはいってきます。気持ちのよい風です。
その風とともに主人公、春菜の成長によりそっていると、ひきこまれ、やわらかく癒されてくるのです。
また、図書館をとりまくこの町の風景もくっきり描かれていて、図書館の光景が目の前に浮かびます。それを助ける羽尻さんの挿絵が美しい。
そして、なによりこの本を支えているのは、本への深い信頼と愛情でしょう。本を読めという示唆は何にもないのに、ここに出てくる本を手にとってみたくなります。わたしも大好きだった『長靴下のピッピ』もう一度、読んでみようと思いましたから。
それにしても、同人誌で読んでいた時よりも、格段に完成度があがっているのには驚かされました。とくにおかあさんの造形がいいと思いました。山本悦子さんに聞いたところ、ももたろうの勉強会でみんなで「おかあさんのところをもっと読みたいね」と言い合ったそうです。そんな書き直しが、成功しているんですね。
先に新人賞をとった堀田けいさんもそうですが、デビュー作というのは、ひと皮むけた形となって、飛び立っていくのですね。出版という力がそうするのでしょうか。その延びていく力は、まぶしいほど。
池田さんは長くこつこつと書いてきた努力家で、ももたろうの発送、会計も助けてくれました。このデビューは作家を目指してがんばっている人たちにとって、ひとつの希望の形になるでしょう。本当におめでとうございます。
同人誌ももたろうは、池田さんのがんばりもあり、山本悦子さんの大活躍にも影響され、他のメンバーもどんどんうまくなっていっています。今、猛烈に延びていっているところ。
そういう意味でも、うれしい一冊ですーー☆
これは、ふしぎな文体です。淡々として華美なレトリックなどまったくなく、一見、平凡そうに見えるのですがどうして、読んでいるうちに心の中に風がはいってきます。気持ちのよい風です。
その風とともに主人公、春菜の成長によりそっていると、ひきこまれ、やわらかく癒されてくるのです。
また、図書館をとりまくこの町の風景もくっきり描かれていて、図書館の光景が目の前に浮かびます。それを助ける羽尻さんの挿絵が美しい。
そして、なによりこの本を支えているのは、本への深い信頼と愛情でしょう。本を読めという示唆は何にもないのに、ここに出てくる本を手にとってみたくなります。わたしも大好きだった『長靴下のピッピ』もう一度、読んでみようと思いましたから。
それにしても、同人誌で読んでいた時よりも、格段に完成度があがっているのには驚かされました。とくにおかあさんの造形がいいと思いました。山本悦子さんに聞いたところ、ももたろうの勉強会でみんなで「おかあさんのところをもっと読みたいね」と言い合ったそうです。そんな書き直しが、成功しているんですね。
先に新人賞をとった堀田けいさんもそうですが、デビュー作というのは、ひと皮むけた形となって、飛び立っていくのですね。出版という力がそうするのでしょうか。その延びていく力は、まぶしいほど。
池田さんは長くこつこつと書いてきた努力家で、ももたろうの発送、会計も助けてくれました。このデビューは作家を目指してがんばっている人たちにとって、ひとつの希望の形になるでしょう。本当におめでとうございます。
同人誌ももたろうは、池田さんのがんばりもあり、山本悦子さんの大活躍にも影響され、他のメンバーもどんどんうまくなっていっています。今、猛烈に延びていっているところ。
そういう意味でも、うれしい一冊ですーー☆