11月1日(火)は遠路はるばるお見えになったSさん(福岡)と10時から16時まで6時間にわたってシステムをとっかえひっかえしながらみっちり聴き耽った。
二人ともクラシック好きがベースにあるので話がよく噛みあった気がする。
まずは音楽があり、そしてオーディオという順番だが、とはいえやや主客転倒気味なのもよく似ている(笑)。
さて、試聴会の模様をどういうふうに「まとめ」ようかとちょっと迷うがテストしたスピーカーをメインに据えて順番に記録として遺しておこう。
対話形式がわかりやすいと思うので、「S=お客さん」、「T=自分」としよう。
★ ウェストミンスター
1 「WE300Bシングル」アンプ
S「めったに聴けないほどの深々とした低音が出てますよ、バランスもいいです。やっぱり最後は箱に尽きますかねえ・・・」
T「整流管を83V(刻印)にしたらまったくの様変わりでした。このアンプはもうこれに限りますね。北国の真空管博士からレイセオン製など新たに3本追加して購入する予定です」。
2 「PP5/400シングル」アンプ
S「やっぱりこちらの音の方がWE300Bより好きです!中高音域が実にきめ細やかで雰囲気が素晴らしいです。前段管の「AC/HL」(英国マツダ:初期版)がよく手に入りましたねえ」。
T「ハイ、市内の真空管工房からようやく手に入れました。初期版はオークションではもう手に入らないと思います」
※ ご覧のとおり、左側の「AC/HL」と右側の「PP5/400」の管内上部のマイカが細長い長方形になっているのが初期版の特徴である。
S「PP5/400を数ペア保管していますが、初期版(2ペア)以外は音質がやや落ちるのでもはや無用の長物です」。
T「それでもPX25よりはマシでしょう。我が家のPP5/400がお釈迦になったらそのときは譲ってくださいね(笑)」
3 EL34プッシュプルアンプ
S「これは・・、中高音域が冴えないですね。低音専用に使うのが一番じゃないですか。クラシック鑑賞はやっぱりシングル形式に限るように思います」
T「パワーは30ワットぐらいあるので我が家では一番の力持ちですけどねえ。低音域の量感と制動力に不足はないのですが、中高音域となるとシングル形式の繊細さには敵わないようですね。」
次はスピーカーを代えて「トライアキシオム」の登場。事前からSさんが切望されていたスピーカーである。
★ トライアキシオム(グッドマン:同軸3ウェイ)
ここでSさんが持参された「6FD7」アンプの登場。テレビ用の球として特殊なつくりだが、丈夫さと音の良さでは引けを取らない優れものである。
ずっと昔のこと、このブログでも特集を組んだことをご記憶だろうか。ちなみに、このアンプに限っては「北国の真空管博士」の入魂の作品となる。
S「いやあ、驚きました。トライアキシオムを聴かせていただくのはK県以後これで2回目ですが、予想していた以上にいいです。とてもバランスがよくて私の大好きな音です。このままずっと聴いていたい気になります。こんな音を聴かせられたらもう皆さんビックリされると思いますよ。それからサブウーファーは不要です。前にたらした布も無い方がいいです。」
T「気に入っていただいて良かったです。それにしてもこのアンプとは相性が抜群ですね。こんなに小ぶりなのに・・・。」
ひとしきり絶賛の嵐のもとに、「それでは次のアンプを聴いてみましょうか」と提案。
これも「北国の真空管博士」の手が余すところなく入った「6AR6(6098)シングル」アンプ(三極管接続)。
さあ「6FD7」と「6AR6」の同じ「6族」同士の一騎打ちですよ・・(笑)。
以下、続く。
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