前回からの続きです。
過去のシンバルの鮮烈な響きが忘れられず、ツィーターに色気を出して「075」(JBL)に代えて聴いてみたところ、フルレンジとの折り合いが悪く惨敗だった。まるで木に竹を接いだような音(笑)。
ツィーターでこんなに音が変わるのかと思うほどの変わりようで、急いで元の「スーパー3」に戻した次第。
いろんな楽器の音色の差は「倍音」にあると聴かされてきたが、高音域は全体のサウンドを一変させるほどの力がありますね。ま、今更の話だけど・・(笑)。
さて、そうこうするうちに本日(1日)の10時ごろにお客様がお見えになる。仮にSさんとしておこう。長い東京勤務を終えられて、今は退職され福岡で悠々自適の毎日を過ごされている。
圧倒的な古き良きイギリスを愛されておられて、タンノイの古典型ユニットを愛聴されている。
タンノイ・コーナーヨークの中には希少な「モニター・シルヴァー」(口径38cm)が内蔵されている。横のスピーカーは「AXIOM80」である。
周知のとおりタンノイのユニットは「ブラック→シルヴァー→レッド→ゴールド→HPD→・・」と変遷を辿っているが、古くなればなるほど音がいいとされている。
また、アンプは「PP5/400シングル」アンプで、ヨーロッパの真空管アンプの大会でグランプリに輝いた由緒あるもの。メチャ重たくて一人で抱え上げるのはとうてい無理!
さて、我が家には数年ぶりのご来訪で、当時のシステムとはまったくの様変わりなのでどういうご感想を洩らされるか興味津々。
ところで、昨日の土壇場になっても「WE300Bシングル」アンプの調整に余念がなかった。
このアンプの弄れるところといえば整流管しかないが、8ピンタイプと4ピンタイプの両方のソケットが準備されていてとても便利がいい。
「274B」や「80」「GZ32」など比較的弱めの整流管を差し込みながら実験していたところ、ひときわメリハリが出てきて情報量が多かったのが「83V」(RCA:刻印の4ピンタイプ)だった。
たかが整流管で「こんなに音が変わるの!」と驚くほどの変わりようで、さっそく「北国の真空管博士」にご注進。
「以前、譲っていただいた83Vを300Bシングルに使ったところとてもいい塩梅ですよ。」
「そりゃ、そうでしょう。83Vは内部抵抗の低い整流管です。WE300Bも内部抵抗が低いので相性がいいはずです。定評のある274Bなんかよりずっといいですよ。83Vはポピュラーではないのでみんな知らないだけです。そもそも83Vはレイセオン製を始め・・・」
「そうですか、そんなに優れものだったのですか・・・」。
現在「83V」の刻印を2本ストックしているので安心して使える~(笑)。
というわけで、Sさんを迎え撃つトップバッターは「WE300Bシングル」アンプで決まり~(笑)。
さあ、舞台は整った!
これから「PP5/400」 VS 「WE300B」、いわば「イギリスとアメリカ」の死力を尽くした戦いが始まりますぞ~。
以下、続く。