上記は、MRO搭載のMars Color Imagerによる11月18日の火星全体の画像です。
(JPLのCuriosityサイトの11月21日付けWhat'sNew。)
MRO搭載のMars Color Imagerの最新情報は、こちらで確認できます。
上記画像には、OpportunityとCuriosityの場所が示されており、矢印で囲まれている地域で疾風によってダストが巻き上げられている様子がハッキリ見られます。
疾風は、Opportunityから1,347km以上離れているとのことです。
科学者による長年の火星観測によって、砂嵐出現に季節的パターンがあることが分かっています。
南極冠のドライアイスが溶け出してくる春から夏にかけての時期です。詳しくは、こちらにて
発生場所によっては、大砂嵐にまで発達することが分かっているようですね。
ただし、砂嵐の発生メカニズムは、まだ十分解明されていないとのことです。
今年の砂嵐の季節は、丁度数週間前、南半球の春のスタートとともに始まりました。
MROは、11月10日から疾風の観測を始めています。
11月16日から測定を開始したMRO搭載のClimate Sounder instrument(気候測深機器)は、疾風の約25km上空で大気の加温を検知しました。
その時以来、その地域の大気は、25℃程度暖まりました。
これは、その高さで日光を吸収するダストによる効果です。
したがって、この温度上昇は、ダストが地表面上から上空に舞い上げられているということ、そして、強い風が広い地域上空にダストやもやを発生させ始めていることを示します。
こうした大気の温度上昇は、、南半球のダストの多い大気の場合だけでなく、北極地方近くにも大気の循環の変化により生じるホット・スポットが見られます。
この春の前兆をCuriosityは、観測していたようですね。
11月16日当ブログ「REMSとRADの競演=気圧と放射線の関係」 で姿の見えない(ダストを巻き上げない)つむじ風の存在の可能性に触れています。
今回は、MROからの観測と併せて、CuriosityのREMSによる観測が出来ますので、砂嵐発生のメカニズムを解明する為の絶好の機会といえます。
でも、Curiosityの探査に影響ないのか?が心配です。嵐の時に山登りは、しないですよね。
もっとも、山登りの前に"Glenelg"の調査もあるし、まだまだ先のことですから、心配無用ですね。
ならば、ダストストームの真っ只中での観測を期待しましょう。
こっちへ来い!Opportunityから遠ざかれ!
Curiosityは、原子力電池搭載だ!